キハ181系南風撮影記。


  

 JR四国は11月2日から4日にかけて、後藤総合車両所のキハ181系5両を借りて、キハ181系四国1周運転を行いました。今回は、前回のしおかぜ・南風に加え、新たに「うずしお」・「いしづち」・「I Love しまんと」を加えたラインナップとなりました。(「I Love しまんと」はキハ181系での運転・キハ181系予土線入線ともに初めて。「うずしお」・「いしづち」は国鉄色キハ181系での運転は初)
 「いしづち」に関しては準急時代のルート(徳島-松山間で、徳島線・土讃線・予讃線経由)で準急時代の円形ヘッドマーク(貫通扉のHMは白無地)で運転されました。下りのしおかぜは、かつての長浜ルートで運転しています。
 ヘッドマークは、しおかぜ・南風は1986年11月から瀬戸大橋開通(1988.4.10)前までの絵入りタイプ。うずしおは現行デザインの緑色タイプ。I Love しまんとは、キハ185系で運転されていた頃のマークでした。


11月1日

岡山駅で停車中のキハ181系5両。この日は雨だった。Cyber-shotF707で撮影。

  前回運転時(2002.6.15・16)と同じ回送スジ(早朝に瀬戸大橋を渡るスジで、甲種回送やSL回送でも使われる)で高松へ回送されました。今回は5両となったのであまり違和感がありません。車両自体は前回と一緒で褪色と車体の傷みが、かなり進んでいました。撮影に来ていたのは、早朝+雨だったことから僕を含めて2人だけでした。なお、編成は大阪側から、キハ181-15+キハ180-58+キハ180-50+キハ180-51+キハ181-23でした。

 なお、11月2・3日(うずしお・いしづち・しおかぜ・I Love しまんと)は仕事のため撮影していません。


11月4日

 この日は休みだったので、時間の制約もなく撮影ができるのが特徴でした。当初は、僕を入れて4人で撮影に行く予定でしたが、ここ数日の急激な寒さで体調不良続出となり、結局、僕とK10様の2人で行くことになりました。僕のセリカは僕の運転では初めての遠出となりました。この日の未明に、宇高国道フェリーで四国入りし、讃岐財田-黒川間に近い道の駅で仮眠をとりました。


黒川-讃岐財田間

 黒川-讃岐財田間を行く、キハ181系上り「南風」 Cyber-shotF707で撮影。

 日の出と同時に黒川-讃岐財田間・箸蔵-佃間(吉野川鉄橋)の撮影ポイントのロケハンを行う。讃岐財田以南の国道32号線は峠道でカーブだらけ、なおかつ路面はハーフウエットという状態でした。箸蔵付近は今にも天気が崩れそうな状態だったので黒川-讃岐財田間の定番ポイントで撮影することにしました。ここの上りポイントは晴れたら思いっきり逆光になるポイントです。現地に着いたときは箸蔵などのあたりがすでに厚い雨雲に覆われており、ここのポイントも次第に雲が厚くなってきました。僕の位置は脚立を使ってハイアングルにして、アウトカーブ0度でセッティングしました。
 しばらくすると、オロフ50様が到着しました。彼に聞くと、「箸蔵のあたりはかなりの雨で、みぞれが降っている状態。R32号線は一部で路面凍結が発生しているらしい。」とのこと。ここのポイントも次第に冷たい風が強くなり、通過1時間半前になって突風とともに横殴りの雨が降ってきました。カメラのセッティングをしかけたのを急遽中止。ネガフイルムはPN400N(New PRO400)はEOS-3に入れ、リバーサルはあまりにも露出が悪かったので、RHP3(プロビア400F)をEOS-1V HSに入れました。
 雨は強く降る一方で、時より突風が吹くなど、どんどん状況が悪くなりISO400で、1/125のF3.2まで露出が落ちてしまいました。通過30分前になって天候は回復し、時より雲の切れ間から太陽がのぞくようになりました。そのため、EOS-1V HSに入れていたRHP3をRDP3(プロビア100F)に変更。まだ天候が安定していなかったので、ISO200で撮影することに決定しました。
 10:03頃薄曇の中、キハ181-15を先頭にした「南風」が姿を現しました。アウトカーブ0度になる直前から連写(F707のみ1カット)しました。通過した直後に晴れたため、露出オーバーは免れました。ここのポイントは約20人ほどで、青い123様、レインボーメッセ様もいらっしゃいました。


