治 療 日 記 10

 

平成18年8月1日 
小児科 眼科 循環器内科の診察日

まずは小児科・・
身長156.3センチ 体重36.3キロ
身長は1センチほど伸びていたけど 体重はかろうじて増えたかな・・という感じ
この時期に減らないだけでもいいとしよう
そろそろ身長が公費負担での治療の上限に近づいている
このままでは来月あたりで越えてしまうと思うので この治療も3月一杯で終了になりそうだなぁ…
自己負担での治療も行えるみたいだけど まあちゃんの体のことを考えると身長を伸ばすことがいいとはいえないような気がする
あとは自然にどれだけ伸びるかに期待しよう(*^_^*)

顔の湿疹が一向に良くならないので 次回皮膚科と右耳の聞こえが気になるので耳鼻科の診察予約を入れて頂く

眼科…
少し気になるところはあるけど まだ孔ではないということで次回まで様子見…
やはり網膜が弱いのだろうねぇと言われる
まあ 破れたらレーザーをすればいいからね…と言われてまあちゃんが苦笑いする
そこまでレーザーに慣れていないので やっぱり怖い方が先に立つらしい…(^^;)
次回は 12月…

お昼を食堂で食べて 午後から心エコーと心電図と診察…
今日は身障手帳の事で 学校の先生も来てくださった
検査にはまあちゃんが一人で入った
前回私も一緒に入ると『出てください』と言われたので同席はできないのだろうなぁと思ってまあちゃんを一人で行かせた
心エコーの検査が少し時間がかかっているように思えた

検査を待っている間に先生が来てくださる
なんとか手帳がとれないか…を主治医の先生に伺ってくださるようになっている
いままで 変化なし…で来ているので きっと今回も同じですよ…(^^;)
どうしたらいいですかねぇ…と話をしていた
検査が終わったまあちゃんが出てくる…
痛かった…としきりに訴えてくる
器具を当てられたところが痛かったということらしい
へこみがあるので見えにくいのは仕方ないんだけど 痛いと感じるほど押さえなくてもなぁと思ってしまう

検査が終わってしばらく待ち時間があった後 診察室に呼ばれた

主治医の先生はまず顔の湿疹をとても心配してくださった
かなり心配な湿疹だと思うので しっかり診てもらうように言われる
そしてその後・・
『顔の湿疹も心配なんだけど こっちもねぇ…』とパソコンの検査結果を見られている
こっちもということは検査の結果ということなのだろうか…

心エコーで見た限りでは 大動脈の拡大については大きな変化はなかったと言われる ただ…
どうやら 心電図に異常が出てきているようだった
3月の時の検査からは意外なほどの変化が起きているらしい
かなり心配なんですよねぇ・・と言われて 頭が真っ白になってしまっていた
先生の説明も所々しか記憶にない…

右心室と右心房の働きが悪いので 血液が十分に送れていない事
原因としては 胸郭の変型による圧迫が考えられるけど それだけが原因であるとはいえない
胸郭の再手術も考えて 小児外科の先生と話し合ってほしいと言われる
いまの状態では ふらつきや手足の鬱血などが出てくる
運動は一切禁止…走ったり飛んだりは絶対にしてはいけない
歩くのもゆっくり…と指導を受ける

最近よく手足の色が悪いなぁと感じていたのは 気のせいではなかったのか…
ふらついて階段から落ちたことも 偶然ではなかったのか…
正式な疾患名も聞けなかったほど 動揺していたけど なんとか手帳のことだけは聞くことが出来た
返事は【4級ならすぐにでも取れます…】と言われる
いままで何度も何度も断られてきた手帳の申請が すんなりと出来る事になった
この事態を喜んで良いのか…
学校の担任の先生にも診察室の中でお話を聞いていただいたので よかったなぁと思う この状態を私が伝えるよりは一緒に同じ話を聞いて頂いていれば学校生活についても安心できる

まあちゃんは心エコーの時から自分の状態が悪いのだろうと感じていたらしい
2人の先生が検査をしながら話していた言葉を聞いて そう思ったのだという
いくら子どもだからといって 患者の前でそういう言葉を使うと患者は激しく動揺する
そういう細やかな心使いなければ この病院が目標としている患者側にたっている医療といえるのではないのかな…
患者はいつも先生の一言一言に敏感になっている

小児外科の先生へ検査結果を送ってくださるというので 8/21に広島まで出かけようと思う
ただ じゃあすぐに手術を・・とは思っていない

予想していなかった結果にとまどってしまった…親子2人…
まあちゃんのショックもとても大きかったようだ…

 

