[懶惰]



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【TATARI】[V]
|監督:ウィリアム・マローン 出演:ジェフリー・ラッシュ

猟奇事件のあった廃墟精神病院で一晩過ごせたら一億円、、、と招待された5人の男女と主催者夫妻、 ゲームのはずが事態は思わぬ方向に……って感じで設定とかはなかなか良いんですが、いかんせん B級のかほりが微香空間。
各種の演出やギミックもそれなりに怖かったり面白かったりするのに、結局そういうネタなの〜〜?! て方向でオチてます。あのCGはちょっと…………。作品として惜しいといえば惜しい。



【ソナチネ】[V]
|監督:北野武 出演:ビートたけし|

ヤクザモノとしての作品ではたぶんこのあたりが源流になってんじゃないかと思うんですが、 構造的にも「BROTHER」に似た部分があります。主人公が虚無的なのはいつも通り。
しかし劇中でものすごく危険な悪ふざけしてるシーンが多数有って、まぁジャンケンポンで 負けた方の頭に空き缶乗せて拳銃で撃つとかそういうことやってんですけども、 己的にかなり心臓に悪いというか教育に悪いです。残虐シーンのほうがよっぽど安全。

中盤でちょっと冗長になっちゃうのがネックかな。
ラストは意外x2。




【BROTHER】
|監督:北野武 出演:ビートたけし|

欧米の観客も視野に入れたつくりっぽいですが、基本的な構造は他の北野作品と同じです。 しっかし本当に何で、主人公は一様に虚無的で、寡黙で(これは役者のせいかな(w))、それでいて凶暴で、 非道なんでしょーか。
この映画でもとにかく大量に死傷者が出るし、残虐表現もアメリカンテイストを取り入れてさらに 過激になっている感じ。お馴染みの子分役もかなりすごい役どころで魅せてくれます。

それにしても何故こんなにも「死」を描くのか。聞くところによると北野武は 『嫌悪感のある暴力』『真似できない暴力』を描いてるらしいんですが、確かに これだけ残虐な表現やっててもどこか問題視できないのは、劇中では暴力を使う輩に対して必ず 何らかの報い(主に「死」)を与えており、暴力使うんならそういう業を背負うことを覚悟しとけよみたいな 印象があるからじゃないかと。
でも、「死」から「生」を考えられるとは思うけど、この映画を観てそれが考えられるのか、 それだけは疑問。

もう面白いかどうかの評価とか自分でもわかりませんが、今作、いつものようにほとんど全ての 登場人物が「死」に向かって一直線に突っ走っていく様には、すでに疾走感すら覚えます。

あと、某シーンでの
『"ファッキンジャップ"ぐらいわかるよバカヤロウ
はすごく良かった(w




【HANA-BI】[V]
|監督:北野武 出演:ビートたけし|

純粋な感動モノと思いこんでいたんですが、他の暴力作品と同じような流れでとにかく人が 死にまくる残虐なやつでした。
「HANA(花)」は生を、「BI(火)」は死を象徴しているというのを 最近知って、まあそう言われればそうかなと思いつつも、やっぱり圧倒的に「死」を描くことに 傾いてるよなぁと思う。一応「感動モノ」ってことで評価を受けた作品ですが、正直自分は あまり感動しなくて、『なんでこんなに死ぬことばっかり描くんだろう』ってことで 頭が一杯でした。

ただこの映画は、他のに比べるとまだ、ラストに至る経緯や理由が納得できうる感じだったので それなりに考える部分はできてきます。主人公にも他には無い「哀愁」みたいな雰囲気があって、 ちょっと違うかなと。
基本的な流れは一緒ですが。




