1987年式シトロエンCX25GTi(シリーズII)

導入

2CVを衝突安全性への不安と、3人目の子供が生まれたことから手放したのは丁度バブル経済の真っ盛り。バブルには縁のないハズの単なる勤め人だった我が家も浮かれ気分でCXという高級車を購入した。

入手先はNiftyServeの個人売買欄(当時はインターネットなどなく1200bpsのモデムでパソコン通信が普通の時代)。パソコン通信だから画像はなく文字情報だけで売買の仮約束を決め、先方指定の大阪日本橋で待ち合わせ。話しはトントン拍子に進み、帰りはCXに乗って神戸まで帰宅。

維持費

これまで乗ったクルマのなかでもCXは手強い一台だった。車計簿をまとめると”こんなに注ぎ込んだのか”と落込むのは確実だったのでこれまで集計はしていなかったが、この度意を決して計算してみた。

詳細は下記の通りだが、結局3年間で約2万Km使用し、一度の車検費用を含めて維持費に120万円ほどかかったことになる。中古大型シトロエンを所有する負担としては平均的数値、それとも大したことはない数字?

クルマ自体の魅力はつきなかったのだが、直しても直しても”次はどこが壊れるのか?その時幾ら掛かるだろう?”という考えが常に頭の隅にあり、精神的な重さで持ち続けることを断念した。なお、下記修理ではいずれも故障は解消され修理後は本当に満足いくシトロエンの味を満喫できたことをシトロエンの名誉のためにも付け加えておく。

メインテナンス記録

インプレッション

同車には前後にツインエアコンが装着される。リアまで伸びるエアコンホースはガス漏れしやすかったり、渋滞時に電動ファンが廻った上でとツインエアコンを作動させると電気の供給が不足する(国産オルタネーター装着でクリア)などの問題点を除けばエアコンは寒いほど良く効く。

かなりのロングホールベースだがフロントトレッドが広くリアトレッドが極端に狭い事もあり、狭い路地でもフロントが曲がれさえすればリアは何事もなく通り過ぎていく。

セルフセンタリングステアリングはオーナーになった当初はとまどい切り戻しで蛇行したりもするが次第に慣れると何ら違和感を感じなくなる。またセルフキャンセルしないウインカーも別段面倒ではない。

シートはみっちりあんこが詰ってソフトだが革質が悪く表皮の痛みが激しい中古車がほとんどである。シリーズIIではメーター類が普通になっている為あえてシリーズIIを避け、ボビンメーター+ファブリック内装+メッキバンパーのシリーズIを選択する方がCXらしさを楽しめるのではないだろうか。

高速道路では法定速度5割増位で巡航するのが最高に快適で、クルマの真価が発揮できている。こうした長距離走行を日常的に行うドライバーにとってはストレスの無さということでベストの1台ではなかろうか。

乗り心地は独特のものであり、前席は快適至極であるがリアシートでは車酔いに注意が必要(低い着座位置+通常のクルマとは異なるゆっくりとした揺れ)

最後のpureシトロエンということでも価値あるクルマである。