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「PCは自作に限る!」と思っていたのは,まだIBM互換機の自作が一般的でなかった?1997年頃までかな。今ではコストメリットはないし,いろいろな書籍や資料が豊富なのでPCの自作はプラモデルより簡単(接着剤さえ不要!)になり,珍しささえもなくなってしまいました。しかし,自作の醍醐味は「これで本当に動くのか?」という不安ともワクワクともいえるあの心境かな。ということで,もうひと工夫してみることに。西暦2000年より数年前,Intelの一般ユーザ向けCPUが Pentium-Pro から Pentium-II に路線変更され,まもなく Pen-II の2次キャッシュが無し(または半分)でSMPに対応していないという,廉価版のCPU Celeron が発売されました。当時,この Celeron を改造してデュアル・マシンが自作できるという魅力的な情報がありました。私もさっそく挑戦してみました。細かい作業でしたが,うまくいったときはとても気分が良かったのを覚えています。精密ドリルで基盤内部の配線をカットするとか,チップ抵抗の細かい端子にハンダ付けするとか,かなりしびれるような作業がありました。それにしても,Slot-1の信号線のパターンはくねくねと複雑ですね。遅延や位相を揃えるとかいろいろなノウハウがつまっているのでしょう。そこに細いエナメル線でジャンパー飛ばすなんてことをするのですから大胆です。改造部部分は電源関係の線だけなのかな。 |
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しばらくはこの自作デュアルマシン(Tekram P6B40D-A5 MBに,Convingtonコアの266 とMendocinoコアの300のB21端子マスクで,それぞれ400と450MHzで同時作動)を愛用していましたが,今ではCPUを Coppermineコア Pentium-III 600 をバス112MHz:672MHz作動(Slot-1変換用:POWER LEAPのゲタ付き)に変えてしまい,改造Celeronは現役引退,オブジェとしてひっそりと余生を送っています。う〜ん,あのころはいろいろとおもしろかったな。 |
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我が家で唯一のメーカー製マシン,MICRON Cliant-Pro Xviです。1997〜8頃?購入した,当時夢のPentium-Proマシンです。記憶が定かではないのですが,PCパーツ店で思いがけず格安だったので即決。当時は,Pentium-IIは発売間もないころでクロック300〜400MHzそこそこ,256kのフルスピード・キャッシュを持つProの敵ではない!くらいに思っていました。マザーボードはintelの440FXチップのものです。Pro-200ですが,オーバークロック233MHzで安定作動可能でした。EDOメモリーを128MBまで増設してWindows 2000で今も使っています。古いくせに意外と快適です。そして,なんと懐かしのPDドライブも搭載しています。これじゃぁ,まるで「豪華不良資産」ですね。ひょっとしたら骨董品としての価値なら高いかも。 |
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ジャンク屋で見つけたDELL XPS-R450のケースを使って組んでみました。このケース,デザインが好きで欲しかったものなのです。マザーと電源もついていましたからラッキーでした。残念なのは,バスが100MHzのみということです。搭載可能なCPUの性能はやや低めになりますが,全体的な安定感は抜群なので十分ともいえます。 |
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CPUはTuratinコアのCeleron 1GHzをPower Leap の下駄に載せて使っています(MBのBIOSアップデートが必要)。スタート画面ではPentium-Pro 500MHzと認識されますが問題なし。HDDはPromiseのULTRA-ATA100カード経由で接続し,SDRAM384MB,Matrox G-200等と相まって,かなり快適な現役Windows2000マシンです。 |
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ノートPC(FMV-BIBLO NB18D/V)の電源が不規則に落ちてしまうという深刻なトラブルが頻発し,HDDもエラーを起こして起動不能になってしまいました。あれこれ調べてみると,Northwood celeron 1.8G(フリップチップ型)とヒートシンクの間にある熱伝導パッキン?がカラカラのポロポロになっていました。これは熱暴走が原因か?と思い,銀配合の熱伝導グリス(左の写真はグリスを塗ったCPU)と銅薄板で作ったスペーサに置き換えてみました(これは他機種3台で良好な実績あり)。また,電源部の物理的なトラブルも疑わしかったので,マザーボードを取り出し,外部電源ソケットの基盤との接合部や,ソケット部品の作りで気になった芯棒の「かしめ」部分をきっちりハンダ付けしてやりました。せっかくなので,バックアップ用のボタン電池を外してBIOSもサッパリと全クリアしてやりました。さらにCPUソケットのロックやフラットケーブルのコネクタのチェックも行いました。素人にできることはこんなものかなぁ。組み上げた後,リカバーしたHDDで使っていますが,なんとか落ちないで動いています。しめしめ。 |