【サタデー・ナイト・フィーバー】[V]
|監督:ジョン・バダム 出演:ジョン・トラヴォルタ|

なんだかとっても前に観たのに忘れてました。
観てる途中で別に自分はダンスが好きでもなんでもないことに気づいたのがちょっとした衝撃でした。 ストーリーが雑把なため云ってみればダンスシーンしか観るべき部分がないのに、思わず L.L.ブラザーズを回顧してしまうあたり、自分は本当にこの映画を観る資質がないのだなぁと痛感。 勉強(?)して出直してきます。



【ルール】[V]
|監督:ジャミー・ブランクス 出演:アリシア・ウィット|

都市伝説を題材にしてまして形式としては「スクリーム」「ラストサマー」と同じで、 コピーでは「知っていれば死ななくてすんだのに……」とか書いてるんですが あんま関係なくみんな死んでいきます。
とにかく展開がご都合主義的なのはもうお約束で、犯人の正体そのものの意外性はまぁいいんですが、 その設定と一連の殺人の動機との結びつきが弱いのが難。特にサブキャラ。 殺す必要ねーじゃんってツッコミが思わず入ります。

もっと都市伝説に特化して助かるルールってのを活かしてたら面白かったかもなぁと思うんですが。 あと、なにやら製作が「ラストサマー」の人と同じらしいけど製作ってどんな仕事すんのか 全く知りません。監督と脚本が違ったらもうほとんど意味無いかと。

でも終わりかたはちょっと面白かったな。



【シャイニング】[V]
|監督:スタンリー・キューブリック 出演:ジャック・ニコルソン|

一応ホラーってジャンルになってるらしいですが、その手の作品に比べるとそれほど怖くはないです。 ただ演出が怖い。様々なイメージ影像が想像力を喚起して、その意味ではスプラッター物とかより もっと別の恐ろしさがあります。
それからこの作品で必ず言われるのが、ジャック・ニコルソンの怪演。これは必見です。この人は やっぱり明るいキャラとかより、多少気がおかしいキャラのほうが光ってるなぁと思う。 初代「バットマン」のトゥーフェイス(だったかな?ちょい失念)を思い出しました。 あれぁ明るくても気狂いキャラでしたけども。

原作のスティーブン・キングですが、実際この人の作品ってホラーとしてはあんまり怖いと 思わないんだけど、ここまで膨大な数の作品群を生みだしてそのほとんどがベストセラー・ 映画化されればヒットってのはやっぱすごい。バケモン。
ただ、この映画にしても、スタンリー・キューブリックの演出とジャック・ニコルソンの演技あってこそ って感じがしないでもないので、作品としてどうかってのはちょっとアレですが。例えば 「グリーンマイル」は感動モノであることにすら気づかなかったくらいなんで、 何故あれだけヒットしてるのか謎です。 泣き所不明。

それと。ラストの写真アップですが、ここでも己の理解力欠如爆発。どういうことなのか サッパわかりません。謎。



【ミッッション・トゥ・マーズ】[V]
|監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:ゲイリー・シニーズ, ティム・ロビンス|

えー、ちまたの一部評では「駄作」ってことになってますが、何をおっしゃいますやら、 本当です

なんというか、描き方が冗長で必然性のないハプニングばかり起こりつつ、結局ラストは 『ええぇ〜〜そっちネタなの〜?!』で終わるというB級っぷりを見せつけております。
映像的には最高水準といっていいくらいでCGも違和感ないし、宇宙船内とかの描き方も 面白いんですが、とにかくストーリーがどうしようもない。なんでもかんでも ウチュージンに頼っちゃ駄目ですよ。せめてプラズマのせいにしとかなきゃ。それか 国防省の陰謀。
あと、緊急時に、登場人物がやけに落ち着いてる(というかのんびり)んですが、 それが例えば宇宙飛行士は緊急時にも落ち着いていなければならないんだという考証的には 正しいんだとしても、映画的にはやっぱ緊迫感無いです。だるん。

