治 療 日 記 2

 

平成15年5月21日 
小児科の定期検診に行く

身長132.2センチ 体重23.3キロ
2ヶ月前より1.5センチ伸びているみたい…
先生によくふくらはぎを痛がることを伝えると 成長にふくらはぎの筋肉がついていってないのかもねぇと言われる

次回は心エコーと血液検査をするように言われる
大動脈弁閉鎖不全らよる逆流があるそうなので それが悪化しているようなホルモン投与の治療を中止するように言われた・・
前回のエコーの時 大動脈の拡大という話は聞いていたけど弁の閉鎖不全も逆流も聞いていなかった…
私があまりにぼーっとしていて聞き落としたのかもしれないけど 今日はじめてきいてびっくりした

心臓だけはなにも異常が出ていないことがある意味支えだったのに拡大が見られたことで落ち込み…そしてまた今日さらに落ち込む…
でも 冷静に考えれば 拡大していると言うことはそういうことになるんだなぁと先生の説明を聞いて理解した

ホルモン治療はかなり心臓に負担を掛けているから 心臓を壊してまで身長にこだわらなくてもいいじゃないか…と言うのが先生のお考えのようだ
もちろん 私もそう思う… 

時々顔色が白くなったり黒っぽくなったりするのはその影響かなぁ・・
今度はしっかり質問してみよう・・

 

平成15年4月23日 
国立病院へホルモンの薬を頂きに行く
今日は まあちゃんは同行しなくてもいいので一人で出掛けた

3月の末に行った血液検査の結果は特別なにも異常はないという事でほっとする
今後3ヶ月おきに血液検査をして副作用が出ていないか調べると言うこと…
次回の検査は6月…
男の子の成長時期の話しや染色体の話をしてもらった
ひとつひとつ丁寧に答えて下さるから こちらもいろいろ聞いてしまう(汗)
本人がいないと結構突っ込んだ話まで出来るんだなぁと実感…
やっぱり 本人がそばで聞いてると話し難いものです…(-_-)

 

平成15年4月21日 
掛かり付けの耳鼻科に行く

やはり夏の手術についての話が出た
まあちゃんの『いやなことはさっさとおわらせよう!!』という一言で日程が
きまった
夏やすみ 一番最初のオペ日は7/22ということでその日に決定…
前日入院の一応2泊3日の日程らしいけど 場合によっては手術方法が変更になるかもしれないのでその場合は2週間は掛かると言うこと…
えっ??とまあちゃんと二人で一瞬固まった…
どうか短期間の入院でできますように…

先生と麻酔のこと…気管内挿管の場合 環軸椎回旋位固定でのずれがまだあるために挿管については慎重に行うように指示が出ていることや術後のMRSAが心配なことなどを話をした

それらの事は 7月に入ってからの術前検査の時に相談しましょうということになった
麻酔は 挿管せずに出来る方法もあるし MRSAについては術前から消毒をくり返して減菌してから手術をするという方法もあるという話し…
病院が違うので なにをどこまで伝えたらいいのか分からない…
こういうときに 病院が違うと不便だなぁ

鼓膜の再生手術も国立でと考えたけど 術後通うことを考えればやはり地元の掛かり付けの先生が一番だと思うから お願いすることにしました

12年ぶりにちゃんと聞こえるようになるといいんだけどなぁ…

 

平成15年3月25日 
小児科と小児外科の診察に行く

小児科では身長と体重を測り 副作用をチェックするための採血を受けた
身長130.7センチ 体重23.5キロ…
まだまだこれからに期待との事…
成長ホルモンを投与すると 筋肉量か増えたり やる気が出たりするという
お話を聞く
うーんっ 今の所そういう変化はないみたいだなぁ
まあちゃんのように免疫不全症 奇形症候群を持っている場合には白血病
悪性腫瘍の発生率が高いという報告があるという話を聞いている
血液検査の結果が心配だなぁ
そこまでして背を高くする必要があるのだろうかと また疑問がうかぶ…

小児外科では写真を撮ってもらう
傷の赤みと再度陥没している部分を先生に見てもらう
やはり先生の目から見ても変化していると分かるみたい…
ちょうど心臓のあたりが局所的に凹みが深くなった来た
息をすると胸骨全体が凹む…
『骨が弱いからだろうなぁ…』と先生も頭を抱えられた…(-_-)
もう一度プレートを入れるか?という問いに私は速効【NO!】を出した…
もういい・・もう手術はいい・・
このまま圧迫が起こっていないのであれば もうこのままでいい…

