[おーれんずサイト]

   8月30日(日)
 休み。

 台風16号が接近している中、弟と夕食を食べに出ました。 この天気だし近場で済ませよう、と近くの回転寿司へ。 しかし、臨時休業のようで看板の照明が消えていました。 仕方なくもう一軒の回転寿司へ。こちらは営業中。
 それぞれ16皿を平らげてファンタジスタへ戻りました。

 ここで運命の分かれ道!

 余りにも激しい雨だったので、ファンタジスタでは遊ばずに帰宅しました。

 家に戻ってからTVを見ていましたが何度か停電、復旧を繰り返す状態。 風も強く、祖母と「風強いのう」「家もゆりょーる(揺れている)でー」なんて会話を交わしたりしていました。 そして何度目かの停電発生。 しかしこの停電はなかなか復旧しない。 他にすることも無いので自室で寝ることにしました。

 布団に横になっていると床下からチョロチョロと水の流れる音(ここ、重要。知識として知っておくべき。おそらくは「床下浸水」している音。)が聞こえていました。 『一体なんだろう』と思いつつも目を閉じて寝ようとしていました。
 しばらくたって、水の落ちてきたような冷たい感覚。 『また雨漏りか、どこから漏れているんだろう。』と、天井を見上げるも水滴は落ちてきていない様子。 そしてふと気が付くと畳の隙間から水が湧き出してきているのを発見! あわてて祖母の部屋に行き「ばーちゃん大変じゃ、水が来た!!」と祖母を起こしに行き自室に戻ってPCのケーブルを全て抜いて、棚の一番高い所へ上げました。 しかし、この時点で持ち上げたPC内部から水が流れ出てきたので「だめぽ」と諦め気味。 しかもこの時に携帯電話を落としてしまいこちらは完全にあぼーん。
 「れんちゃん、どうなっとんなら。畳が浮きょーるが。」と祖母の声。 祖母の部屋に戻りました。この時点で既に水は床上10cmを超えています。
 とりあえず警察か消防かに電話をしようとしましたが受話器を上げてもウントもスンとも言わない。 別室の電話も同じく沈黙。『携帯を落とすんじゃなかった』と後悔しても後の祭り。 この間に祖母はトイレの前にあった懐中電灯を持ってきた様子。もう水は膝上ぐらいまできている。
 しばらく右往左往。更に水位は上がって腰の下ぐらいまできていたかも。
 『家の中で高い所はどこだろう』と考えて台所のテーブルに上がろうと思って様子を見に行ったがすでに椅子などが倒れていてテーブルに上がるのも危険そうな状態。 更に水位上昇中。
 『家の中に居たら危ない、逃げよう!』この辺りで脱出を決断。 「ばあちゃん、2階のある家に避難させてもらおう!」 祖母は寝ていたために寝間着姿。「れんちゃん、そこの押入れに着替えがあるからとってくれぇ」と祖母。 寝間着姿なのを気にしている様子。水位はどんどん上がってくる。
 「着替えなんか取ってる暇はない!はよう逃げんと!命が大事じゃ!」と祖母を諌め手を引いて家の外に出る。 外に出ると水位は既に胸あたりまできている。
 祖母の手を引いてゆっくりゆっくりと水の中を道路に向って歩いていく。 まわりの2階建ての家の人達は既に2階に上がっている。 隣の家の人に懐中電灯を向けながら「すいません!2階に上げてください!」と頼む。「ええよ!あがってください!」と返事。 しかしすぐ隣の家はブロック塀を回り込み庭を通って玄関まで行かねばならず、向うのは難しい。
 道路まで出た時点で道路をはさんだ家の外側に2階に上がる階段があるのに気付く。 「ばあちゃん、あそこの階段に上がらせてもらおう!」と階段に避難。 とりあえずこれで一息つけた。

 しばらく階段の途中で座っていたが、雨風が当たるので2階まで上がらせてもらおうと 2階のベランダの扉を開けて「ばあちゃん、上に上がらせてもらおう、ここなら雨や風もしのげるけぇ」と、祖母を2階に上がるように促す。 外から声がするのに気付いたMさんが出てきてくれて「どうぞ上がってください」と招き入れてくれた。

(まだ途中だけど疲れた…一休み。)

このへんから 8月31日(月)かも。 (久しぶりに続き)

 Mさんは本当に歓迎してくれた。うちのおばあちゃんに向かって「いつか恩返ししたいと思ってたんです」なんて。 仮眠できるように布団も敷いてくれたんですが眠れるはずもなく。 不安な夜を過ごしています。
 Mさん宅でも1階は当然浸水してぐちゃぐちゃになっているそうです。 そして、なんと!まだローンを一回も払っていない新車も浸水……気の毒としか言いようがありません。
 寝付けず、ベランダに出て外の様子を見ていると遠くからボートが来ました。 岡山の機動隊が救助にきたようです。 しかし、結局は誰も乗せずに帰っていきました。このころかな、遠くから放送で避難勧告が出ています、と聞こえてきたのは。

 正確な時間はわからないが午前0時ごろが一番水位が高かったんじゃなかろうか。 それからは徐々に水は引いていきました。
 少し経って、まだ水は胸の高さぐらいあるのにばあちゃんは家に帰ろうとする。 「ばあちゃん、いくな!」と大声を出して止めるしかありません。 やっと諦めてくれた時には本当に安心しました。
 安心して布団で少し仮眠させてもらう。ふと気が付くと、ばあちゃんがいない。 慌てて外へ出ると家の方へ歩いていってるではないか! 慌てて追いかける。 この時点でも家の方まで帰ると水は腰の高さぐらい。 もう引き止めるのは諦めて家まで一緒に帰りました。
 家の中の様子はひどいもの。家具はひっくり返ってるし畳は浮いているし。 倒れた家具で割れているガラスもありました。 玄関で浮かんでいた靴を履き、ジャボジャボいわせながら家の中で様子を見れる範囲だけでもうろついてみました。 とりあえずこういうときの基本?位牌だけは持ちだしましたがあまり意味はなかったかもしれない。 仏壇だけは倒れずそのままの位置にありました。重くできているのかしらん。
 長時間水に使っていると便意をもよおしてきます(笑)大きい方(笑) 陰のほうでこっそりしましたプカプカw 水はどんどん引いていってるがあまり流れのないところでプカプカしてるので流れのあるほうまで追いやりましたよ、ええw

 夜が明けて周りの家は水も引き片付けが始まりました。 しかし、うちは一番低い場所なのかまだまだ水は残っています。 ほら、小魚の群れが。あ、イカもいる。 親戚も駆け付けてくれましたがまだ水があるうちは手がつけられません。 しばらくは魚を見て水が引くのを待っていました。

 やっと水が引き、片付け開始。ここからは通常日記の方に書こう。あまり記憶はないけど。

 あ、そうそう。前の方で運命の分かれ道って書いたけど何が分かれ道になったかって。

 ここで家に帰ってなかったらばあちゃんは死んでたかもしれないってこと。
 一人では逃げられなかったかもしれないし、実際近くでお年寄りが一人亡くなっています。

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