なんちゅーか、ゲイリー・シニーズのすんごい「はにかみ」っぷりだけがやたらと 印象に残った映画でした。



【ナインスゲート】[V]
|監督:ロマン・ポランスキー 出演:ジョニー・デップ|

これ観るずっとまえに、 ゼミの友人が『途中まではええ感じやったけど、最後がなんかなぁ』と言ってたんですが、 ホントそんな感じでした。ズコ〜!
ジョニー・デップ扮する古書収集家が悪魔の書を巡って繰り広げる奇譚のような話で、 関わった人物が殺害されるというサスペンス風味も交えつつ、三冊の悪魔の書の謎を 解いていくというものです。
んっとに、オチがよくわからんというか、『ナニ結局どういうことなの?』ってうちに 終わってしまうので消化不良気味です。ネタバレ的に考えると、例の女は劇中で何度も 超自然的な行動をとっていたので、なにかそういう存在の化身だってことなんだろうけど、 最後の挿し絵のことに関して、悪魔降臨の儀式を阻止しようとしたってことなら 神の側で(これは主人公を助けてきたことからも言える)、最後に挿し絵の在処を示して 主人公に儀式を行わせようとしたってことなら、悪魔の側か。そのへん最後まで 描かれてないので何とも言えない部分あるんですけど。
でも、挿し絵の女はとても悪魔には見えなかったのでやっぱ悪魔はないか。
それから終盤のセクシャルシーンの意味は全く解りません。必要あるんかい。



【拳精】[V]
|監督:ロー・ウェー 出演:ジャッキー・チェン|

幻の拳法「五獣拳」の極意書から出てきた五人の精霊達と繰り広げる笑撃のコミカルアクション!…… と思いきや、少林寺内で他道場の館長が殺害された!内部に潜む犯人を捜し出す本格派サスペンス アクション!……と思いきや、腕の立つチャイナガールとの勝負を続けるうち二人の中には いつしか奇妙な感情が、、、純情ラヴロマンスアクション!……と思いきや、 復讐心と親子の絆の間で揺れ動く人間の葛藤を描いたヒューマンアクション!
そして結局身内オチ!!

はっきりせえや


*NG集……無し



【少林門】[V]
|監督:ジョン・ウー 出演:ジャッキー・チェン|

これもおそらく初期の作品で、まだクンフーにたどたどしさが残るというか、 フィルムの速度をはやめる手法も使ってません。
ジャッキーはというと一応主人公群のひとりではあるものの、主人公ではなく、 兄を殺された復讐に身を燃やす青年を演じています。あんま目立たず。

それにしても本当にこの頃の作品って、アクションさえ魅せればストーリーは どうでもええっていう割りきりかたが徹底してて有る意味気持ちいいですな。 他の作品とカブってわかんなくなるくらい。


*NG集……無し




【バトルロワイアル】
|監督:深作欣二 出演:ビートたけし、前田亜希|

普通、公開しばらくして客足が落ち着いたところで貸し切り状態を狙って観に行くんですが、 なんか無性に観たくなったのと水曜スクールデイで安価だったのと予定が今度いつ合うか わかんなかったってのがあって行ったらば、普段過疎指定区域に指定されてるはずのショボくれ 劇場に長蛇の列。10年に一度の珍事ですッ!
そしてTEENにまじって並んださ。やめときゃよかった

予告編が始まってもティーンエイジャー満載の場内は静かにならないので絶望的になったんですが、 さすがに本編始まると静まるのね。アアヨカッタ。オジサンホットシタヨ。

それにしても、エロ系の規制にしてもそうだけど、隠された・禁止されたものをみたくなるという 人間の心理によって、規制が逆にその対象に強く人々の興味を引きつけるという皮肉が、 ここまで露骨に現れるとは思わなかった。
その意味で、確信犯かどうかは別として、諸々の論議も広告効果的には大成功でしょうな。 話題になったもん勝ちっていうか。まぁ内容は確実にR指定なんですが……。