平成18年7月6日 
久しぶりに耳鼻科へつれていく

春休みに・・と言われていたのに先生が変わったことと午後の診察がなくなってしまったことで 足が遠のいていた
でも 最近右耳がきこえにくい…と言うことが多くなったのでつれて行ってみた

診察と聴力検査を受ける
左耳の方は鼓膜の再生術のあともなんとか落ち着いているようだった
すこし外耳にかぶれがある程度
ただ 右耳の聴力が激しく落ちていた やっぱりなぁ・・予感的中…

少し前まで うるさい音の時には両耳をふさいでいたはずなのに 最近は左耳しか自分で押さえなくなった
音楽の時間も左耳だけを押さえたら大丈夫…という話を聞いて なんか変だなぁと思った事もあった
その原因がこの結果に出ていた

右耳の聞こえを示すラインは左耳よりかなり下にあった
特に低音の部分は 聞こえていないかもしれないですね…と言われる
まだ 左耳がなんとか正常域で聞こえているので今のところ左右差はあるものの 生活には不自由ない範囲らしい…

やっぱり進行しているのだろうか…
以前岡山の病院で 進行性難聴です・・と診断されたことがあったのでその話を伝えると それなら慎重に経過をみていかなくてはだめです…と言われる
夏休み中に岡山の病院で再度診察をしてもらおうと思う

 

平成18年6月29日 
小児科の受診日

今月も給食を食べた後 病院へ

身長154.9センチ 体重36.1キロ
微妙だけど増加はしているかな…
最近夏服になって ほそいねぇと言われることが多くなったけど この子にとっては
この体重がベストなのかもしれない

顔や体の湿疹がなかなかよくならないことを先生も心配してくださっていた
以前 術後の創部の感染のときも同じような状態で 洗浄消毒を繰り返すことでなんとか感染が治まった経緯がある
先生もそれを思い出してくださって「やっぱり消毒かなぁ…」とおっしゃった
いままで地元で見ていただいている先生も「消毒が一番有効な方法だけど これだけ湿疹が広がっているとかなり痛い思いをするから…」といろいろ対策を考えてくださって 酢酸を使ってみたりしていた

でも酢酸だと皮膚を侵食してしまって逆に傷を作ってしまう状態だったので 使うのを控えていた
先生も MRSAの血液感染はとても怖いのであまり傷を作らないほうがいいようにいわれる
今日からしばらくイソジンでの消毒を試してみることにする

その後 まあちゃんを診察室から出して 染色体異常のお話を聞いてみた
いつかはきちんと話を聞いておいたほうがいいとおもっていたけど なんだか聞くことがとても怖くて聞けなかった
今後 この子はどうなっていくのだろうか…
世界でも例を見ないといわれた複雑な染色体の異常は 将来どんな影響をこの子に与えるのだろうか

先生は図を書いて説明をしてくださった
ただ どんなに異常そのものについての説明はできても 今後のことはわからない…とおっしゃった
いま出ているさまざまな症状が 染色体異常のどこの部分から現れているのかはわからないけれど その影響であるということは確かであって だからといって今後どのようになっていくか…それはまったく予知できない
はっきりしている3番染色体の異常であるマルファン症候群にしても2型という新しい型なので 今後のことはまだわかっていない

このまま 見守ってあげることがいいのではないですか?

先生から そう言われる
先の事を案じてもなにもわからないのなら 今を見てあげてください…
そんな感じだった

そうなんだよなぁ
自分でもわかっているんだよなぁ
この答えがなんとなく想像出来ていたから 今まで確認する事が出来なかった
誰の人生だって 先のことはわからない… 明日のこともわからない…
そう思ってしまえば楽なのかもしれない

辛い思いをして原因となるものを突き止めたとしても どうしようもないことなんだよね
やっぱりきかなけりゃよかったかなぁ…という後悔が残る…

 

平成18年5月25日 
小児科の受診日

午前中学校へ登校し 午後から病院へ向かう
なんたって【給食 命!!】なので 食べずに帰るわけがない(笑)
最初は お弁当がいいなぁと言っていたはずなのに 毎日献立表のチェックが日課になるほど給食大好きになっている(笑)

身長154.6センチ 体重35.5キロ…
あれれ。。先月とまったく変わらないじゃないですか…
あれだけ食べているのに それはどこへいったのでしょうか…
それだけカロリーの消費が激しいということらしい
まあ 減らなかっただけでもよいとしよう
学校内でもかなりの距離を歩いているみたいなので 運動量も多いのだろうな

今月から 注射器がペン型に変わるので メーカーの方に指導をしていただく
なんだか操作がむずかしそうだなぁ…
まあちゃんは着せ替えのできる注射器にご満足の様子。。(笑)
注射器のデザインが好きなものにかえられるという子供心をくすぐる設計になっている(^^)
すこしでも楽しく 少しでも痛みを少なく…という思いが伝わってくるようだ…

