第139回 幻魔シリーズ [2002.2.24]

幻魔大戦ほど何度も出版社を変えながら出版された作品は平井作品の中でも少ない。
しかし、完全に出版されることも少ないのである。
(まだ、完結していないし)
コミック版幻魔大戦や幻魔大戦DNAまで入れると幻魔ワールドの広がりは本当に追いきれない。
私は角川文庫版幻魔大戦にふれたのが最初だった。
ゲストブックにもご要望があるので(あまえびさんおそくなってごめんなさい)幻魔大戦についてこの辺でまとめておきたいと思います。幻魔大戦の続編が書かれることを期待しつつ。

■1967年:週刊少年マガジン4月30日号に「幻魔大戦」は連載開始
これがコミック版幻魔大戦である。
当初は原作:平井和正、いずみ・あすかとなっていたようだが、「いずみ・あすか」という人がどういう人なのかよく分からない。「幻魔大戦」のスタートは新しい超能力SF漫画として石森章太郎氏を含む複数の人々が参加した企画会議によってスタートしたようなのでその中の主要メンバーの一人ではないでしょうか?
コミック版幻魔大戦はその年の内に壮絶な最後を遂げることになる。

■1968年:幻魔大戦1・2巻、SUNDAY COMICS収録

■1971〜1973年:コミック小説版、新・幻魔大戦、SFマガジンにて連載
石森章太郎氏とのコラボレーションによって「コミック小説」新・幻魔大戦がスタートした。

■1975年:新・幻魔大戦、原作小説、SFマガジンにて連載

■1978年:新・幻魔大戦、トクマノベルス刊行

■1979年6月:真・幻魔大戦、SFアドベンチャー夏期号に掲載

■同年10月:幻魔大戦(小説版)、野生時代12月号掲載
ここから真・幻魔大戦と幻魔大戦の二重奏が奏でられることとなる。壮大な幻魔ワールドの開始だ。

■同年11月:幻魔大戦、角川文庫にて刊行開始

■1980年4月:真・幻魔大戦、トクマノベルスにて刊行開始

■1982年:平井和正の幻魔宇宙刊行
これはSFアドベンチャー10月号増刊として刊行されたムックである。真幻魔大戦・第三部「破滅世界のクロノス」が発表された。平井和正オンリーの雑誌の登場である。当時1作家のみの雑誌は類を見なかった。

■1983年2月:第一期幻魔大戦・全20巻完結/角川文庫
この年「ハルマゲドン接近」のCMで角川映画・幻魔大戦公開、賛否両論壮絶な論争巻き起こる。
私、個人的には角川文庫のイラストが変わったことに憤慨した。

■1983年8月:平井和正の幻魔宇宙2刊行
真幻魔大戦・第三部「犬の帝国」発表、シナリオノベル「ハルマゲドンの少女 第一部」発表。
第一期幻魔大戦終了とともに「ハルマゲドン」の開始が宣言されたが、発表を見ることなく、「ハルマゲドンの少女」が先に発表されることになる。

■1984年9月:平井和正の幻魔宇宙4刊行
真幻魔大戦・第三部、ハルマゲドンの少女、ともに完結。第一期幻魔大戦集団はここに終結した。
幻魔大戦からウルフガイ・第三部へバトンが渡された年である。

■1985年:真幻魔大戦15巻(最終巻)トクマノベルスにて刊行

■1986年:ハルマゲドンの少女(ラージ版)刊行
泉谷あゆみさんのイラストによって飾られたハードカバー本が徳間書店から刊行された。

■1987年:幻魔大戦第一集〜第七集・平井和正ライブラリー(徳間書店)刊行
第一期幻魔大戦(20巻)はハードカバー合本で徳間書店から刊行された。このハードカバーは最終巻に「ハルマゲドン」が収録されることを約束されて登場した。「女神變生」が付録で付いていた。
平井和正ライブラリーの表記は初の全集を予定されていたようだが、この後、同ライブラリーは継続されることはなかった。

■同年8月:幻魔大戦第八集にて「ハルマゲドン」刊行
やっと発表になった「幻魔大戦」のストレートな続編である。この後刊行されるトクマノベルス版とはストーリーの順序が違っていた。またトクマノベルス版では書き足された部分がある。

■1988〜1989年:ハルマゲドン、ハルマゲドンの少女、トクマノベルスにて刊行

※新幻魔大戦、真幻魔大戦は徳間文庫、角川文庫の両方で刊行されているがこれまでの流れからは割愛した。

■1991年7月:新幻魔大戦、リム出版から平井和正全集として刊行
平井和正全集は全100巻を予定しており、未発表作品の冊子が付録に付いていた。
今でも切望してやまない企画である。

■1991年8月〜1992年6月:幻魔大戦1巻〜11巻、リム出版から平井和正全集として刊行
11巻刊行後版元倒産で平井和正全集は打ち切りとなる。かなしい結末である。

■1997年11月〜1998年7月:幻魔大戦1巻〜10巻、アスキーより刊行
版元、不況のあおりをうけ出版中断。
リム出版、アスキーの不調によって、幻魔大戦の刊行はこの後すべてダメになるのではと予感させられることになる。幻魔の呪いだ。

■1999年7月〜12月:幻魔大戦1集〜10集、集英社文庫にて刊行
アスキーの時の不安を払拭して20巻分が刊行された。しかし、ハルマゲドンの刊行はなされず。
その後、e文庫にて「ハルマゲドン」は刊行されることになる。

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ここまでが出版記録なのだが、少しもわかりやすくない。
やはり混沌としている。

ストーリーの関係、時系列も同様にわかりずらいものだ。

「新幻魔大戦」の世界が最初のはずだ。
ここに登場するタイムリーパー「お時」の存在が時系列を複雑にしている。
「新幻魔大戦」で生み出された世界は「コミック版幻魔大戦」「小説版幻魔大戦」「真幻魔大戦」のパラレルワールドに分岐する。
こうして時空を超越したストーリーが生まれることになる。はっきりしているのは「小説版幻魔大戦」の続きが「ハルマゲドン」であるという事だけだ。
そして全ての幻魔集団を統合するのが「ハルマゲドンの少女」だと理解しているのだが、もともと幻魔大戦という壮大な物語にとっては時系列は無意味なものだろう。
東丈の失踪そのものが幻魔大戦の世界観だといえるのかもしれない。

付記しておきますが、「幻魔大戦DNA」はあくまで「DNA」ということで・・・


David Bowie 「トゥナイト」を聴きながら


<つづく>