☆白い恋人達☆
 





そろそろ季節は暖かくなり花が咲き乱れる春。部屋に飾ってあるカレンダ−を見つめじっと考え込む男がいた。
 
「・・・3/14」
 
そう、今日は3月14日。巷では「ホワイトデ−」で賑わう時期だった。
2/14に愛の告白を受けた(した)悟浄は、八戒に何をしようか計画中だった。
 
「ありきたりなクッキ−・キャンディ−・マシュマロ・・・八戒がんなモン欲しがるわきゃね−よな−。悟空じゃあるまいし」
 
万年胃袋ブラックホ−ルの猿なら食い物与えとけば喜ぶんだろうけど、今回はそうもいかない。
 
「花・・・似合うけどなぁ〜。どうだろ」
独り言を喋ってる自分にちょっと情けなくなる悟浄だった。
 
すると突然家のドアが音をたてる。同居人の八戒が帰ってきたのかと思い玄関に急ぐ。すると悟浄の視界に入ってきたのは法衣を纏った坊さんらしからぬ風体の金髪美人だった。金髪美人はズカズカと部屋に入ってきて椅子に腰掛ける。
 
「邪魔するぞ」
 
「三蔵?・・・何か用?」
 
「・・・コ−ヒ−」
 
「って?テメ−(怒)」
 
急に現れた傍若無人な客の言うままにコ−ヒ−を入れる悟浄だった。
 
「オレは喫茶のマスタ−じゃねえっつ−の」
 
文句を言いつつも逆らわずコ−ヒ−を入れる。
 
「八戒は・・・?」
 
「あん?あ−、今日はなんか用があるって朝から出てった」
 
「貴様は置いてけぼりか」
 
「うっせ−!!つ−かお前こそいきなりなんだよ。人ン家に来たと思ったらいきなりコ−ヒ−かよ」
 
「寺じゃあ出ないんでな」
 
三蔵は温かいコ−ヒ−を啜りながらのんびりと新聞に目を通す。まるで我が物顔でのさばる亭主関白のような三蔵に何をツッ込んでも無駄だと悟浄は悟る。
 
今日は猿は?一緒じゃないのかよ?」
 
「外に出る用事があったんでな・・・悟空は寺に置いてきた」
 
「あらら−。可哀想なお猿さ−ん」
 
「貴様と同等だな」
 
あながち間違っていないので反論できない。こんな坊主に恋してる猿はよっぽど危篤だよな−ッと少し同情してしまう。ま、恋って理屈じゃないし。
 
「あっ、そうだお前はさ−猿になんかやるの?」
 
「・・・?」
 
「今日3/14じゃん?」
 
「・・・???ソレがどうした」
 
「えっ?!今日ホワイトデ−じゃん。猿にバレンタインにチョコ貰ったんだろ?」
 
「ホワイトデ−・・・?」
 
3/14white day・・・ハッ!そうか!!今日有名な恐怖のホワイトdayか!!? かの昔・・・彼女と別れたい彼氏が、最後のプレゼントを渡して全てを「白紙」戻したという言う「ホワイトデ−」か?!あの日か−−−っっっ?!!(間違った知識)
ハッ!まさか「貰ったモノは3倍で返さないといけない」と言う恐怖の1日か−!!?(バレンタインに引き続き三蔵サマのド勘違い再び)
 
「おい、三蔵!どうしたんだよ?急に青冷めて」
 
「・・・否、何でもない」
 
世にも恐ろしい偏見を考えているとは知らない悟浄だった。平和で何よりだ。
 
「『ホワイトデ−』だって。バレンタインのお返しに「クッキ−とかキャンディ−とか返す・・・」
 
「あ、ああ」
 
この瞬間偏見が崩れ去る。三蔵は内心は複雑だった。
 
「で、何かやるの?まあ−猿には何でもOKって感じィ−。アメでもやっとけば−、『ナメてしゃぶって、噛んじゃイヤ〜ン♪♪』ってか?」
 
「何の話だ悟浄?ツッコミどころが多すぎるゾそのセリフは・・・」
 
ジャキッ!!当たりに金属音が響く。
 
「危ねえな−。いちいち銃向けンなよ」
 
「・・・で、貴様は何をするんだ?」
 
「・・・あん?」
 
やっぱり悟浄と八戒が結ばれてるコトなんてバレバレだ。
 
「三蔵サマは何でもお見通しなんですねぇ〜。ま、イロイロよ」
 
「・・・ふん」
 
遊びの関係じゃないのは見れば解る。多分悟浄も八戒も幸せなんだろう。自分も悟空と・・・。
 
「邪魔したな」
 
三蔵は突然椅子から立ち上がり、踵を返したかの様に玄関に向かう。
 
「あん、もう帰るのか?お早いお帰りで」
 
「ふん。猿を待たせたら五月蠅いからな。手土産でも買って帰らんと騒がしくてかなわん」
 
「ソレだけ想ってンだろ?」
 
「・・・」
 
核心を突いてくる悟浄を横目に家を後にする。
 
 
<「あ−、どうすっかな−」
 
三蔵が帰ってから、又静かになった家で独り言を呟く悟浄だった。
三蔵は悟空のことを大切に想ってる・・・だから未だに「好き」だとは告げられないのは解っていた。でもツッ込まずにいられなかった。去り際の三蔵の表情は少し悲しそうだった・・・ソレだけが少し胸を突いた。でも・・・
 
