H.9年9月27日付け山陽新聞記事から

 土こう墓群(弥生中期)見つかる

見張り台”?の柱穴も

真備・東蚊蜂(ひがしかばち)第一遺跡

 工業団地の建設中に発見され,真備町教委が発掘調査している同町市場,東蚊蜂第一遺跡で26日までに,弥生時代中期(1世紀ごろ)の土こう墓群が見つかった。弥生後期(2世紀ごろ)の巨大な構築物の一部とみられる柱穴も検出。この建物は”見張り台”とも考えられ,注目を集めている。
 どう遺跡は,平野部を望む丘陵の尾根上にあり,土こう墓群は,尾根の北端部で32基が固まってみつかった。墓穴は長さ2〜1メートル,幅50センチメートル前後で,ほぼ南北に整然と並んでいる。
 副葬品がなく,区画もないことなどから,弥生中期の墓域と推定される。同町の要請で今回の調査を担当する総社市教委の武田恭彰主任(37)は「高梁川以西の県南では最古級の土こう墓群。弥生の墓制を考える上で重要」という。
 「見張り台か」と注目される遺構が見つかったのは,土こう墓群の南。直径30センチ,深さ1.4メートルの柱穴2つが,竪穴住居跡(弥生後期,直径4メートル)をまたぐるように南北に並んでいる。柱間は約9メートルあり,掘り方は約1.5メートル四方。柱穴の底から弥生後期の土器片が出土した。
 同遺跡は,伊与部山墳墓群(総社市下原),宮山墳墓群(同市三輪),立坂弥生墳丘墓(同市新本)など弥生後期の重要な遺跡が見渡せる位置にあり,武田主任は「立地状況から見張り台としての望楼の可能性がある」と話している。
 27日午後1時から,現地説明会が開かれる。


(原文のまま)


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