2000年9月29日(金) Japan Medicine紙より

栄養士中心にヘルシークッキング教室
− 20〜30代、若い世代の食生活を改善したい −


 プライマリ・ヘルスケアを基本とする青木内科小児科医院(岡山市)は、今年3月
から20〜30代の若い層を対象にしたヘルシークッキング教育を始めた。食生活の
欧米化で生活習慣病を罹患する患者が増えるなかで、若いうちから健康な食生活、
食習慣を身につけ、生活習慣病を予防することがねらいだ。
 ヘルシー教室の中心になる栄養士の森光大氏は、「最近、若い世代の食生活の
乱れがとくに目につき、なんとかしたかった」と教室発足の理由を話す。「栄養士とし
て、食生活という部分で自分が経験したことを若い世代にフィードバックしたい」と語った。
◎従来のヘルシー教室を一新
 ヘルシークッキングの対象は、20〜30代の若い層。1998年から月1回実施し
ている講義と実技を交えた従来のヘルシー教室に、ダイエットを意識した低カロリー
料理の紹介などを取り入れることで、若い世代が興味を引く内容に一新した。食生
活の改善は本人のやる気によって大きく作用されるため、押しつけではなく、本人
の食習慣を十分配慮した改善指導が必要だ。現在の若者は、ラーメンやチャーハン
などを好む世代だけに、「それと上手に共存するための栄養指導もあると思う」と森
光氏は話す。9月までに行われた3回の「ヤングアダルトのためのヘルシークッキン
グ教室」には、通院する若い患者や職員など、定員の20人をはるかに越える人が
集まった。
 四季や岡山の食文化、若者の特性などに配慮した森光氏の献立説明の後に、調
理、試食と続く。「料理は女性の仕事」というイメージがまだ日本にはあるが。参加
者の半数は男性が占め、楽し雰囲気が漂う。若者への正しい情報提供が、次の世
代への誤った食習慣の伝を食い止める効果も期待できる。
 今後、同院ではヘルパ対象の「治療食の調理実習」も考えている。ヘルパーは、
糖尿病や高血圧といった生活習慣病を多く合併する高齢者のケアが求められてい
るだけに、カロリーについての知識も必要となる。ヤングアダルトのための調理実習
をさらに発展させ、「献立立案から調理まで、幅広い実習を考えていきたい」と森光
氏は考えている。


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