房子さんの短歌

房子さんは大正11年 生まれのおばあちゃんです。
短歌を初めて8年、歌の会に入れてもらって活動してます。
何でも興味をもって前向きに生活しています。
その中で感じた事を歌にしています。
いつまでも元気で歌を作ってもらいたいものです。

介護する束の間畑で草引ける
    われに鶯の初音届きぬ
闘病に疲れし様子みじんなく
   穏やかなりし夫の死に顔
亡き夫の遺影を胸に伊吹山
   酔うこともなく花を満喫
耳遠き吾は新聞朗読し
  浄土の夫へ現世を知らす
ツアーにて霊場めぐりに若人いて
  ホテルの階段手を貸しくるる
歩く会の尾瀬のチラシの懐かしき
   亡夫と歩みしキスゲの原も
諸人の情けにすがり透析を
   受けてほのかに光みゆ夫
衣替え夫の好みし白いシャツ
  衣桁にかけて在りし日偲ぶ
七草つみ小さな土鍋で粥つくり
   話しかけつつ仏間で食むる
朝の間に牛蒡人参蒔き終えて
   開くノートに桜散りくる