The first traveling abroad

私の海外旅行好きに拍車をかけたのが、この「深夜特急」という小説だ。
沢木耕太郎という人が書いた本だが、バックパッカーにとってはバイブル的な本だ。
バックパッカーとして、インドからイギリスまで路線バスを乗り継いで旅をするというこの話は、
沢木氏自身の経験によるものだ。この本に影響を受けた某TV局のプロデューサーが、
猿岩石のヒッチハイク大陸横断という番組を構成し、大反響があったのは周知の事実だ。
私はこの本の存在を知 らずにいたが、TVで大沢たかお氏主演で、
この「深夜特急」が映像化されたのを見て、とても感銘を受け小説も読んでみた。

「なぜ、人は旅をするのか? なにをしに行くのだ?」
私を含め、多くの人が一度は考えてみるテーマだ。
異文化の世界をいろんな意味を含めて体感することがとても面白いし、自分の視野が広くなる、
知識欲が満たされる。これも一つの大きな理由だろう。

そしてもうひとつの理由は、沢木氏自ら語った言葉にある。
「自分と対話したいんでしょうね。」

見知らぬ土地で、言葉は通じない、今夜泊まるべきところもない、とても空腹でもある、
さぁどうする?

こんな時にあてになるのは自分だけ。内なる自分と相談し、解決策を探る。
こういうプロセスをこなすのがとても面白いんだと言っておられたが、
純粋に自分を見つめなおすと いう意味あいもあるのだと思う。
つまり、自分がどれだけの人間か、どういう人間か認識できるということだ。
そうすれば高慢にもならず、人間もっと他人に謙虚になれるし、
もっと他人に優しくできるんじゃないだろうか。
また、自分の現在の境遇、自分の未来について純粋に考えてみる時間を持つことが
出来るのも大きい。

とにかく旅に出てみよう。
私も人生観が変わったひとりだ。

「人間は人間でしかなく、他の何者でもない。」
私が海外へ行きはじめて感じた、ひとつの大きなことである。

宗教・言葉・外観・風習が違っても、根本的な人の優しさ、暖かさは変わらない。
これがわかっただけでも、とてもよかったと思える。
いや、これが実感できたことは十分過ぎると思ってもいい。

「深夜特急」、機会があれば一度読んでみて欲しい。
そして、旅をするいうことについて、なにかしら感じていただければと思っているんだ。