この里山地区は、数年前から若い情熱に燃えた陶芸作家・田中常雄氏が自費を投入して開拓され、周りを静かな山林で囲まれ、自然に恵まれた環境の別天地です。南の金毘羅さんと並び北の由伽山といわれる由伽神社への参詣街道の途中から北へ分け入った至って閑静な環境も、今回の竹の子祭りにとってはピッタリの場所を提供してくれました。
   午前9時半、ほぼ全員の集合が終わりました。中村さんの指示で二つのグループに別れ、各グループには指導者とサブリーダーが割り当てられました。それぞれ予め準備していた竹の子掘りの道具(鍬、ハンドスコップ、収納用かごなど)を持参し、斜面に密生している竹林に分け入ります。広場から見て東の方向の竹やぶに、最初の間はおっかなびっくりの物腰で落葉を踏みしめ、慎重に入っていきました。竹林の中は酸素たっぷり、ひんやりとした新鮮な空気が私達を歓迎してくれます。
   仮にA班としておきます。私はA班のあとについて重いカメラとデジカメをぶら下げ追随して竹やぶに入りました。
   竹藪の中に、適当な平坦な部分があったので、指導者は竹の子掘りの手本を示します。指導者を中心に、一つの竹の子の周りに輪を作り、掘り方の要領を子供たちに指導します。竹の子の先端部分の曲がった方向の根元から掘り起こすのが基本であると現物を示しながら分かり易く説明されます。子供たちの真剣な眼差しが一点に集中する。先生は素早く、要領よく鍬を打ち下ろし、ほんの2,3発であっけなく掘り起こします。周りの子供たちや母親が驚異と感嘆のまなざしで先生の動作を見入る。この
瞬間をカメラに収める。
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