先生から話があると言われて どきっとする…
いい話ではないだろうなぁと直感的に感じる…

まあちゃんのマルファン症候群についての研究依頼書が先生の手元に届いていた
遺伝子を専門に研究されている機関の方からの依頼書の説明を聞く…
どうやらまあちゃんは世界にただひとりの染色体の持ち主らしいとの事…
病気の発症原因の研究を始めたいと思うので 両親 本人の血液の提供の依頼だった
原因は突然変異であると言うこと…
まあちゃんの中でなにかが起こったということ…
なにが起こったのだろう…
どうして この子なんだろう…
世界にたったひとりだけ… そんなこと考えたこともなかった…

研究にはもちろん協力をさせて頂くつもりだ
ずっどずっと 変だ…変だ…と思っていたことがこういう形で解決への扉を開くとは思ってもいなかった…
『やっぱりマルファン症候群だったんだなぁ…』答えはこれでよかったのに…

 

平成15年3月24日 
1ヶ月ぶりの耳鼻科の日

最近はこのペースで診察を受けているので かなり楽になったなぁ
診察を終わって帰ろうとすると 先生に呼び止められた(-_-)
『次の時には手術の打ち合わせをしましょうね!!』と釘をさされた(笑)
夏休みの手術なら そろそろ予約をしておかないと間に合わなくなるらしい…
うーんっ いよいよ覚悟を決める日が来たなぁ
先生の目は『もう 延期は許可しないよぉ〜〜』と言ってるようでした(^^;)

 

平成15年2月26日 
小児科の検診の日

成長ホルモンの注射を初めて2ヶ月弱…
どれくらい伸びたかなぁ〜
身長と体重を測ってもらうと130.2p 23.0キロ 
身長は1pの伸びだった

注射を始めた頃は結構伸びている気がしていたけどここのところ測っても
あまり変わらない
食欲もでてきたのかなぁと思っていたらやっぱりいつも通りになった…
ただ 甘いものが好きになったらしい。。(^^;)
いままでチョコとかには興味を示さなかった子なのに最近は自分で戸棚から
出してきて食べている
先生に言うと 『あまり関係ないと思うよぉ』とおっしゃった。。

次の検診は3月末… 小児外科の検診と同じ日にしてもらった

 

平成15年2月10日 
掛かり付けの耳鼻科に行く

そろそろ言われるかなぁと思っていたことを先生から言われた(^^;)
『約束の春休みなんじゃけど…手術どうする??』
ずっと耳の鼓膜再生手術を勧められていたんだけど 去年の夏は胸の手術があると言うことで中学に上がる春休みということにしてもらっていた…
でも 手術を2回も続けて受けてやっと退院したまあちゃんにいますぐの手術はやっぱり無理なんじゃないだろうか
体力低下で手術を受けてまたMRSAでも出てしまったら大変なことになってしまう気がする
以前手術をする左耳から数回の感染を起こしていることを考えると体力を回復させてからにしてやりたいと思う
なにより本人が嫌がっている…

『先生 夏でもいいかなぁ』と聞くと『そりゃええけど…』とまた延長を許してくれた(^^;)
早めにしないと聴力の低下や耳の中の軟骨が溶けてしまうと本当に聞こえなくなってしまうという事はよくよくわかっているけど 3ヶ月ほど延ばしてやってもらいたいな

しかし また夏は病院生活になるのねぇ
でも この手術は短期でできるみたいなので…地元だし…
どうか 成功しますように…

 

平成15年2月7日 
小児外科の検診

胸の形は肋骨の左下部分が落ち込んできているがしばらく経過観察にする
傷跡の赤身もかなりよくなっている様子…このまま落ち着いてくれるといいんだけどなぁと先生も心配されている
今後感染の再発が起これば後がないと言われているだけに祈るような気持ちで毎日傷口をチェックする
はやく落ち着いてくれないかなぁ・・
でも この前のインフルエンザの時に抗生剤を飲んだら見る見るうちに赤みが引いていったという話を先生にすると少し感染を起こしていたのかも…という事…ああっ 怖い怖いっっ(>_<)

話の中で心臓についての話になった
今はまだ動脈の一部が拡大されているだけだけど将来的にはなにか起きてくるかわからないように説明された…(-_-)
なかなかきびしいなぁ…

 

平成15年1月7日 
今年最初の検診

前回の診察から日にちも経っていないので胸の方の変化はあまり見られなかった
でもやっぱり傷口の赤みが気になる

写真を撮ってもらって 染色体について少し質問をさせてもらう
前回あまりにも頭が真っ白で聞いているようで聞いていなかった事に気が付いた(笑)ので もう一度詳しく説明してもらった
今回の検査で1番の染色体にも異常があることが分かったらしい…
ふーむっっ やっぱり聞いてもよく分からないなぁ
勉強しなくっちゃ…(^^;)

