ヨーロッパ旅行記よりノルウェーのフログネル彫刻公園

 

 

夫と妻の怪しい関係

私たちが夫婦別姓にして、10年の歳月が流れました。

最初から夫と妻の関係がフェアであったわけじゃありません。

ふたりは話し合いをさけていて、あるチャンスを握った妻が、

なかば強引に法律上「離婚」して「事実婚」に踏み切りました。

どんなチャンスかというと、チャンスというと「好機」という意味

にとらえられるので「機会」に変えましょう。

田舎に住む夫の父が病に倒れ入院しました。

義母が看病にあたっていたのですが、私は「日曜日は、看病

を交代しましょう。」と夫に申し出て、夫はとても喜びました。

「でも、私は嫁の義務としていやいや看病したくない。私は

人間として看病したい。」と言いました。

それで、夫が夫婦別姓に踏み切ることに同意しました。

心の問題なんです。

私たちが夫婦別姓にしていることは、義父母はもちろん、親戚

も知りません。

「戸籍」という枠から解き放たれた私は、人間的に深く生きられる

ことを知りました。義父母とも、夫とも、「嫁」ではなく、人間として

向き合えるのです。「勤め」でも「義務」でもなく、好意とまごころで。

旧い家制度は人々から心を奪っているような気がします。

義父はまもなく亡くなりました。

生まれながらの農夫のように、純朴だった義父、融通がきかない

頑固な人だったけど、私をいつも笑顔で迎えてくれたっけ。

私は義務感をもたずに、心から看護できて、ほんとうによかったと

思います。

これが本当の夫婦かな?

夫も今は私と同じ気持ちです。

10年かかりました。

最初は会社に体裁を気にして、言うことができなかったようです。

だって、法律上「離婚」したことになるのですから。

だから「妻の扶養控除」をな、な、なんと受け続けていました。

かたや、私は薄給のパートタイマーですが、ちゃんと

「国民年金」なるものを自分で払っていて、自立していました。

私が指摘しても、彼は会社へ言わなかったようです。

そのうち、夫は次第に私を理解するようになり、時代の流れ

とともに、「事実婚」を恥ずかしいと思わなくなったのでしょう。

会社に言えるようになりました。

そこで当然追徴金?がきました。彼はあわてていたけど、

あったりまえでしょうが!!

こうやって、彼との理解にも時間がかかったわけです。

彼はフェミニストではないです。物分りの良い人でもないし、

普通の日本の中年男性です。夫は変わりました。

ひょっとしたら、今では事実婚を誇りに思っているかも。

私たちを結び付けているものは、もう戸籍じゃないから

愛情だけなんよねえ

と言うと、うれしそうにしていますよ。どんなにケンカしても、

もう別れられない。だって、もう離婚しているんですから。

(ただし、私にとって事実婚はとてもお金がかかることです。

けちではできません。お金より自分の信念を貫きたいから

やっていることです。早く夫婦別姓選択制を国会にかけて

もらいたいです。10年前のアンケート調査では国民の半数

以上が賛成していたのですから)

 

ヨーロッパ人権の旅

旅行記連載中

ヨーロッパにおける人権感覚や福祉は日本より2〜30年進んでいる。だが、性に対する考え方など、進みすぎて、「えっ、こんなのあり???」私は混乱に陥ってしまう。

少しづつ回を重ねています。

もっとのびやかに 

民法改正しよう。