タイのバンコクへ行ってみた。
バンコクへは、過去2回行っている。
バンコクは、物価が安いので多くの旅人が留まってしまい、
安宿に居座り続けて、特に何もするわけでもなくぼんやり過ごしている。
タイの人のおおらかな考え方、「マイ・ペンライ」精神。
「いいよ、気にしないよ、どうにかなるさ。」 みたいな感じなのだろうが、
この気質がバンコク訪れる誰しもが感じる、居心地の良さになっているのであろう。
そして、タイの言葉のなんと響きの優しげなことか。
ますます、のんびりムードになってしまう。
そんなこんなで、タイにハマり込む人間が増え、
数ヶ月、日本でバイトして資金を作り、バンコクに舞い戻ってのんびり暮らす。
お金がなくなるとまた、日本へという生活をしている人も結構いるらしい。
私もバンコクを歩きまわってみた。
スカイトレインを使えばとても便利だ。
確かに食べ物は安いと思った。
昼間、歩いてみた感想は、まぁ、アジアによくある都会の風景だと思ったが、
夜に歩けば違った顔をみせる。
友人に聞いていたシーロム通りソイ・パッポンへ行ってみた。
バンコクの夜はぎらぎらしていた。
所謂、風俗産業だ。
のんびりムードの昼間と違って、欲望とお金の世界に変貌していた。
天使の街というらしい。
どういう意味なのかは、個々の感じ方なんだろうが、
私の感じたことは、そういう職業がさかんな街という印象だった。
しかし、もっと私が感じたのは、その天国に住んでいる
天使たる女の子たちにとって、バンコクという街は
決して天国と呼べるような街ではなかろうということだ。
そうしていかないと暮らしていけない。
天使たちの笑顔の瞳の奥には、ある種のあきらめに似た
光が宿っていたのを私は見た。
天使の街と呼ばれるバンコクの、もうひとつの顔は決して楽園などではなかった。
シーロム通りソイ・パッポンを逃げ出すように足早に通りすぎた。
ホテルの近くで、ひとり屋台で豚ののど肉を炙ったものをつまみに
生ぬるいビールを飲んだ。
風も生暖かい。
なぜだか全てが中途半端な気がした。
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