そして いよいよ今日から成長ホルモン分泌不全症小人症の治療が始まった
いやがるまあちゃんのお尻にぶすっっ(>_<)と生まれてはじめて注射というものをしてしまった…
なんとも言えない感触…
これをしばらくやっていくのかぁ… 週3回…もう少し体重が増えたり身長がのびれば回数は多く薬の量も増えてくるそうだ

まあちゃん 注射が終わってベットから起きると先生に『もう延びた?何p延びた?』と聞いて診察室が大爆笑!!
やっぱりまあちゃん… 笑わせてくれるなぁ(^^)

 

平成14年12月27日 
今年最後の検診に行く

やはりここに来て左側の肋骨が下がってきているようだ
傷口の赤みも気になっていたが いまのところ感染している様な状態ではないので様子を見ようと言うことになった

先生から退院の時に行った遺伝子検査の結果を伺う
やはりマルファン症候群であるということ…
ただし 『高身長』を特徴とするものではなくまた違う型のコラーゲンが原因で発症するものだそうだ…
現在は研究中で 染色体の原因位置は分かっているが原因となる遺伝子の位置がまだ不明であるということ。。
話を聞いていても難しくて混乱してしまう・・
とにかく『マルファン症候群だと思ってくれて間違いないです…』と決定打を頂いた…
まあちゃんのタイプのマルファン症候群は心血管系に主な症状が出てくるタイプなのだそうだ…
だから なかなかマルファン症候群と診断されない上に心血管の症状は進んでいて短命に終わってしまうことがあるらしい…
今後は心臓の方も慎重に観察していきます…という話だった

先生から『短命』という言葉を聞いて すっと血の気が引いた気がした…
もしこのまま気が付かなかったら… 考えたくもない事だけど…

脊髄 脳 そして 心臓…
いままで心臓だけはなにも症状がないことがひとつの心の支えだった…
それさえもなくなってしまった気がした

予定していた成長ホルモン分泌不全症小人症の治療が薬の関係で1月に延期になった…
まあちゃんは注射が始まらないことがとってもうれしそうで帰りの車の中でもご機嫌だった
私は…病院を出てからあまりおぼえていない気がする
気が付けば津山市内に入る手前で車に流れが悪くなって自分のいる場所に気が付いた…
たぶん 頭の中は真っ白だったのかもしれないなぁ…
いや 先生の言葉を繰り返し思い出していた様な気もする…
順調に流れていたので その流れに乗ってかえって来れたんだろうなぁ
あぶない 危ない…(>_<)

胸の形は残念だけど今後も変化をしていくように伺った…
なんでこんな事になってしまったかなぁ…
それでも 笑っているまあちゃんがそばにいてくれるだけでも幸せだと思おう

 

平成14年12月25日 
12月20日 術後に予定していた知能検査をやっと受けることが出来た
約1時間の検査をまあちゃんと先生二人で行い その結果の大まかな所を伺った
結果は『LD(学習障害)』でした
国語の能力が非常に低い… 言葉の理解に問題があるというお話でした
IQ値は年齢に比例して順調に伸びてきているので知能には問題はないと言うこと…

まあちゃんと話をしていていつも疑問に思うことがあった
まずは呂律と発音の問題… 表現力の幼稚さ… 言葉使いの幼さ…
私たちが日常会話していることでも『それはどういう意味?』ときいてくる事が多い… なんども同じ質問を繰り返したり なんども同じ間違いを繰り返す…
たとえば『服の襟をちゃんと出して ボタンは上から順番…』を毎日繰り返します 繰り返さないと襟は出ていない ボタンの掛け違えは平気… 挙げ句の果ては『襟を出すってとういう意味?』ときいてきます
『ここが襟で上の服の上に出すんで… がっこわるいけんな…』というと納得する…
まあちゃんの日常の所々にこういう不思議な出来事があります

6年生にもなってこんなことも出来ないのか…とずっと思い悩んでいました
私が甘やかして育てたから…ずっとそう思って その遅れをなんとかして取り戻そうと必死になっていた時期もあった
そのときの私はきっとものすごくきびしくまあちゃんに接していたと思う…
今思えばかわいそうな事をしてしまったと後悔している…
もっと早くこの結果に出会えばよかったな

分からないことはゆっくり教えてやればいい
何度でも教えてやればいい
同じ間違いを繰り返すことは この子にとって仕方のないことなんだ…そう思えることで私自身の気持ちがすごく軽くなった気がする

LDについてのサイトを見て回ると『天才のたまごたち…』とか『能力のアンバランスな金平糖のような子供たち』という表現を見つける
まあちゃんの得意とする【集中力】を大切に自由に延ばしてやりたいと思う
小さな体に秘めた大きな力があるのなら それを引き出してやりたいと思う

