父の執念

 2度あることが4度あった

  どん欲な世間知らず?

   それともお人好しなのか、ウマヅラハギちゃん

 翌朝、突堤の上に、5時から糸をたれる人影があった。

  それは、昨日A子が3度もウマヅラハギの姿を見ながら、涙を飲んだ場所である。

  糸をたれているのは父親のB氏、だが・・・・。

  とんまなことに、たも網は漁師に返していてこの日も持っていない。

  おいおい、昨夜は全員が夢で、あの魚の顔にうなされて

 睡眠不足なんだ。

     もう、失敗はしたくないよ!

  つぎつぎ、みんなも起きてきた。そこでひとりが、たも網を借りに行った。

  A子だけはまだ民宿で、釣り損ねた魚の夢にうなされ続けているのか、姿を現さない。

  

 素晴らしき、男たちの連係プレー

 「おおっ!!来たか!来たぞぅ!!昨日の奴だ」

 B氏が叫ぶ。

 D氏がたも網をかまえる。

 E氏が状況判断して指図する。

 カメラマンがカメラをかまえる中、奴はゆらゆら

 と海面に姿を現した。

 

 

 

    「水から揚げるな!」とのE氏の指示でD氏が

   下から奴を、みごとすくい揚げた。GETしたぞ!

  

 

 

                   やったぜ、娘よ!

 これは、少し小さく、ましな顔だから、昨日

2度目に引っかかった連れ合い()の方

だとみんなは結論づける。(料理したらやはり

 

 

   急いで民宿に持ち帰り、鼻ちょうちんのA子をたたき起こし

  ご対面〜〜!  感激にむせぶA子。

 そして、8時からの朝食に、料理自慢の民宿の奥さんによって、

 このカワハギは刺身・子とアラの煮付けとなって並んだのであった。

   ああ、最高においしかったよ。

民宿の楽しみと隠岐観光