「大丈夫・・・きっと大丈夫だ」
 
あの2人は幸せだ。幸せになれる。そう悟浄は心で呟く。
 
「何が『大丈夫』なんですか?」
 
「えっ!?うわっ!!」
 
急に声がかかってきて、バランスを崩し座っていたイスから転げ落ちる悟浄だった。
 
「大丈夫ですか悟浄?すみません」
 
「いや、大丈夫。帰ってたんだ」
 
「ええ、今さっき。スミマセン急に声をかけてしまって」
 
「いや、い−って」
 
朝から出掛けていた八戒が急に帰って来た。
 
「で、何が『大丈夫』なんですか?」
 
「へっ?・・・あ、いや何でもね−よ」
 
「そうですか・・・」
 
独り言でまさか野郎の心配してただなんて・・・ちょっと言えない。
 
「誰かいらしてたんですか?」
 
テ−ブルにある使われたマグカップを発見し、八戒は悟浄に尋ねる。
 
「あ−、さっき三蔵が来た」
 
「三蔵が?一人でですか?」
 
「珍しいよな」
 
「そうですね。で、三蔵は何をしに?」
 
「ただコ−ヒ−飲みに来ただけ。ったく」
 
愚痴りつつも何ら変わらない日常にさえも楽しみが出来ていることが少し嬉しかった。八戒と出会い・・・三蔵・悟空とも出会い、自分の居場所を持てた・・・そんな気がした。
 
 
「お前・・・今何が欲しい?」
悟浄は唐突に八戒に訊く。八戒は少し驚いた風に目をパチクリさせる。
 
「・・・あ−、まぁ〜今日ってさほら、ホワイトデ−だし。日頃のお返しっ・・」
 
顔を赤らめて必死で言葉を繋ぐ悟浄に少し苦笑してしまう八戒だった。
 
「何もいりませんよ。貴方さえいてくれれば」
 
「・・・お前、その告白は犯罪///・・・愛してるぜ八戒」
 
「ボクもですよ・・・悟浄」
 
「じゃ、今夜はたっぷりとサ−ビスしちゃうぜ?」
 
「・・・寝させてはくれないんですね(苦笑)」
 
きっと大丈夫!!心配はない!!自分達も彼奴らもきっと上手くいくさ。この願いはきっと届くはず!!No problem♪♪ (半ば投げやり/笑)
 
 
 
 
《おまけ》
 
「三蔵ぉぉ〜お帰りぃぃぃ〜♪♪」
 
待っていましたと言わんばかりに悟空は三蔵に飛びつく。留守番が寂しかったのだろうか?帰った早々子猿に甘えられてしまう三蔵だった。
 
>「悟空・・・」
 
「三蔵お帰り。オレ良い子にしてたよ」
 
「ああ」
 
張り付く猿を剥がしながら、三蔵はクシャリと猿の頭を撫でる。そして猿に紙袋を手渡す。
 
「何コレ?ひょっとしてお土産?」
 
「まあ・・・そんなモンだ」
 
「開けてみてもいい?」
 
子猿は一生懸命袋を開ける。すると中に入っていたモノは・・・
 
 
「イチゴミルクのキャンディ−だ♪♪ねえ?コレ喰ってもいい???」
 
「勝手にしろ」
 
「うわ−い♪♪」
 
キャンディ−で喜ぶ子猿に可愛らしさを感じ、暖かさを感じている三蔵だった。
大好きな・・・愛している・・・世界でたった一人の人・・・。
 
「美味いか?」
 
「うん超美味い♪ね−コレ何処で買ったの?」
 
「五月蠅い。黙って喰え」
 
「じゃあ、三蔵も・・・」
 
悟空は振り向き際に口に含んでいた苺ミルクの飴を三蔵に口移す。
 
「・・・なっ?!!」
 
「ね−。ソレ美味いでしょ?美味いから三蔵にも食べてもらいたくて」
 
「・・・他にも同じじゃないのか?」
 
「微妙に違うもん」
 
力説する悟空に脱帽。嬉しいやら恥ずかしいやら心中複雑な三蔵サマだった。
 
「・・・馬鹿猿がッ///」
 
このままの関係でも・・・まだ好きとは告げられなくても・・・ずっとずっとコイツの為の太陽でいよう・・・たった一人だけの太陽で在り続けたい・・・そう願う心はいつまでも続いていくのだった。
 
 
Fin




 
恋は何味?苺ミルク味。(レモン味じゃなくて?!)
はい。バレンタインに続く第2弾!!しょうもないモンを続けるな−ッッっとお怒りの声を無視しつつ(オイ)やってしまいましたホワイトデ−☆ネタ。
バレンタインもホワイトデ−もお菓子屋の陰謀(笑)のくせに、ホワイトデ−はバレンタインほど賑わってはいませんね−。オレもチョコの方が欲しいよ。(キッパリ)
バレンタインの時はゴジョッパチがさり気にシリアス路線(?)だった為、今回は逆にしてみました。(そうなのか?)相変わらずゴジョッパチは幸せそうだ−(バカが付くくらい)。三×空も変わらず幸せそうで何よりです。三蔵がバカだけど。(コレでも大ファンさ/涙)
しかし・・・間違った知識第2弾まで書く羽目になるなんて・・・スゲエよ自分!!?(爆笑)



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