んでその内容ですが、とにかく死にます。気持ちいいくらい次々に。そしてその異常性を さらなる異常性でかき消すかのような、たけしの演技がドス黒く光って素敵です。 今回、他の作品のように凶暴さを前面に出したキャラではないんですが、異常ベクトルとしては そんな感じで。
人間が深奥に秘める凶暴性、残虐性、もしくは自己防衛本能みたいなもんが、極限状態において 発現する様を若者を通じて描いてて、いろんなタイプの生徒の、様々な精神状態や 行動があって面白いです。攻めたり逃げたり護ったり。
あと要所要所で、笑いどころともとれる表現があるんですが、なんちゅーかすごくシニカルです。 そのほとんどがたけし絡みなんですけど。別にギャグを言うとかそんなのでは全然ないんだけど、 まぁブラックな笑いというか。いい味だしてます。

全編通して確かに残虐表現てんこもり。確かに有害かもしれない。
でも、これ素直に読みとるなら、 人を傷つけることや死というものの持つ意味を軽視してとことん相対化してしまったら 究極こんなことになっちまうんじゃねぇの、ちょっと立ち止まって考えてみろよ若人、 ってなことなんじゃないでしょーか。安易だけど。
それを、まんま「こういう暴力や残虐もアリだよねグヘヘ」としかみられない 若者ばっかりなんなら、もうホントに終わりだよなぁとか独りでブルーに なってみたりします。確信犯は別として。
あーでも最近はそういう確信犯的なワルが増えてるんだろうなぁ、、、とか思って さらにブルー。だめだこりゃ。


またも全然関係ねーですが、ヒロイン的女学生を演じる前田亜希には全国1200万人の ロリっ娘ファンがその夢(?)を砕かれたという諸説もチラリホラリ。たしかにそんな 幼く見えないもんな。
そして声のみの出演で前田愛。ハァハァ。(精神疾患




【グラディエーター】[V]
|監督:リドリー・スコット 出演:ラッセル・クロウ|

ローマ帝国の皇帝継承に係る紛争で追放された元将軍が、復讐のため奴隷戦士として コロッセウムで闘う話。
ちょっと勉強不足で史実かどうか判別つかないですが、戦闘シーンは迫力があって○。 ワムウばりの馬戦車が闘技場を所狭しと走り回ります。みんな大好きな残虐シーンもあるよ!
ストーリー的には、まぁ、普通気味。

主演のラッセル・クロウが「インサイダー」の時とぜんっっぜんイメージ違うんで、名前見るまで 全く気づきませんでした。カッフン。




【ハーモニーベイの夜明け】[V]
|監督:ジョン・タートルトーブ 出演:アンソニー・ホプキンス、キューバ・グッテイングJr.|

原題「INSTINCT」。
アンソニー・ホプキンス扮する生物学者がルワンダの密林で殺人を犯し、精神異常者用の施設に 隔離される。何が彼をそうさせたのか、、、、空白の2年間を追う。ってな映画です。

なんかまたMADな演技してるんかなぁと気になって観たんですが、アンソニー・ホプキンスの 演じる精神異常者はクールで知的で時にどう猛で渋格好良くて良い。マッド万歳!
でもやっぱ「羊たちの沈黙」のレクター博士のイメージが強すぎて、どうしても比較してしまう。 あれは絶品でした。

内容としては「自然がイチバン!」もしくは「ぼくたち地球っ子」というテーマなんだろうと 思ったら大きな勘違いで、「自由」ということの意味、束縛や制約からの解放といったことを、 ふだん精神病患者の心理を操作して治療している精神科医の若者が獄中の博士(アンソニー)から 学ぶという構図で、そのあたり面白かったです。

冒頭の精神病患者とのやりとりは面白くて好きなんで、ああいう感じのがもうちょっと多くても 楽しめたかなと思う。でも、これサイコ系ってのじゃなくて、どっちかといえば感動系に近いです。 たぶん。おそらく。あたかも。




