ラベルダ ゴーストストライク

なれそめ

あれほど思い詰めて入手したMOTO6.5だったが目指す方向性の違い(もっとシャープな走りが欲しい)から放出。そんな折、お世話になっているショップの片隅に長らく居坐っていたラベルダに無理を言ってお店の周りを試乗させてもらった。しかしその時の印象は芳しくなく(アクセルレスポンスがシャープすぎてギクシャクする、低速トルクが全然無い、ポジション窮屈etc.)いったんは候補外に。でも、RIDERS CLUB誌の長期インプレなんかを読んでいるうちに「もう一度乗ってみたい」という気持がムクムクと湧いてきて「それ、下さい!」。

ゴーストストライク

購入したのは97年式のゴーストストライク。空油冷の668ccパラレルツインエンジンをニコバッカーをオリジナルとするアルミツインスパーフレームに積み、特徴的な2眼ビキニカウルを装着したネイキッドモデル(今ならストリートファイターか)。

とにかくショートホイールベースでコンパクト

2眼のライトは暗い

カウルが邪魔してメーター上部は見えにくい(後に対策)

空冷ながらダブルで装着されたオイルクーラー

燃料供給はもちろんインジェクション

燃料タンクはアチャルビスの樹脂製でシート下に位置(通常のタンク部はエアクリーナーが中をしめたダミータンク)

給油はシングルシートカウル(orタンデムシート)を開けて

2-1-2のエグゾースト系とリアのブレンボ

ステップの作りはしっかりしている

フレームに貼られたシリアルプレート

格好悪いデザインのデカール

フロントサスはパイオリ倒立

マルケジーニ・アルミとフロントのブレンボキャリパー

インプレッション

重いクラッチと軽すぎるアクセル+レスポンスが良すぎる反面3,000回転以下ではトルクのないエンジンという組み合わせで街中は非常に走りにくい。せいぜい3速までしか使えず、交差点では1速にシフトダウンして尚且つ半クラを併用しなければならないほど低速は効かない。

ライディングポジションは上体がネイキッド風アップライト、ステップはレプリカ風高め後方寄りの妙な組み合わせ。前傾でない分、視野が広いのは美点。

伊車共通のハンドル切れ角不足。

街中では扱いにくくストレスの溜るバイクだが郊外に出ると本領発揮。2ストのような特性のエンジンはビュンと吹け上がる。しっかりした足回り&ショートホイールベースなのでコーナーは曲りすぎるのに注意が必要なほど。

ギアはハイギアードで、5速80km/h、6速100km/hを越えないとスナッチがでる。日本ではもう少しローギアードでも良いのでは?

性格は純粋なワインディングスペシャル。ツーリングにも街乗りにも不向き。用途を特定した割り切った使い方が必要だ。

その後のモディファイ

身長178cmではフロントカウルの上端が視野を邪魔してメーター上部と上段のインジケーターが見えない。750ストライク(水冷)ではカウル位置が変更になりこの点が改善されているようだった(側面写真で判断)。そこで750ストライクのフロントカウルステーを購入して(19,800円)取り替えてみるとこの問題は解消された。

クラッチの重さ対策にはクラッチプレートの圧着スプリングの軽いのがあるとのこと(6,000円)。

ハイギアードなのを改善するためにドリブンスプロケットのT数の大きいのを付けよう(R/C誌に出ていた)と思ったがアプリリアサービスセンターには在庫無し。

最近のラベルダ

カミさんが乗ると身長162cmで足つきはギリギリといったところ。それよりもクラッチの重さがこたえるようでクラッチレバーは4本掛けで握っている。

「空冷でクリアランスが大きいためオイル消費が多い」とショップで聞いたときには既に遅し。4,000kmほど走ってオイル交換に出したらオイルパンには1リットルほどしかオイルが残っていなかった由。1,500〜2,000km毎に1リットルはオイルを消費している計算になる。

マイナー車種&正規輸入元が力を入れていないのか、パーツ供給が不安定で高価。基本的にはガッシリと作ってあるのだが外装などはおおざっぱで価格に見合ったものには見えない。リセールも含め商品性はドゥカティにはかなわない。