今月から 1週間6ミリグラムになる
1.4ミリを2日間 1.6ミリを2日間で計6ミリの計算になる
この治療も今年が本当に最後になりそうだなぁ
公費負担からはずれたら 自費でうってやれるのだろうか…
この1年で少しでも成長してくれるといいんだけどなぁ

顔の湿疹がMRSAによるものだと話をすると MRSA用の塗り薬を出してくださった
抗生物質の軟膏なので 長期では使用しないように…じくじくしているときだけ使うように指示が出る
だんだん広がってきているので なんとかおさめてやりたい…
いくら男の子でもやっぱり顔となると見た目が気になるみたい…(^^;)

血液検査をして 今日の診察はおしまい… 来月は29日です

 

平成18年5月6日 
地元の小児科の受診日

先生が2週間に1度のペースで診察を入れて下さっている
鬱の症状は少しずつ見えなくなってきているけど まだまだ時間が掛りそうだ…
この診察の時間があるから 安心しているのかもしれない…と思える
だって 診察していただく姿がとっても嬉しそうなんだもんねぇ(笑)

ぜん息のお薬を20日分とMRSAの対策用に酢酸を頂く
ぜん息の薬はこれを飲んでいると 息をするのが楽になる・・とまあちゃんは言うのだけど…
いつもそんなに苦しいのかなぁ
胸郭が広がらないせいなのか… 息をするだけでつかれる…とよく言うようになった

酢酸は皮膚に出ているMRSAに使うように指示を頂く
MRSA対策に酢酸が有効なのだということ
酢酸がMRSAの表面組織を壊すことで 軟膏薬(リンデロンとプロペトのミックス)の効き目が上がる事を期待している
長年MRSAには苦しめられているので これで効果が出てくれると本当にありがたいと思う
一番おそれている血液への感染を起こさせないように しっかり治療しなくては…

調子もいいようなので 今度は5/20の受診予約を入れて頂いた
診察というよりは 先生とお会いすることがまあちゃんの心のリハビリになっているの…かな(*^_^*)

 

平成18年4月27日 
眼科と小児科の受診日

午前中 眼科で眼底検査を受ける
3ヶ月毎に網膜に孔があいていないか調べていただいている
視力検査は裸眼両目で0.15 メガネを掛けて1.0で矯正出来ているようだ

網膜の検査はあやしい箇所が3カ所あるけれどまだ孔ではないので次回の診察まで様子を見ていくことにする
やはり 組織が弱い事が原因なのかな…
マルファン症候群との関係があるとはっきりとは言われないけれど 近視が徐々に強くなってきていることと網膜の弱さを考えるとなんだか関係がありそうな気もする

午後からは小児科を受診する
身長154.6センチ 体重35.5キロ(まあチャン曰く 満腹だったらしい(笑))
それでも1キロちかく体重が増えている事は喜ぶべきかな‥
あまり急激に増えると心臓によくないらしいけど 40キロはほしいよなぁ……

注射の量が少し増えていた
いままで5.6ミリグラム/1週間→6.0ミリグラム/1週間になった
注射器もいままでの1本ものからペン型に変わるそうだ
いままでも何度かペン型の注射器を見せていただいていたけど 実際に使うとなるとちょっと緊張かなぁ(笑)
でも針も細くて短くて痛みも少なくなりそうだな…

身長も体重も増えていて申し分ないのだけど…
このまま行くと今年度中に規定の156センチを越えてしまう
でも もう少し伸びがほしいと思われるようなら 自己負担での治療も考えておいてください…と言われる
自己負担でも 高額医療費と年末調整でいくらかの戻りがあるから月々数万円くらいで収まると思うから…と説明を受けた
まあちゃんにもこの先をどうしたいか…自分で考えてもらわなくてはいけないと思う
お金のことはなんとかあると思うけど(がんばって働くしかないけど…)どこまでの身長を望んでいるのか…
身長が伸びる事で起こる危険性も常につきまとっている状態なので慎重に考えていかなくてはいけないことだ…

 

平成18年4月1日 
地元の小児科を受診する

まあちゃんの大好きな先生の診察日だった
ここでも 児童相談所での結果を話をした
以前 この先生からも受診を勧められていた先生だったけど いまの状態で違う病院へいくのは抵抗があるだろう…ということで こちらで診て頂いている