【DUNE 上・下巻】[V]
|監督:デビッド・リンチ 出演:カイル・マクラクラン|

「砂の惑星」。
巨大ワームを始め、宮殿のオブジェといい、衣装といい、ここまで世界観を再現できてるのは すごいと思う。SF好きってのも相まって、楽しめました。

しかしこう言っちゃなんですが、これまで観たデビッド・リンチ作品に比べると、 とてもマトモな映画です。原作があるからだと思うけど。毛色が違うっちゃー言い過ぎでしょうか。

あと、ある敵の役を「スティング」って人が演じてて、マッド系のいい味だしてるんですが、 なんか、むこう(鬼畜米英大陸)の歌手でそういう人が居たような気がしないでもないですが その人かどうかよくわかりません。でもまぁパッケージとかでもことさら取り上げられてるくらいだから 有名なんでしょう。

ちなみにこのビデオ観ようとしてデッキめ○らにされました。SHIT !!




【ブルー・ベルベット】[V]
|監督:デビッド・リンチ 出演:カイル・マクラクラン|

この作品からリンチにハマったという人も多いそうな。切り落とされた耳に群がる蟻のグロい描写 から始まる、なんちゅーか、サスペンスと言って良いのかどうか……異様な、映画。

またわからんちんな映画かなぁと思っていたら意外に話のすじはそれなりにあって、 一応の、終わりもあります。要するに「日常」には闇の部分、自分の知らない世界があるという ことを表してんだと思いますが、主人公がその世界に入り込んでいく好奇心や背徳感 みたいなものが、画面に見入る自分にも感じられるようで緊迫感があります。
また、デニス・ホッパーの異常っぷりが熱いのが印象的。
あれほんまに演技ですか。
それとゴードン殺したの誰ですか。




【ツイン・ピークス TVシリーズ全29話】[V]
|監督:** 出演:カイル・マクラクラン 他多数

よーし、みんな机に顔を伏せろー。先生怒らないから、正直に答えるようになー。このなかで、 「ツイン・ピークス」最終話の意味が解った者、黙って手を挙げなさい。
………………
……………。
よーし、いいぞー。みんな顔を上げて。
……そうか、先生もだ


てーことで、一応全話観終わったんですが、えらいことになりました。
例によって謎な部分が多すぎるので、 ネットを彷徨ってたら「TWIN PEAKS FAQ 3.0 日本語版」なるものがありまして、それを読んで おおむね解釈は一段落したんですが、どーやらマニアの間でさえ解釈は分かれている模様。 本当は「観た人の数だけ解釈がある」というのはあんま好きじゃないんですが、 こういう風に自分の中でいろいろ考えられる作品というのは楽しいです。

とりあえず己的な細部の解釈としては……まず、やはり「赤い部屋」=「ブラック・ロッジ」。 FAQにもあったようにアールの伝言のことがあるし、『待合室だ』というのはロッジへのというより ブラック・ロッジ内での、というふうにもとれるので。
『同一人物だ』(「One and the same.」)は、老ウェイターと巨人。第一シーズンのラスト(だったと思う)の バーでの犯人探しの時から不思議に思ってたんですが、この老ウェイターが儀式に参加し、かつ、 赤い部屋に居るという役割の重要性を考えれば、自分にはそう見ざるを得ないです。あとノッポだという 共通点も……有るような無いような。
それから、"ボブ"については、当初自分は、FAQの一説のようにリーランドの交代人格とまではいかないまでも、 娘に対する歪んだ愛情が産み出す感情(劣情や殺意など。もし愛する娘の不埒な行いや本性を知ってしまったなら なおさら)の、あくまで「象徴」じゃないかと思っていて、 そっから「人間誰しも心に負の部分を抱えているのだ」みたいな話になりゃせんかと危惧してたわけです。
ところが、そのうち「邪悪な場所の使い」みたいな位置づけになってきて、やっぱ別個の存在みたい だっつーことになってきました。とりあえず、悪い奴。

