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11月14日
大阪駅23:55の寝台特急富士 南宮崎行きで出発する。南宮崎の響きがなんとも南国らしい。大阪駅の近郊電車のホームは、金曜日の夜とあってか、夜11時過ぎて未だごった返している。
23:52分EF66に引かれた14両編成の列車が、ホームに到着する。私を含めた数人の鉄道ファンが乗り込み、南宮崎までの14時間余りの旅が始まる。車内は、予想以上に閑散としていて、乗客の全くいない車両もある。列車が発車しても、深夜のため車内アナウンスはなかったので、ひっそりとした旅の始まりだった。
次の三宮で数人の乗客を乗せると、翌朝の岩国まで客扱いはしない。途中、岡山、広島に運転停車した。特急富士号は、深夜の山陽本線をひた走る。
11月15日
防府の辺りで目覚める。夜がしだいに明けてくる。下関到着20分前で、お目覚めの車内放送があった。”おはようございます。あと20分で下関です。 ・ ・ ・
下関では、機関車交換のため6分停車だ。発車すると、すぐに関門トンネルに入る。北の青函トンネルに対して、こちらでも、関門トンネルの説明が簡単に行われた。
トンネルを抜けて九州に上陸する。門司で、再び機関車の交換を行う。今度は、ED76が先頭に立つ。
小倉から日豊線に入り、一路宮崎を目指す。私にとって日豊線は、10年ぶりで、沿線もかなり開発が進んでいるようだ。
11月中旬とあって、山々の紅葉も美しい。別府湾を眺めてしばらくすると、大分に到着する。11月29日からは、ここが富士号の終着駅となる。
まとまった数の乗客が下車し、列車も後ろ8両が切り離され、5両の客車で、終着南宮崎へ向かう。
宗太郎峠を越え、宮崎県に入ると、車窓が急に南国らしくなる。熱帯樹の並木や、青い海。長い鉄橋や、紅葉の撮影ポイントでは、鉄道ファンがカメラを待ち構えている。
リニアの実験線が見えてくると、終着は近い。高架駅に生まれ変わった宮崎駅に13:27到着する。向かいの1番線では、これから東京へ向かう上り富士が発車を待っている。
大淀川を渡ると、終着南宮崎だ。13:31定刻到着。鉄道ファン数人が降り立つ。 |