第3章参考になるフリーストールを求めて全国行脚 その後、平成になってからですが、道路拡張で牛舎移転を余儀なくされました。どこか他の広い土地のあるところへ行って酪農をしようかとも考えました。しかし、家族の生活のこともあったし、結局50mほど離れた田んぼに牛舎を建てることにしました。 ただし、フリーストールの経験があるといっても頭数が少なかったし、規模拡大の計画を整理したいこともあって、平成4年12月末にすべての牛を売って、半年間、全国各地のフリーストールを見て歩くことにしました。一時休業です。頭の中を真っ白にして見て歩きたかったのです。 北は北海道から南は沖縄まで足を延ばし、半年間で50軒ほどのフリーストールを視察して廻りました。でも、なかなか自分に合うものには巡り合えないものです。北海道のフリーストールは糞尿処理に無頓着のところが多く(失礼な言い方ですみません)、お金のある人はそれなりの施設をするのですが、ほとんどは牛舎の糞尿をただ外に出しているだけです。それではうちの地域には合いません。府県でも、当時はなかなか決め手となるものはありませんでした。
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