もっと怖いニセコの話

  バイクで島牧 エピソード2

 

 ニセコから小樽へ戻る途中、とうとうやっちゃった。

国道5号線を走行中、圧雪がわだちの所だけとけて、凍結アスファルトが

見えていて段差が 2〜3cmになっていた。

ふとバックミラーを見ると、遠くから後続車が迫っているのが見えた。

こういう時って、よせば良いのに余計なことを考えてしまう。

 「この段差にタイヤを引っ掛けたら、ヤバイんだよなぁ」

と段差を気に掛けて近くの方に視線を落とす。

車でも自転車でもそうだが、近くを見るとふらつくものだ。

 「アッ しまった!」

 と思った時には、タイヤが段差に引っ掛かりバイクは大きく傾きもう修正は

不可能なところまでバランスが崩れていた。

 

                        ガッシャ−ン・・・・   ザザ・・・・・・・

 

雪道なのでスピードは押さえていたが、下りの直線道路だったので 4〜50km/hは出てたと思う、

3〜40mほどバイクとともに路面を滑走して止まった。 必ず転ぶと覚悟していたので、心構えが出来ていたのだろう、

バイクに巻き込まれぬよう上手に(謎)転んだ。幸い着膨れ雪だるまになるほど服を着ていたので人間へのダメージは

まったく無く、対向車が来てなかったので、後続車もうまくかわしてくれた。

 人は死ぬ直前、これまでの人生の記憶が走馬灯のように蘇ってくるという。私の場合、「」という事柄は

頭に浮かんでこなかったが、路面を滑っている ほんの数秒の間にいろいろ考えた。

 

----------------------------- 回想 ------------------------------------

 「アッ しまった!」

次の瞬間バイクを立てなおそうとする、しかし元に戻せないまま転倒 バイクと一緒に滑り始める。

(やっぱり 転んでしまったか、バイクが走行不能なほど壊れてないと良いんだけど・・・・・自分もか。)

(壊れてたらどうしよう。クランクケースが割れてたらヤバイな。この辺に バイク屋あったかなぁ?

それより冬はやってるんかなぁ?)

(自分は傷してないんか?今は痛くないけど、後から痛くなるんかなぁ?小樽まで走らにゃならんし。

せめてフェリーに乗るまでは・・・・。(舞鶴に着けば何とかなりそう) )

(そういえば、後続車がきてたなぁ。止まりきれずに追突するかなぁ?)

  ・・・・と転倒したまま車に追突される自分を想像する。

(このスピードでぶつかったら 2〜3ヶ月の重傷かなぁ?そんな重傷なら倶知安やニセコより札幌か小樽の病院に

入院するんかなぁ?)

  ・・・・と腰と足の骨を折って入院している自分の姿を想像する。

(北海道じゃあ 家族の付き添いたいへんだよなぁ。会社にも迷惑かけるよなぁ。)

(でも、北海道で2〜3ヶ月暮らせるんだよなぁ。それもイイカモ(^^)♪退院する頃 道内を旅行して帰るか。)

(3月なら流氷かな?)

  ・・・・と、斜めになった視界の、手の届きそうな所を轟音を立てて横切る車。

     (右を下にして反対車線を向いて滑ってました。)

(あ、うまくかわしてくれた。助かった〜〜ッ!)

(車の人 びっくりしたろうなぁ。)

(それにしても 圧雪の上はなかなか止まらんなぁ。)

その後、もう10mばかり滑って 止まった。

---------------------------------------------------------------

えらい目にあいながら、よくもまあ 一瞬の内にこんなくだらんことまで考えつくものである。(ライダーの性か?)

 後続車の人が降りてきて大丈夫か?と聞いてくれたので(驚かせて)すみませんと応える。

バイクはフロントフェンダーに傷が入っていただけで、あとは無傷。人間はちょっとショックながら写真を撮る余裕あり。

どこにもひどくぶつけた様子は無く(関節も回るし)、服も破れてなかった。ラッキーとしか言いようがない(?)

 ・・・・・・・がしかし、これには続きがあるのだった。

 

エピソード1へ    エピソード2へ       もどる