主治医と話
11月の検診の日 主治医とゆっくり話をすることが出来た
いつも忙しい先生なので 診察の時には聞きたいこともそこそこにの事が多いけど その日は診察日では無かったので手術もなく時間に余裕があったみたい…(笑)
腰を据えて 漏斗胸について話し合った

今までいろんなドクターと接してきたけど この先生のいいところは『わからなかったらほかの先生に聞いてみるから…』と広く情報を求めてくださるところ…
そして 間違いを間違いだと認めてくれるところ…
医者がほかの先生に意見を聞いてみる…と患者に対して発言されるとは思ってもいなかった…
まあちゃんがこの先生を心から信じているのは 術後の感染を起こしたとき 私とまあちゃんに『ごめんなぁ』と言ってくださった事
先生のせいではないのに… もともとまあちゃんは持っていた感染源が発症してしまったということなのに… それでも誠心誠意治療に専念してくださった
まあちゃんが感染を起こしている間 一度も会わない日はなかった…
お休みの日も私服で治療にだけ来てくださった…
そんな姿勢を見て 私たちの信頼はますます深まった…

だから まあちゃんは先生が言ったことに対して 応えようとする
『先生の為に… 先生が困るから…』と研究機関からの血液の提供にも自分から承諾をしたくらい
大好きな先生
診察室にいてもうれしそうにしている…(^^;)
先生に頭をなでてもらうのが大好き… 
こんな出会いもあるんだなぁ…

いろんな話をしていくうちに 最近疑問に思っていることを訪ねてみた
まあちゃんが漏斗胸と診断された頃は 周りにだれも漏斗胸の人はいなかった気がするのに 最近は乳児の時から漏斗胸だと診断されて悩まれている親御さんが多い事…
その問いに対して 先生は『新生児医療の発達』をあげられた
新生児における呼吸障害に対しての認識があがってきている事が 漏斗胸に発見を早めているのではないかという事だった
新生児期に呼吸がしっかり確保出来ないことによって 漏斗胸が発症する場合があるそうだ…
ひょっとしたら まあちゃんもそうだったのかも… と思い当たった

呼吸がいつも苦しそうだった
縦に抱くと 息を切るような呼吸をしていました
そうだっ…そうだったんだ…
私は 胸が凹んでいるから苦しいのかと思っていたけど 当時の小児科の主治医から特にケアは無かったので そのまま成長してきた…
でも そうじゃなかったんだ… 呼吸が苦しいから凹みが進行してきていたのか…
凹みが進行するから また呼吸が苦しい… 栄養素も回らない…
だから 成長しなかったのかぁ…
それに加えて マルファン症候群による骨の弱さ…

知らないということはこんなにも怖いことなのだ…と実感した
でも 今生まれて来ている子供たちは 進歩した乳児医療に守られている事も強く感じた
漏斗胸と早くから診断されることは 親にとってとてつもなくショックだとおもう…
自責の念に駆られるだろうとおもう…
でも すこし観点を変えてみれば いままでは放置されてきていた漏斗胸についていち早く情報を
得ることが出来るし 経過観察もしていける…
これは将来の心のケアにもつながっていくことが出来るのではないかとおもう…
親子で取り組んでいくことで 漏斗胸についての認識も違ってくるとおもう

先生はこうも言われた…
漏斗胸だと知りながら 治療法も見つからず悩んで悩んで成人された方が一番辛い道を通っているのだと言う事
私もそれはまったく同感だ…

まあちゃんは漏斗胸治療の狭間にいたのだとおもう
Nuss法は受けることが出来たけど マルファン症候群に対する警告はなかった…
そのために 翻転術という大きな手術を受ける事になった…
そして 再度凹み始めた胸…
また 治療をしようと先生が提案された…

いったいいつまで続くんだろう…
この結果をぜひ同じマルファン症候群の漏斗胸っ子たちに役立ててもらいたい…
同じ思いをする子供たちがいませんように・・

本当にゆっくり話が出来た…
先生が『マルファン症候群に対する漏斗胸治療』について 今度の会合でしっかり話をしてくるから…と言ってくださった
私は思わず『ぜひお願いします まあちゃんのほかにも悩んでいる子供たちがいるんです… 主治医の先生自身が今後の対応を悩まれていると聞いています ぜひいい話をしてきてください…』そう言葉を発していた
先生は『うんうん わかった… また話を聞かせてあげるよ』と優しく言ってくださった…

本当にありがとう 先生…