吸引戦隊カービィファイブ
〜がんばれー、アドちゃ・・・ん・・・?〜
前回の荒れ果てたあらすじ
やっほーぃ、キービィだよん。カビちゃんは前回、ダークマターに乗り移られて邪悪なことをしたくなったデデデ大王に連れて行かれちゃったアドちゃん・・・ジョーかな・・・を追いかけているので、あらすじをしゃべれないんだよねー。それがさ、大変なんだよ。カビちゃんが、ダークマターの入ったびんを割っちゃったんだ。それでね、ダークマターはカビちゃんとジョーとアドちゃんに体当たりした瞬間、3人の精神を入れ替えちゃったんだよ。カビちゃんの体にアドちゃんの精神で、ジョーの体にカビちゃんの精神で、アドちゃんの体にジョーの精神なの。その後、ダークマターはデデデ大王に乗り移って、アドちゃんを連れて行っちゃったの。でも、中身はジョーなんだよ。あとが大変そーだよね。・・・あ、カレーが焦げちゃう。それじゃ、ね。
「もー・・・ジョーの体、走りにくいー。」
「急いでよ、カーくん!私も視線低くて走りにくいんだから!」
2人とも、のろのろと走っていきます。そのころ、デデデ城では・・・
「アドちゃん、デデデ城へようこそー♪」
「ようこそも何も、てめーが勝手に連れてきたんだろーが!・・・俺は帰るからな。こんな、64もないとこ・・・」
「64ならあるぞ。」
ぴたっとナックルジョーの歩みが止まります。
「・・・スマブラは?」
「あるぞー。」
「・・・・・・・・・」
「やっとデデデ城についたね。」
「入るわよ!」
門の取っ手まで、手が届きません。
「カーくん、開けてー。」
「やっぱりこーゆーのはさ、足で蹴って開けるんだよね?」
期待に満ちた目でアドを見ます。
「普通に開ければいいのよ!」
「今でしか出来ないことなのに・・・」
「ぶつぶつ言ってないで、さっさと開けてよ!」
「はーい・・・」
普通に両手で開けます。すると、目の前に大きな影が・・・
「わっ、なになに!?」
「いきなりボス!?」
「そう、ボスだ!ここから先は、絶対に通さん!」
「あ、ウィスピーウッズじゃない。」
「通りたくば、お約束のごとくこの私を倒して・・・」
カービィとアドは、ウィスピーウッズの横を通っていきます。
「お、おい!ずるいぞ、お前ら!」
「うるさいわねー。動けないあんたが悪いのよ。」
「ジョーなら、絶対こーするよ。城の中に木を植えるなんて、デデデ大王、何考えてんだろ。」
「何だとぉぉっ!・・・怒った。動いてやるぅぅぅっ!」
メキメキという音を立てて、ウィスピーウッズの目や口がさけます。根本のタイルが崩れ、根が飛び出します。ウィスピーウッズは、根を足がわりにして、器用に走ってきました。
「ぅわーっ!?」
「きゃーっ!?」
2人同時に走り出します。デデデ城に来る時とは違って、かなり速く走ってます。
「カーくん、速く走れるじゃないの。」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょーっ!」
一気に最上階にまで駆け登りました。しかし、ウィスピーウッズも意外に速く、ぴったりとくっついてきます。よほど怒っているのでしょう。カービィとアドは近くの部屋に飛び込みました。
「あー・・・怖かった。」
「カーくん、あのウィスピーウッズと一回戦ったことがあるんじゃないの?」
「あの時はグーイがいたもの。」
「私じゃ頼りないって言うのっ!」
「いたた・・・アドちゃんやめてよ。・・・これが襟首をつかまれるっていうんだね。いたたた・・・あ。アドちゃん、後ろ後ろ!」
「何よ。」
デデデ大王とナックルジョーがスマブラをしています。
「ちょ・・・ちょっと、ナッシー。」
「・・・」
「ナッシー!」
「うるさい!ラスト10秒だ!このバトルが終わるまで話しかけるな!」
10秒後、画面に大きくフォックスが出ました。
「ジョーって、フォックス使いだったんだね。」
「あぁ。このキャラ使うと、どのキャラの練習にもなって・・・餅、来てたのか。」
「うん。」
「女々しいしゃべり方をするなと言っただろ。」