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銅薄板で作ったスペーサはやや大きめにしています。ほんの少しは熱容量を稼げるかも。写真はCPUにかぶせた状態です。右側にひっくり返しているのはアルミ合金製のヒートシンク。出っ張り部分に銅のスペーサが当たります。銅部分にも雑に薄くグリスを塗っていますが,ヒートシンクのほうにはきっちり塗ってあります。 |
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セットするとこんな状態です。シャーシ部分にも熱を逃がす工夫をしているようです。狭い空間なので,放熱効率は良くないでしょうが,作動状態でヒートシンクをCPUに接触させたり離したりしてみると,おもしろいくらいコア温度が変化します。数秒離しただけで80℃くらいになりますが,ヒートシンクを接触させた途端,60℃くらいに下がります。コア温度とファンの動作を観察してみると,このファンは60℃程度で回転を始め,55℃程度で停止するようです。 |
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意外と発熱が大きいのがチップセットです。このノートPCの場合はキーボードの下部にあって,ちょうどキーボード接続の緑色フラットケーブルの下にあります。シャーシの金属部分が折り曲げられてチップセットの上部に接触し,ヒートシンクの役割を果たしているようです。しかし,よく見ると隙間があり,効果的に放熱できていないようでした。そこで,ちょうど厚さが良さそうな銅板を挟み,さらに銅薄板でシャーシやキーボード裏のアルミニウム板に導熱するように工夫してみました。稼働中に触ってみると,今まで「かなり熱」かった中央部が,「やや熱い」程度まで改善しているので,かなり効果がありそうです。気をよくして,メモリーチップ(右部)にも同様の処置をしてみました。こちらは「熱い」から「暖かい」に改善しました。 |
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放熱対策のひとつとして,CPUクーラーファン付近の本体裏カバーに,直径約2.5mmのベンチレーションホールを20数個追加してみました。多少は外気を取り入れやすくなるのではないかと期待したのです。ディジタル温度計で高負荷時の排気温を計ってみると,追加で穴を空けた部分を塞いだ途端にじわじわと上昇を始め,最終的に約4℃高くなりました。この穴は意外と効果があったのかも。熱暴走防止のためのグッズが多数あるようですが,CPUクーラーをきちんと働かせることや外気の取り入れ方を工夫すること等でかなり改善するのではないかと思います。ただ,オリジナル状態にこだわりがある場合は無理でしょうけれど。 |
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さて,しばらく快調に作動していたPCですが,不規則な電源落ちが再発。しかも高頻度で,1時間も持たない状況。タスクマネージャと諸々のフリーソフト等を使って負荷のかかりかたとCPUコア温度を観察してみると,どうも熱暴走ではなさそうな感じ。やはり,この症状はコンデンサが怪しそう。積層チップのものは目視では容量も不明だし,コンデンサチェッカなど持ち合わせていないので,素人が手を出せるのは円柱形のチップ電解コンデンサまでかな。ということで,「一見,問題なし」のチップ電解コンデンサを交換することにしました。写真は電源ジャック付近。 |
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こちらの写真は,CPU横のコンデンサ。どうせやるなら,交換できそうな部分の部品は一斉に交換した方がいいでしょう。たぶん,劣化による寿命は同種部品なら似たようなものでしょうから。それにしても,こんな部品の交換だけで直るならもうけものですよ,まったく・・・ |
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これが,表面実装タイプのチップ電解コンデンサ。今回使ったのは,47μ,100μ,330μの3種類でした。部品の実装間隔が狭いので,確実にハンダ付けするのもけっこう気を遣いました。さて,もとのように組み上げて作動させてみると,嬉しいことに,電源落ちの症状はピタリと治まってくれました。完全な不良箇所は特定できたわけではないですが,業者の見積もり数万円のトラブルが,部品代数百円で解決できたので満足です。ただし,駄目もとでやってみる覚悟と時間と手間だけは必要ですね。 |