岡山ラーメンと蕎麦との関連性(論文風 ^_^;)

−− 横浜在住 −−

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先日、新横浜ラーメン博物館で“最後のご当地ラーメン”と銘打たれた「徳島ラーメン
いのたに」で、はじめて徳島の中華そばを食してまいりました。
「こりゃ、ほとんど岡山ラーメンじゃがぁ!!(岡山弁風?)」というのが率直な印象。
見た目こそ「生卵のトッピング」や「すき焼き風味付けの豚肉」が乗っかっているため
別物の印象もあるんですが、「スープ」「麺」は、共通のルーツを持つんじゃないか?
と思えるほど、近しいものを感じました。

特に、富士屋、山富士など、所謂「富士屋系」に最も似ている感触を持ちました。
徳島ラーメンの場合、純粋な富士屋系より、若干、濁りがあるスープではありますが…
具体的には、以下のような点で似ていると思いました。

(1)ストレート麺である

  岡山、徳島、それに、京都、和歌山、博多などでは、ラーメンの麺と言えば、
  ストレート麺が主流ではないでしょうか?
  これに対して、東京、横浜、佐野、喜多方などでは、ウェーブ麺
  (ちぢれ麺)が主流です。最近、家系などストレート麺も普及していますが
  本来は関東は、ウェーブ麺の文化圏です。
  特に、岡山と徳島のストレート麺は、食味も何となく似ている気がします。

(2)柔らかめの麺である

  これは、店によっても差がありますので一概には言えませんが、岡山、徳島、
  それに、大阪、和歌山などでは、柔らかめの麺が多いのも特徴的ですね。
  「最初から柔らかい麺なのか」「柔らかめに茹でるのか」は不明ですが…

(3)タレは濃口醤油を使用

  “うどん”に代表されるように、アッサリ味の薄口醤油のタレが主流のはずの
  関西で、なぜかラーメンだけは、濃口醤油をタレに使うことが多いですよね。
  岡山、徳島、それに、京都、和歌山などで、よく見られる傾向だと思います。
  よく徳島ラーメンは“すき焼きラーメン”と言われますが、濃口醤油の影響も
  大きいんじゃないかと思っています。

(4)青い部分の刻みネギを具に使う

  徳島ラーメンには、青い刻みネギが乗っていましたが、これは、岡山、徳島、
    それに、大阪、京都などに共通する具だと思われます。
    ちなみに、私は小学生の頃、日清食品@大阪の「出前一丁」などで、
  青い乾燥ネギを具に使っている理由を母親に質問したところ、
  「所詮、インスタントだから捨てる部分を使ってるのよ」という答えを
  真に受けていました(^_^;;

  注:ご存知かもしれませんが関東では白い部分の刻みネギの方が一般的です

(5)「中華そば」と呼ばれる

  これも、店によっても差がありますが、岡山、徳島、それに、和歌山では、
  ラーメンを「中華そば」と呼ぶことが多いようですね。
  ちなみに、関東では「ラーメン」「支那そば」の方が一般的な呼び方です。

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こうして書き出してみると、岡山、徳島のみの共通部分以上に、関西のラーメン全体で
共通する要素も多いような気がしてきました。

それでは、なぜ、このような関西ラーメン文化圏(勝手命名)が存在するのでしょうか?
ここから先は、ほとんど推測の域を出ませんが、私なりに考えた仮説を書いてみます。

それは、岡山(関西)では、

「ラーメン」を「蕎麦」として、とらえているのではないか!

という強引かつ勝手な仮説です(もし既出の説でしたら恥ずかしいですんけど…)

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それでは、その理由を述べていきます。
ただし、関西ラーメン分化圏とは言っても、私が最も詳しく知っているのは、やはり
岡山ラーメンですので、「岡山ラーメン」と「蕎麦」との関連に限った考察とさせて
いただきますm(__)m

(1)味・食感の面

まずは、食べてみて感じる「岡山ラーメン」と「蕎麦」との共通点ですが、
     ストレート麺である(麺の形状)タレは濃口醤油を使用(スープのタレ)
の前述の2つの部分が該当するように思われます。

しかも、「麺の形状」「スープのタレ」と言えば、およそ麺類の構成要素のうち、
最も根幹を占めている部分じゃないですか!
具など周辺での類似点よりも、根幹の部分での共通点が大きいように思えるのです。

(2)呼び方の面

「蕎麦」「(中華)そば」…………う〜ん、似ていますねぇ(^_^;;;
しかも、岡山では、ラーメン屋さんでのオーダーの際、「そば、ください」と言うと
店では「そば、一丁、入ります」とか受けていますよね。

おいおい、関東でも「支那そば」って呼ぶだろう! と、強烈に反撃されそうですが、
確かに関東では「支那そば」と呼ぶ店は、結構、あります。
しかしながら、オーダーの際、「そば、一丁、入ります」とは、まず、言いません
(私の知る限りですが)。「支那そば、一丁、入ります」とは言いますが…
それだけ、岡山では、「ラーメン」と「蕎麦」の距離感が近いような気がするのです。

また、岡山には「中華そば」と言わなくても「支那そば」と呼ぶ店がありますよね。
漢口、餐休などがそうですね。「蕎麦」という呼び方の根強さが感じられます。

(3)食習慣(食文化)の面

岡山では、純粋な日本蕎麦の店って少ないですよね。うどんはメジャーですけど…
つまり、あまり蕎麦を食べない習慣の地域だけに「中華そば」つまり「ラーメン」が
蕎麦の代役になっているのではないか、というのが総合的な仮説です。

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以上、勝手にいろいろ考えてみましたが、まぁ、反論もあると思うのでご意見ください。
それを元に、改訂していければ、少しは論文らしくなるかもしれません。

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