The first traveling abroad

私が、海外に初めて行ったのはいつのことだったろうか。。
東京の大学を卒業し、東京で就職。忙しくて旅行など考えもしなかったが、
28才にして情に絆されて帰郷し、父が経営する会社に就職した。
それから私の海外旅行が始まった。

バブルの絶頂期にあった当時、海外へ行くのが当り前のようになっていた。
何 しろ、私の会社でも社員旅行は海外旅行をしていたのだから。
私もその余慶に預かり、東南アジア、しまいにはハ ワイまで連れて行ってもらった。
飛行機に乗る、入国審査を受けるなんて、いままでに経験したことがなかったから、
もうわくわくしてしょうがない。そして初めて見るもの、食べるもの。美しい景色。
海外旅行の面白さにようやく気がついたのだ。

世の中にはバックパッカーという、いわゆる貧乏旅行をする若い人が増えている。
タイなぞにいくと、そんな人がごろごろいる。
しかし、私はなにしろ大学の卒業間近に皆が海外へ卒業旅行にいくというのに、
入社式の数日前までバイトを 続けていたという人間だ。
当時の私は海外旅行というか旅行なんぞに価値を見出すことが出来なかったのだ。
ああっ、なんて貴重な時間を無駄にしたんだ! 
いまの私ならすぐ旅立っていたであろう。

異文化に触れる ことはとても刺激的で魅惑的だ。
現在の私は金と暇があれば海外に行くと決めている。
経験することって素晴ら しい。それに気がつくのが遅かったことが悔やまれる。
しかし逆にいまからでも遅くはないだろうとも思う。
今だからこそ、感じられる何かがあるはずだ。

旅にも色々とスタイルがある。どういった旅をするのかは個人の自由だが、
私は今更、バックパッカー的な旅をするつもりもない。
歳に見合った旅をするのが一番良い。
そうすることが、たぶん旅を一番楽しめて、最低限の安全を確保できて、
体に負担をかけなくて済むことになると思うからだ。

人生は一度きりなんだ。
1つでも日本ではできない経験ができたら、人生の大きな糧になる。
世界は広い。まだまだ私の知らないことが山ほどある。
焦っているわけではないが、1つでも多くそれらを、見ずに、聞かずに、
そして触れずにはおられない。
この衝動こそ、私が旅を始めた所以なのだ。