アレ(オイルクーラー)の取り付け。



スーパーシェルパにオイルクーラーを取り付けてみます。
シェルパにそのまま取り付けられるオイルクーラーは社外品(「プロト」発売)
そしてシェルパの兄弟車である「ストックマン」の純正オプションです。
(「そのまま」という条件を外せば、選択肢はいくらでもあるでしょう。)
ストックマンの純正オプションについては
「シェルパネットワーク」の掲示板で総額約8万円であることと
コアがDENSO製ということを教えてもらいました。
最終的に部品番号などは”Huey' s Garage”さんのお世話に。
そして、”Huey' s Garage”さんにパーツリストを見せていただき確信しました。
「コアはスズキのジェベルXCやDF200と共通」だろう(確信の割に押しの弱い表現ですが)...。
ちなみにジェベルXCなどであれば、全部品一式合計でも4万円くらいではないでしょうか?
ストックマン用はコアもガードもどちらも約3万円です。
ガードはスズキでは6000円くらいですから、約5倍です!
まあ、スズキは標準装備ですから量産品
豪州向け特殊車両であるストックマンのオプションと同列に論じてはいけません。
「イヤならつけなければいい」話ですし。
オイルクーラーを全部純正で揃えられる人もおいででしょうが
私はジェベルXCの部品流用で取り付けてみました。
(実はこの春に「ジェベルXC用オイルクーラー(&ガード)一回だけ装着」を
オークションで5000円(定価の1/4くらい?)で入手していたので、コレを使ってみようと。)



”Huey' s Garage”さんのHPに書かれていますが
本来シェルパにはオイルクーラーは特に備え付ける必要はないそうです。
ですから”Huey' s Garage”さんではオイルクーラーの取付を推奨もしていませんし
油圧の管理が難しいことから、本当に必要な人以外は取り付けないほうが良いという姿勢です。
と、言われてもバイクを弄るのが好きな私はやっぱりオイルクーラーをつけてしまいます...。
困ったちゃんですね私。



以下はその顛末です。



部品の構成は以下のとおりです。
・ストックマン用を使用
 オイルホース、ホースをケースカバーに取り付けるバンジョーボルト、アルミのガスケット
 これらを”Huey' s Garage”さんで取りまとめて、送っていただきました。
 (見所はオイルホースです。
 金属部分はともかくとしてゴムの部分に保護用で被せてあるスプリング状の部品の色が「OD」というか自衛隊色です。
 なんでこんな色にしてあるのか??)
・ジェベルXC用を使用
 クーラーコア、ガード
 そして下の画像のバンジョーボルトです。



これはどちらもオイルホースのバンジョーをコアに取り付けるバンジョーボルトです。
ジェベルXCのサービスマニュアルパーツリストで、
ジェベルのバンジョー取り付け部内径は14φであることは確認済みでした。
ストックマン用のバンジョー取り付け部内径も14φですから
なんの疑問も抱かずにストックマン用のボルトを購入しました(上の画像左側)。
それを仮に取り付けようとバンジョーに通してコアにねじ込みました。
しかしいくらネジってもコアに捻じ込めません。
それもそのはず、コアの取付穴がK社のボルトより一回り小さいのです!(下図緑の丸部分)



最初は、「あーこのコアはジェベルXC用に似ているけど、別の車種用だったのか?」
と思い大慌て。師匠に相談したり善後策を検討。
それから数時間後、落ち着いて考えると「もしかしてジェベル用はネジ部が小さい?」
という可能性に思い当たりました。
そこでジェベルXCのパーツリストをよくよく見てみると
なんだかネジの部分はバンジョーの内径に接する部分より小さい様子。
ジェベルXCのバンジョーボルトを取り寄せて(上の画像左側)確認するとピッタリです(ネジ部は12mm)です。
正直、「こんな所の寸法を変える必要があるのかな?」という感じでした。

尚、ネジ部の直径が小さい分だけセンターの穴が小さく
ストックマン純正の物に比べると流量的には不利でしょう。
しかし他の部分の事を考えると、コレが致命的にマズイということはないと思われます。



実際の取付作業にかかります。
まずは”Huey' s Garage”さんから「クランクケースカバー裏に細工が要ります。」
と情報を頂いていた部分に取り掛かります。
(パーツリストに記載されています)



上画像の黄色丸印で示したボルトを長いものに取り替えます。(パーツリストでは8×20となっています。)