普通と言われる子ども達の中には 今ももがいている子がいるかもしれない
そして私のように 悩んでいる親もいるかもしれない…
その子を正しく見つめることが出来るのなら この結果は悲しくはないと私は思う

 

平成14年11月29日
退院後1週間 術後の検診に行く
胸の写真を撮ってもらって 様子を見てもらうが悪化している様子もなくこのまま様子を見ていきましょうと言われる
次回の診察は12/27

その後 小児科の先生を交えて成長ホルモン分泌不全症小人症の治療について相談する
まあちゃん本人は難色を示しているが ここは親の判断で行うことにした
ホルモン治療を地元の小児科から国立病院へ移行させてもらった
そのことで 小児外科 小児科 整形外科の連携がスムーズに取れるようになる
いままで私が医師間に入って悩んでいたことは先生同士の間で討論して頂ける 肩の荷が下りた…

治療開始は12月27日から 1週間に3回お尻に注射する
投与によって起こる副作用も心配なので 3ヶ月に1回の血液検査と整形的な問題から画像検査を行うことにする

 

平成14年11月26日 
肢体不自由児クラスの新設をお願いするために中学校を訪問する
今の状態や生活の上で危険な事や留意してもらいたい事を伝える
津山から少し離れた養護学校をすすめられる可能性もあるという話を聞くがそれは私たちは絶対に希望しないことを強く伝える
あくまでも 地元の中学校へ通わせたい
兄もいる友だちもいる学校でたのしい思い出を作ってほしいと思う

 

平成14年11月22日 
11月21日に退院する
8月26日から約3ヶ月…長かった…
でも その生活にも慣れていたんだなぁと家に帰ると感じる

20日に心エコーの検査を受けた
2年前からずっと気に掛かっていたマルファン症候群という言葉…
症状を照らし合わせると合致する点が多く いろんな先生にその事を話し検査をしてもらうようにお願いしてきたけど どの先生もマルファン症候群の最大の特徴である高身長ではない。。という部分で検査以前に可能性はないだろうとされていた…
でも 私の心の中ではいつももやもやしていた…
マルファン症候群の中で一番生命を左右する症状に心臓疾患がある この部分が私にとって不安で仕方なかった

今回入院してから 主治医の先生に事あるごとにマルファン症候群の可能性を伺い続けた… 入院中も変化をしていく胸の形を『軟骨の異常』と診断して下さりやっと『検査をしよう』という言葉を出して下さった
胸部レントゲン 心電図 心エコーと検査を受けた
結果は大動脈の拡張(真性動脈瘤)…マルファン症候群の代表的な症状が見つかった
検査後 エコーの先生と主治医の先生…小児科の先生が真剣に討論されている現場を見て『やっぱりなにかあったんだ…』と直感した

その夜 先生から状態を聞く
不思議と動揺する事もなくすんなりと聞くことが出来た
どこか親の勘というのか…この結果を予感していた部分もあったので冷静でいられた気がする
新しい病名…予感していたとはいえまあちゃんの人生を大きく変えてしまうものだ…
いまは本人には知らせないで置こうと思う…

 

平成14年11月15日 
外泊から一時病院へ帰る

採血と診察をしてもらい 整形外科を久しぶりに受診する
レントゲン上病状が進行している様子もなく 指や腕にも力が入っているのでまた半年後に受診することにする
中学校生活について聞いてみると やはり体育は無理だと言われる
でも まあちゃん自身が体育が好きではないので出来ないと言われてもなにも問題はないらしい(^^;)

 

平成14年11月12日 
外泊の前に眼科と心臓レントゲンと心電図を取る

眼科では気になっている斜視を見て頂いた
2年前に地元の病院で外斜視で両目の手術が必要と言われていたが漏斗胸の手術があったことで治療を延期していた
どうしても必要でない手術は出来るだけ避けたいという思いもあったからその後 足が遠のいていた気もする
一通りの検査をしていただき診察を受ける
『手術するのもしないのも自由です しなければいけないというものでもないですしほおって置いても悪くはならないですよ…』といわれる
いまこの時点で本人が困っていたり辛がっているようなら手術をした方がいいけれど 困っていないのならもう少し待ってもいいのではないか…
今だと全身麻酔だけど 中学生・高校生になると局部麻酔で手術も可能になるし入院期間も短くてすむそうだ

まあちゃん本人と話をし しばらく通院で様子を見ることにした
ひとつ 問題が片づいた気がした
また 必要なときが来たらそのときに考えよう…
通院は半年に1回 斜視外来を受診することになる