吸引戦隊カービィファイブ外伝
経営戦隊カービィファイブ・後編

 

前回の外々しいあらすじ

はあぁ〜い♪カービィだよん。・・・外々しいって何だろ・・・。ま、いーか。

色々あってね、ボク達はお店を開くコトになったの。キービィがカレー作って、くさもっちがデザート作って・・・そんな感じなの。うまく出来るかなー?

 


ワドルディとワドルドゥーが、カービィの家の近くを通りかかります。

「ん?ねぇねぇ、ワドルディ、お店がある・・・」

「カービィさん達が建てたのかなー?」

「いらっしゃいませー・・・」

「ぅああっ!?」

ワドルディとワドルドゥーは同時に悲鳴を上げました。

「なっ・・・何してるんですか!?うめぼっちさん!」

「目立たないマスコット・・・」

「目立ってますよ!」

「見た目ではね・・・で、お客さんなの?」

「・・・ここ、何のお店なんですか?」

「カレー中心の食べ物屋さんだよ。」

「キービィさんの仕業ですね。」

「てゆーかー・・・今回は共同作業なの。・・・で、お客さんになってくれるぅ?」

「そんな必死の目で見られたら、客じゃないなんて、言えませんよ。・・・じゃ、お昼時ですし、食べていきます。」

「ポポくんー、お客さん2名ー!」

「いらっしゃいませー♪」

カービィが店の奥から飛び出してきます。

「ただ今、当店はがら空き状態でございますぅ。お好きな席へどぅぞー♪」

「営業スマイルですね、カービィさん。」

「メニューの中にも、『スマイル』がございますぅ。」

「あっ、ホント。『スマイル』ってのがある。某ファーストフード店みたい。」

「・・・この、『アピール』ってのは何ですか?」

「誰のがよろしいですか?」

「は?・・・じゃ、とりあえず・・・ソービィさんで・・・」

「ソービィ、ご指名〜!」

「やめて、そんな言い方!」

ソービィがレジの方からテーブルへやって来ます。

「・・・はあぁ〜い♪」

ソービィは、スマブラでおなじみの動作をしました。

「・・・なるほど。」

「じゃ、ボクはレジに戻るね。」

ソービィはさっとレジの方に戻っていきました。

「・・・で、何か意味あるんですか?」

「ファンの方は、ちょっと幸せになれます。他にも、『緊急回避』とか『受け身』とか『いづな落とし』などがございますぅ。」

「・・・それは、結構ですね。・・・ビーフカレー下さい。」

「僕は・・・ポークがいいです。」

「桃く〜ん♪僕、バナナカレーが欲しいな〜♪」

「ビィちゃ〜ん♪私はね〜、お子さまカレーが欲しいの〜♪」

「お前、何歳のつもりなんだよ。」

ナックルジョーは、抹茶ソーダについてるストローをくわえながら言います。

「こら〜、お母さんに向かって、『お前』って言っちゃダメでしょ〜。」

「お前なんか、『お前』で十分だろ。」

「ちゃんと、『お母さん』って言いなさい〜。」

「お義母さん♪」

がたんっ

ナックルジョーは抹茶ソーダのグラスを倒しそうになりました。次の瞬間、カイムの襟首をつかみます。

「なべで煮とかして、川に流してやる。」

「きゃーっ、冗談だよーっ!」

「あら〜、『お義母さん』って呼んでも、全然かまわないわよ〜♪」

「えっ、ホント!?」

「俺の都合はどーなるんだよっ!」

「え〜と〜、お名前が『カイム』だったわよね。じゃ、『むぅちゃん』かしら。」

「かわいー♪」

「俺の話を聞けぇー!」

ナックルジョーはアイアンマムの足を踏みつけ、固定し、右肩を引っ張ります。

「きゃ〜!?痛いじゃない〜!親になんてコトするの〜!?」

ワドルドゥー達は呆然とその光景を見ています。

「カービィさん・・・ありゃあ、何ですか?」

「ほっといて下さい。では、ご注文を繰り返しますぅ。えーと・・・ビーフカレーとポークカレーですね?少々お待ち下さいー。」

カービィは調理場の中へ入っていきました。

「キービィ、牛と豚ね。」

「バナナとお子さまって声も聞こえてたけど?」

「作りたかったら、作って。」

「もちろん、作るよ!カレーを作らないなんて、ボクじゃないもんね!・・・・・・っふっふふふふっふ・・・」

「笑いながら、料理しないで・・・」

「かびく〜ん、ボクの出番は〜・・・?」

「じゃ、お子さまカレーのデザートね。」

「うん、わかった♪」

 