んでラストですが……。勇気が足りなかった場合の「破滅」というのがどんなものなのかハッキリしないんですが、 多数の解釈のように、ドッペルゲンガーの出現(善と悪に分裂すること)や最後のクーパーの状態(鏡……)を 指すならばそれはそれでいいんですが、自分にはどうしても「勇気が足りなかった」とは思えません。
アニーを救ったことや、それまで描かれてきたクーパー自身の成長を考えると、どうしてもFAQの 一説に於ける「破滅で終わるには、ツイン・ピークスには善の要素が多すぎる」という意見に 納得せざるを得ない部分があります。
んーじゃあどうなんだってーと、穿った見方をするなら、第三シーズンに繋げるつもりだったというのが 己的に一番差し障りのない解釈なんだけどもそれじゃああまりにも味気ないと。困ったちゃんですな。
ちなみに、アールがクーパーの魂を奪い、ボブがアールを破滅させたから結局ボブが魂を奪ったんだという 解釈は、己はできませんでした。あのフィルムを戻すシーンが、どうしても「時間を戻す」という 表現にしか見えなかったからです。だからこそ「魂を奪うことが出来るのは自分だけだ」というボブが アールを滅したんだと思ったんですが……。最終的にクーパーがああいう状態になった以上、 この解釈にも確証がもてません。弱〜。

まあ結局なんにも解っていないというのが正直なとこですが、中でも意味不明で解らなかったのが、 ローラが『25年後に会いましょう』といいつつやるあの手の形。炎を表してるような感じが したんですが、わかりません。25年後に何があるのか。どうなるのか。とことん不明。
それから小人が言う『Wow,BOB,wow.』(すごいぞ、ボブ)。一体何がすごいのか。どうすごいのか。心ゆくまで不明。

しかし、観た後で、こんなわかんない事だらけでいいんだろうか。とか思う。ジャッキー映画の 対極にあるようなアレです。とりあえず、「ツイン・ピークス」を勧めてくれた社員さんが劇場版に関して 『アレは観なくていい』と言ってたので今のところ観る予定はないんですが。
いきなり謎が解明!とか絶対有り得ないだろうしね。

中身のネタばかりであまりにもレビュと呼べぬレビュになっちまったような気が 無きにしもあらずですがそれはほっといて、内容とかすぐ忘れちゃうんで、また時間おいて いろいろ考えてみようかなと。コモッコモ。
さらにどーでもいいことですが、最初オードリー綺麗だなぁと思っていたのに途中から ドナのほうが可愛いなぁと思っていたのと、いろんな話の中ではシンディのが 気に入ってました。

それにしても、思う。「ただひとつの『正しい』解釈への執着」は、いつも実を結ぶとは限らない。 その過程に意味がある場合もある。
んああ………………。




【スペース・カウボーイ】
|監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ|

技術の進歩を良いことに、好き放題やってます(w
宇宙へ行く夢を断念させられた4人の若者が、老人になってから衛星修理のため宇宙へ……という話なんですが、 とにかくクリント・イーストウッド渋い。豪渋。全力疾走するシーンで心臓が止まりゃへんかと 心配してしまうくらい。

ジャンルとして「アルマゲドン」や「ディープインパクト」に近いのかと思ってたらそうではなくて、 若者・男のもつ「夢」みたいなものを軸にして、人生の有りよう、4人の老人の生き様(大げさか?)を 描いてるような描いていないような……。
でも良いですこれ。なんか、ジーンとしてしまった。ラストあたりの展開は想像に易いし、宇宙空間の 考証もほんまかなぁと思う部分があったりしますが、そういう部分を気にしないで 感動できる作品です。
いっちゃんラストのシーンには思わず『うっそ〜ん』と言いそうになりましたが、 そこを逆に『良いなぁ』と思わせる魅力があのジジィたちには有る。ガニ。