讃岐財田駅

讃岐財田駅に進入するキハ181系下り「南風」。Cyber-shotF707で撮影。

 上りの南風を撮影後、すぐ近くのインカーブで撮影を考えていたのですが、僕らが考えていた所が後ろから撮影する方の構図に入る事が判明し、場所を変更して約15分停車する讃岐財田駅へ向かいました。ここの構内は1番線が本線にあたり、2番線・3番線が東側に並ぶ形になります。ここで、上りの南風10号とすれ違うため、1番線停車はまず、ありえません。そのため、2or3番線のどちらかになります。そのあたりの情報が分からなかったので、オロフ50様にTELして聞いてみると「2番線に入線みたいだよ。」ということで、2・3番線側ホーム先端にスタンバイしました。
 横構図だと、余分なものが入ってしまうので、あえて縦構図にしてみました。EF70-200mmF2.8L・EF70-200mmF2.8L ISにテレコン2X・1.4Xをつけて対応しました。

画面左:キハ180の方向幕。今回はガラスの上からシールを張ったタイプではないことが分かる。画面右:讃岐財田駅に停車中のキハ181系南風。いずれもCyber-shotF707で撮影。


大歩危-小歩危間

 土讃線の名所、大歩危-小歩危間の吉野川鉄橋を行く、キハ181系上り「南風」 Cyber-shotF707で撮影(ISO400)。

 讃岐財田駅で撮影を終えた後、大歩危-小歩危間の撮影ポイントへと移動する。R32号線を南下していくと、阿波池田付近を通過するのだが、日陰になった道路脇を見ると、なんと「雪!!」が積もっていました。(2cmぐらい?)徳島自動車道も雪で速度規制が出ていたようで信じられないことでした。朝方に道路凍結情報が出ていたので、「気温が低い状態の時に雨が降ったからかなあ」と思っていたので、2人ともびっくりしました。
 14時30頃に現地近くのドライブインに到着。この辺りは風の通り道で風が強く、風も冷たいので厚着をしていても寒かったです。15時に現地入りしましたが、人は思ったよりも少なく僕らを入れて5人程でした。下りは約30人が撮影していたとのことでした。「おおぼけトロッコ」が通過した頃までは露出は十分にあったのですが、太陽が山の陰に入るのが思ったよりも早く、露出は悪化する一方。EOS-1V HSに入れていたRDP3(ISO200)でも限界となったので、朝に使用しかけた、RHP3(プロビア400F)を急遽使用することになりました。しかし、RHP3を入れても露出が厳しくなり、曇った時はISO400で、1/100 F3.2という状態まで悪化しました。そのためか、僕ら以外に誰もいない状態になりました。最終的にはオロフ50様たちが合流しての撮影になりました。
最終的には、ISO 400で1/200 F3.5となりました。6月の運転ではこの区間はスロー走行だったのですが、通常通りのスピードだったため、撮影結果は3つとも、動体ブレが出ていました。今回は、景色ベースで考えていたので、「こんなもんかなあ。」と割り切っています。

 17時前にドライブインを出発し、18:40頃に高松港の宇高国道フェリーのりばに到着したのですが、3連休の最後とあって大混雑していて、フェリーに乗れたのは約1時間後でした。21:00過ぎに宇野港に到着。そこで、K10様と別れて、自宅に到着したのは21:40頃でした。この日の23時過ぎの返却回送の撮影は疲労具合からキャンセルしました。

 この3連休には山陰でSL運転もあり、どちらも行った方が結構いらっしゃるようです。でも、山陰地方は天気が不安定で大変だったようです。四国の方も天気に恵まれず、天気がよかったのは4日の午後ぐらいだったようです。
 キハ181系5両はどうなるんでしょうか?車体の褪色・痛みが6月よりも進んでおり、早くて来年夏に導入が噂されている、「いなば」用キハ187系投入関連で動きが出るかもしれません。