先生の前では甘えているのか… しんどい…と訴える
でも 以前のように病院へ戻りたいとは言わなくなってきている
すこしずつ気持ちが高校生活への期待に変わってきているような気もする
しばらく暗いトンネルに入っていたけど やっとうっすらと光が見えてきたのかな…
ふさぎ込むこともなくなった…
不安を口にすることもなくなった気がする…
眉間のしわも・・なくなったかな(笑)

今度は15日の受診を取って下さった
学校が始まってからの事を聞かせてね…と言って通院のきっかけを作って下さっているのだろう…
ほんとうにまあちゃんの周りには理解をして見守って下さる方がたくさんいて下さる
ありがたいことだと 心から感謝をしています
私じゃない親じゃない 信頼できる大人…
まあちゃんにとって大切な大切な存在なのだと思います

 

平成18年3月30日 
小児科の受診日

今日は小児科(岡山)の受診の日…
午後からの予約だったので午前中は倉敷でお買い物をして 満足満足のまあちゃん(笑)

身長 153.9センチ 体重34.4キロ
主治医の先生に『変わったことはなかった?』と聞かれて…入院していたことや筋力の低下でリハビリをはじめたこと 高機能自閉症だと診断を受けたことを伝えた
先生は いろんなことがあったのねぇ〜びっくりされていた…

筋力の低下が起こっている・・ということについて 注射はどうする?と聞かれた
筋力が落ちているのに身長を伸ばし続けると筋力が付いていけなくて無理が起きてしまうから やめてもいいよ…と言われる
でも もう少し治療を続けたい…
筋力の低下よりも心配な事はあるけれど せめて治療の最終数値の156.4センチまでは治療を受けたいと思っている事を伝える
先生も 意志を理解して下さり よく注意していこうね…と言って下さった
血液検査の結果も悪くはなかったので 安心する

家に帰ると 小児慢性特定疾患の受診券が届いていた
申請して下さっていた重症児の申請が通っていて驚いた
やっとまあちゃんの苦しみや辛さを理解してもらえたのだと思うと嬉しかった…
重症児扱いになって 嬉しいというのは本当はとっても不謹慎なのかもしれない…
でも 誰かにまあちゃんの状態を理解してもらいたかった
まあちゃんの目に見えない苦しさや不便さや悔しさをわかってもらいたかった…
それがここで県に認めて頂けたことになる
やっと 救われたような気がした

 

平成18年3月28日 
児童相談所で精神科の先生の診察を受ける

高校への準備としてまあちゃんの状態を専門の先生に診ていただく…
児童相談所では 数字的な判定は出来ても病名(?)をつけることは出来ないのだ
そうだ…
まあちゃんは今まで専門医の診察を受けたことがないので これがいい機会だと思い受診することにする

いままでの経過の書類を見ながら 先生が質問される
まあちゃんが答えたり私が答えたり…
この質問の間のやりとりにも私たち親子がどう関わってきたかが出るのかなぁ〜この先生はそれをお見通しなんだろうなぁ…
なんだか心の中を見透かされているのかも知れないというはずかしさがあった(^^;)

1時間ほどの話をした結果…
高機能自閉症ですね… そして今は鬱傾向の状態ですね…と言われた
私の中でも なんとなくその言葉がいつも引っかかっていたので 言われた瞬間妙に納得できている自分がいた
やっぱりか………
でも 今更いわれてもなぁ…… もう15歳だし……
ずっと 実年齢が低いから精神的にも遅れている…と言われてきたけれど それだけではないなにかを感じていたからこそ 相談にも来ていたのになぁ…
もっと早くにわかっていたら なにか手だてがあったのだろうか…
まあちゃんをのばす方法はあったのではないのだろうか…
そんなことが 頭の中をぐるぐると駆けめぐった

正直 覚悟はしていたものの頭の中が混乱していた
平静でいよう・・そばにはまあちゃんが座っているのだから・・と落ちつこうとするけど先生の言葉がどんどん流れていく…
ちゃんときかなくっちゃ…

先生は今後の事をまあちゃんに聞いていた
眠れないのなら お薬を飲んでみる? 
いらない…
先生の所に通ってきてもいいよ
○○先生のところがいいから いまは通わない…
まあちゃんをずっとフォローをして下さっている小児科の主治医の先生の元がいい…そういう意味なのだろう

先生はなにも強要されなかった
すべてまあちゃんの意志をくんでくださって それでいいよ…と認めてくださった
でもね…
ここで出会ったのもなにかの『縁』だから 辛くなったらいつでも来てね…
そう言って笑顔で送ってくださった

これで 専門医の診断も出た…
あとはどう理解してやるか… どうすればのばしてやれるのか…
私もそれなりに腹を据えて取り組まなくては…
遅いかもしれないけど なにもしないよりはいいはずだから…