このボルトが、何をするかと言いますと...。
通常は下の画像のように流れているオイルを。



クーラー取付時には下のように流れるようにするために交換します。



これで、以前から疑問に思っていたことである「内部のオイルラインが生きたままで
外につけたコアにちゃんとオイルを送れるか?」ということは解決です。
(完全に閉塞しているか、一部なのかについては確認していません。)
しかし、社外品のオイルクーラーもこのオイル流路の閉塞をしているのでしょうか??
構造上、ケースカバーを開けないことにはなにも出来ないので...。



ガードはジェベルXC用を加工せずに取り付けます。
上側はダウンチューブの上についている三角形の板に穴を開けて、ネジ止めします。



下側は「コの字」型の金具を作って、ダウンチューブに溶接して取り付けます。
溶接は以前キックアームの溶接をしていただいた、歩いて3分の「鉄工さん」にしていただきました。
「鉄工さん」は鉄工所じゃありません、一般人なのに「鉄工さん」なんです。
(理由は簡単、名前が「鉄工」さんなんです。)





斜め後ろから見た状態です。
飛び出しているようですが、そうでもありません。
白いチューブは油圧計のものです。



前から見た状態です。





ご覧のとおり、クラッチワイヤがありません。
ホースを通すのに邪魔になったため、一旦外しています。
オイルのホースはカワサキ純正、クーラーコアとガードはスズキ純正。
しかし、ホースの長さはピッタリです。
また、ホースの曲がり方を見ても、コアが車体から外へ張り出す位置も適切なようです。
(ホースの長さはコアが共通(ネジ部除く)でしょうから当然としても、
コアの外への張り出しは多少違っているだろうと想像していました。
しかし、張り出し位置もOKです、偶然は怖いです。)



オイルの追加ですがコアの容量が50ccくらい+配管、「えいやあ!」で+100cc決定。
(直接関係ない話ですが、マニュアルには「オイル交換時にフィルタを替えたら1.4L」
「替えない場合は1.3L」とかかれています。 
しかし、フィルター部分のオイルはそれほど時間がかからずにケースの底に落ちているようなんですが...。)



とりあえず、エンジンをかけてみます。
別段問題ありません、油圧計の針も振れています。
しかし、よくよく観察してみるとオイルが漏れて(にじんで)います。
(ホースからコアへの取付け部、下側のバンジョー)



赤丸の部分です。
別にジャブジャブ漏れるのではなく、にじみ出たオイルが垂れてきているようです。
まあ、この程度ならちょっとキツめにバンジョーボルトを締めればいいかなということで
バンジョーボルトを増し締めします。
ただ、バカみたいに締めるのは後が怖いのでやめておきます。
で、再度エンジンをかけて...漏れてます。
気を取り直して、もれているバンジョー部分を良くふき取ってから一旦休憩します。
休憩から帰ってみると...にじんでます。
エンジンを止めた状態ですが、コア内部のオイルが出てきているようです。
一旦バラしてみると、バンジョーを締め付けている部分のアルミガスケットの当たり方が不均一であることがわかりました。
どうやらバンジョーボルトの「ツバ」部分の加工にちょっとだけ問題があったようです。
その部分をオイルストーンで磨いて取り付けると、にじみは止まりました。



さて、クラッチワイヤを取り付けて走ってみます。
(取り付け前と同じルートを走った後です。)

状態 圧力
温まった状態、6速70Km/h 0.9Kg/cu
温まった状態、アイドリング 0.2Kg/cu?


とりあえず、油温が上がりやすいようにコアにカバーをして走りましたが
(おそらく油温が上がりにくいのでしょう)油圧はなかなか下がりません。
結局前回より、ちょっと油圧が高めです。
前回と異なる点は...
時期的には、前回の確認から3週間ほどで多少気温は下がっています(11月上旬と下旬)。
もちろんオイルクーラーを取り付けてあること。
といった、ところです。
やはり、取り付けにより暖めなければいけない部分が多くなり
油温が上がりにくく油圧が高めに出ているということでしょう。



クラッチワイヤの取り回しを変えたので、ハンドルを左に一杯切るとワイヤが苦しそうです。
KLXのものがちょっとだけ長いそうなので、交換してみましょうか。



くどいようですが、以上は私の遊びであり、車両への改造を勧めるものではありません。
(万一本HPを参考に同様の改造を試みて
いかなる損害や不利益を被っても私は責任を負えません。)



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