Kamaka HB-2D
米本土産のウクレレはUke(ユーク)と呼ばれており、その代表格である
名工と謳われるロ・プリンジ氏の製作するウクレレを以前から注目していたが、
とうとう意を決して2007年6月にロプリンジ氏にメールを送り、
何回かメールをやり取りしてオーダーメイドしたもの。

私が要望した点は、
・貝のバインディングは避けて落ち着いた装飾
・オータサン仕様の12Fジョイント
・ロプリンジ氏自らの手で是非製作して欲しいこと など、
大変わがままな要望も含んでいたが、ロプリンジ氏は
見事に私のイメージ通りの、まさに私の為のスペシャルウクレレを
仕上て届けてくれた。

バインディングにローズウッド、そして幾重にも重ねた緑そして白と黒の
パフリングが施してあるTop側の角面。
Back側の角面もロースウッドのバインディングに白と黒のパフリングを施し、
Backとサイドの継ぎ合わせ部分に走る黒いラインが全体を引き締める。
ロゼッタにも緑がかった貝を用い、ホンジュラスマホガニーの深い茶色を
引き立てる緑色を多用した、見た目控えめだがとても丁寧に
作られたウクレレであることがひと目でわかる。
ちなみに指差し板はエボニー製。

あまりの見事な出来栄えにお礼メールを送ったところ、
返事のメールの一文に
「I enjoyed building your ukulele.」
と書いてあった。


最近Loprinzi氏は心臓を患って以来、娘さんのDonnaさんを
指導しながらウクレレ製作をしておられるのだが、
私のウクレレに関しては全て自ら製作してくれたものらしい。
証拠に最近のLoprinziのウクレレのラベルには
Loprinzi氏本人とDonnaさんの両名のサインが入っているが、
私のウクレレにはLoprinzi氏本人のサインしか入っていない。
そういう意味でも大変貴重なウクレレなのだ。

私のウクレレ Loprinzi氏本人の サインしかないところに注目 私のウクレレ Loprinzi氏本人の サインしかないところに注目
このウクレレは音は透明感のある大変ふくよかな音で、
甘い音という表現がぴったりくる。ハイフレットまで明瞭に音がでる。
ハワイ製のウクレレとはまったく違った完成された音という感じもする。
もしかしたらウクレレらしくない音という人がいるかもしれない。
弦はAquila を張っており、白い弦がまたこの濃茶色のウクレレに
映えて美しい。
Loprinzi氏によると最近Aquila弦を標準装備としたが、
もし気に入らなければ長年採用していたLaBella社の
Kapalua stringsを推薦しますとのことだ。

私にとって、このウクレレはまさに究極のウクレレ。