第30回 変身 [2000.1.24]

平井作品を見ていくと、とても同一作家が書いているとは思えない作品の変化が見て取れます。
「ウルフガイ・シリーズ」と現在の「ウルフガイ・DNA」これらを同じ作家が書いているなんて、不思議な気がします。
たとえ長年の歳月が横たわっていようとも、これほどまでに違った作品を生み出すことができるものなのでしょうか?
平井さんって非常に多面性を備えた作家のように思えますがどうなのでしょう?
「バチガミ」にトリック・スターとして登場する平井さんが本質を表しているような気もしますね。

平井作品の中でも平井さん自身の変化をもろに受けてしまったと感じるのは「アダルト・ウルフガイシリーズ」です。
「脳天気なウルフ」は最終的には「先生イヌカミ」になってしまって、同一人物ではないようですね。
最もよく平井さんを投影されたキャラクターといえるかもしれません。

突然ですが、70年代のデビッド・ボウイをご存じでしょうか?
ジギー、アラジン・セイン、ハロウィーン・ジャック、シン・ホワイト・デュークといった数々のペルソナを生み出し、それぞれの人格を見事にアルバムに表現しています。
そうやってボウイはポップ・スターを演じきっていたわけです。

作品の変化から見るとボウイの作品も平井作品も変化に富んだ「チャレンジ&チェンジズ」が特徴のようですが、デビッド・ボウイのように「演じる」という姿勢は平井さんにはないように思えます。
本当に平井さんは変身してしまっているのかもしれませんね。

 

<つづく>