一言で言えば「ロマン」。




【シャフト】
|監督:ジョン・シングルトン 出演:サミュエル・L・ジャクソン|

なんか、音楽といい、ストーリー・展開・見せ方といい、どうも昔っぽいなと思ったら、どうやら 70年代に「黒いジャガー」かなんかのタイトルで映画化されたやつのリメイクらしいです。

んんー、もうちょっと違う感じの内容を想像してたんですが、いわゆるヒーローものというか、 クールで頭の切れる主人公が次々と悪者をアゲてゆき、相手の弾は何故か当たらないが自分の弾は 的確に命中する銃撃戦をくぐり抜け、汚職や内部の裏切りもなんのその、人種差別もなんのその、 越権行為もなんのその、最後にゃ皆殺しの青春サクセスストーリー(否)です。

観る前は、カッコ良いロングブラックコートってあたりが「マトリックス」の流れかニャ?  なんて思ってたんですが。むしろその魅せかたはあまり強く感じなくて、全体に流れる 人種差別系ネタの色合いが非常に濃い映画でした。

劇場から出るときの、サラリーマン風の男性二人の会話。
『いやー、なんか、すごい黒人映画やったなぁ』
『そうやなー』
レイシストやないか
『やばいやん』

……かなりウケました(笑




【カル】
|監督:チャン・ユニョン 出演:ハン・ソッキュ、シム・ウナ|

原題は「tell me something」。諸事情有って邦題「カル」に。ちなみに"刃物"の意らしいです。
韓国ではタブーとされてきた(らしい)ハード・ゴア・スリラーで、描写はかなりグロテスク。 犯人の行動は見せるが、顔や服装その他人物を特定できるような描写はなく、様々な複線や 暗喩を考えながら謎解きを楽しめる本格派サスペンス。

実際、いろんな部分がかなりつくりこまれていて、観ごたえがあった。序盤の展開は 『あれ、もしかして「金田一少年の事件簿」ネタ?』と思ったものの当然そんな訳はなく、 次々と起こる事件、発覚する事実に考えを巡らせているとまた次へ次へ……って感じです。
なんちゅーか、サスペンスって結局スクリーンにでてくる人物のうち誰かが犯人なわけで、 それが外部か内部か単独か共犯か男か女かって話なんだけども、そのまんまでは犯人が分かったときでも 『へー、そうなんだ』くらいにしかならないのが、動機や背景や複線やギミックやなんかと うまーく絡ませることによってすごく面白くなるもんなわけです。己的には。
その意味ではこの作品、見せ方というか作り方が非常に上手くできていて、一見「謎のための謎」 と思わしげなものが、解釈によってはそこに「必然」が浮かび上がって来るという、 スルメのような出来になっておりやす。

だから己も映画観ただけではよくわからん部分がかなりあって、劇場でもらえるカード(これがなかなかグッド) に書かれてたオフィシャルサイトのネタバレBBSでいろいろみてたんですが、かなり面白い。
特に、スケッチが「あなたの頭を狙ってたのよ」云々の話と水中のアレが水槽の魚との暗喩ってあたりには、 あ〜なるほどな〜って感心すると同時にゾクっとキました。しかも動機の意味づけも納得できるし。 このあたりホントによくできてるな〜と思う。リピーター続出にも頷けます。

しかしアレですな、身も蓋もない話ですが、やっぱサスペンスって原作命っすな。スルメのように 楽しもうにもすぐかみ砕けてしまうんじゃ駄目だし、かといって絶対噛み切れないんじゃ難解すぎるし。 己は理解力がとんと無いんで、他の人の解釈をみて楽しんでますが。

あと、ど〜〜でもいいことですが、主演のハン・ソッキュは「シュリ」でも主演してて今韓国じゃ 押しも押されもせぬトップスターだとか。個人的にはあんまいい男だとは思わないんだけど、まぁ 怪しげな魅力があるのは確かです。でも「シュリ」はなーんか観る気にならないんだねー。 恋愛物らしいので。あとキタチョーだから(ォィ



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