「むぅちゃん、かわい〜わね〜♪」

「ありがとねー♪」

「こいつ、敵だぜ、敵。」

「いいじゃない〜。」

「いいのかよ。」

「養子にしよ〜かしら〜。」

ナックルジョーは、口に含んでいた抹茶ソーダを全部吹き出します。

「何考えてんだっ!」

「だから〜、養子にしよ〜かしら〜・・・って。」

「じゃ、『お義母さん』って呼んでもおかしくないね♪」

「何言ってんの〜。『お母さん』でいいのよ、『お母さん』で。」

「わーい♪お母さ〜ん♪」

「・・・・・・」

ナックルジョーは血の気の引いた顔で、その光景を見つめています。

「ねぇ、ナックルジョー♪どっちがお兄さんだと思う?」

「そーゆーコトになったら、戸籍上からもお前を消してやる。」

カレーを持ったアドが、ヨロヨロと調理場から出てきました。

「重い〜・・・ビーフとポークのお客様〜・・・」

「はいはーい。おー、かわいいー♪やっぱ、アドちゃんみたいな女の子はウエイトレスをしなきゃ。」

「ありがと♪」

「・・・で、あの窓の下に飾ってある、サルの腰掛けとか、先割れスプーンとか・・・何なの?」

「壁にも・・・川柳が飾ってあるんだけど・・・」

「・・・き・・・気にしないで・・・えーと、次は・・・はい、バナナ。」

「ぅわ〜・・・バナナカレーってホントにあったんだ〜・・・」

「はい、お子さまカレー。」

「きゃ〜、ありがと〜♪」

「・・・・・・また、抹茶ソーダなんか飲んでんの?」

「悪いのかよ。」

「悪いって言ったらどーすんのよ。」

「どーもしねーよ。」

「・・・ねぇ、どーゆーふーに息子を育てたのよ。」

「・・・そぉねぇ・・・やっぱり、ファイターだから、強くなってほしかったわね。あと・・・・・・優しい子にしたかったわ・・・」

「気持ちいいぐらい失敗したのね。」

「バナナ、おいしぃー♪ナックルジョー、食べる?」

「果物は嫌いだ。」

「あーん、してー♪」

べしゃんっ

ナックルジョーはカイムの頭をつかみ、バナナカレーに押しつけます。

「こら〜、もーちょっと丁寧に断りなさいよ〜。」

「何で俺が、そこまでしてやらなきゃならねーんだよ。」

「無愛想だと、人に好かれないわよ〜。」

「好かれても、嬉しくねーな。」

「レーヌちゃんみたいに、かわいい子もいるのに〜・・・」

「だから、嬉しくねーんだって。」

「ナッシー、露骨に失礼じゃない!私に!」

「知るかよ、そんなコト。」

「そっ・・・そんなコトぉ!?」

その時、調理場から一斉にカービィ達が飛び出してきました。みんなで、アドにしがみつきます。

「離して、カーくん達!こいつ、殴ってやる!」

「落ち着いて、アドちゃん!殴り返されちゃう!・・・そーだよね!?ジョー、殴り返しちゃうよね!?」

「当たり前だろ。・・・つーか、それ以前に、殴らせねーけど。」

「むっ・・・・・・ムかつくぅ〜・・・!一回死ねぇ!」

「一回も何も、二回死ねるはずねーだろ。何言ってんだ、お前。」

うめぼっちが店内に入ってきました。

「ぅわ〜・・・毎回毎回、元気だなぁー・・・」

「うめぼっちさん!一体コレは・・・」

「日常茶飯事だから。気にしないで。」

「気にしちゃいけないコトが多すぎますよ、この店!」

「そんなモンなんだよ、世の中ってのは。さ、カレー食べてよ。冷えちゃうよ。」

「・・・は・・・はぁ・・・」

ワドルドゥーとワドルディは無理矢理納得させられると、カレーにスプーンを突っ込み、ひとすくい口に運びました。

ばたっ

「あれ?何の音?」

「おばけの音〜♪」

カイムがカレーまみれの顔で、カービィの背後にくっつきます。

「いやーっ、そーじゃなくってぇーっ!」

「ポポくん、お客さんが倒れちゃった!」

「えーっ!?しっかりして下さい!」

「・・・・・・・・・か・・・辛すぎ・・・・・・」

「あっ・・・ごっめぇ〜ん。いつもの感じで、ちょっと辛くしちゃった。」

キービィは舌をちょっと出してあやまります。

「救急車を・・・」

「わっ・・・わかりましたっ!・・・えーと、えーと・・・ソービィ!119番って、何番だっけ!?」

「ぅわっ!それ、何が元ネタ?」

 

10分後、救急車が到着しました。

「胃からの出血が激しいですねぇ・・・このまま、病院に運びましょう。」

「あ、ちょっと待って。ワドルディ、ワドルドゥー・・・」

「な・・・何ですか・・・?・・・・・・カービィさん・・・」

「またのご来店、お待ちしておりますぅ♪」

「・・・・・・」


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