「私は無視なのー?」
「それより、わしを無視するなぁぁっ!」
デデデ大王が叫びます。すると、ドアが凄い勢いで開かれました。ウィスピーウッズです。
「ぅわ、そーいえば、ウィスピーウッズがいたんだっけ。」
「餅、あいつにスピンキックしてみろ。」
「えー、ボクが?無理だよ。」
「しろっつってんだよ。」
「・・・わかった。」
カービィはウィスピーウッズに突っ込んでいき、スピンキックをしました。
どごんっ
ウィスピーウッズは、壁に当たるまで後ろに飛んでいきました。
「ぅわー・・・すごー・・・」
「姿勢、体重の乗せ方、蹴りの角度、その他、どれもなってないが、このくらいはできただろ。」
「あれ、デデのだんなは?」
ごばっ
後ろで壁の砕ける音がします。かなり、大きな物が出てきました。
「あーっ、これってメカデデデだよ!カービィボウルの。」
「いくら、基礎攻撃力があっても、てめーじゃ無理だな。」
「じゃ、どーするのよ。」
「俺が行く。」
「え?」
カービィとアドの「え?」がきれいに重なります。
「その方が無理なんじゃ・・・」
カービィが言い終わらないうちに、ナックルジョーはメカデデデに向かって走ります。メカデデデの後ろから、小さなメカデデデが出てきました。見かけによらず速く、ナックルジョーの近くまで来ました。四方八方を囲まれます。
「・・・動けなくしたつもりか?」
そう言い終わると、深くしゃがみ、跳びました。天井近くまでいきました。
「うそー・・・私あんなに跳べないわよ。」
「さっき言ってた、『体重の乗せ方』ってやつじゃない?」
ナックルジョーはその場で半宙返りをし、天井を蹴ってメカデデデの手についているドリルの近くまで降りました。すぐさま、足を振り上げます。
「アドちゃん、上段回し蹴りだよ。あれ。」
「やめて〜っ!スカートはいてるんだってばぁーっ!」
かかとがドリルの根本に入ります。次の瞬間・・・
ばきぃぃっ
ドリルが根本からへし折れました。
「・・・まじー・・・?」
「まじみたい・・・」
ナックルジョーは間髪入れずにメカデデデの顔の下に飛び乗ります。
「・・・大抵、顔のへんに、中に乗り込むのがあるんだよな。」
そう言って、メカデデデの顔の下に手をかけます。
「アドちゃん、無理矢理こじ開けるつもりか?いくらなんでも、それは・・・」
メカデデデの首のへんから、ボルトのような物がポンポン飛び出しています。
ぐばんっ
ひときわ大きな音がしたと思うと、メカデデデの頭が取れていました。中に乗ってるデデデ大王が呆然としています。ナックルジョーが右手首をぐるぐると回しまがら言いました。
「走馬燈の用意でもしとけ。」
そのまま、デデデ大王を殴りつけます。デデデ大王の頭から、黒いもやの様な物が飛び出しました。
「・・・今だぞ。」
ぐごごごごご・・・ごばぁっ
部屋の半分ぐらいを破壊しながら、グーイが入ってきました。そして、ダークマターをぺろりと飲んでしまいました。
「・・・ジョー、グーイが来るの知ってたの?」
「来ると読んでたからな。・・・これで、大部分は済んだな。帰るか。」
「ナッシー、デデのだんなは?」
「ほっとけば、目が覚めるだろ。」
カービィが、部屋の中を見回して、ナックルジョーに話しかけました。
「今さら言うのもなんだけどさ、ジョーって、むちゃくちゃだね。」
ナックルジョーがあの笑いをしながら答えます。
「普通にやっても、面白くねーだろ。」
アドがあきれていました。
「んー・・・やっぱ、自分の体はいいわねぇ♪」
アドが背伸びをしながら言います。
「キービィ、どーやってボクらの精神戻すよーに説得したの?」
「粉にして、カレーに入れちゃうよって言ったら、戻してくれたよ。」
「あ・・・あぁ、そう・・・ははは・・・」
乾いた笑いをもらします。
「おい、アド。」
「何、ナッシー?」
「一応、言っといてやる。2日は階段も上れない。」
「は?」
「それだけだ。」
「そっ・・・それだけじゃ、わかんないわよ!何のことーっ!」
翌日、アドは足が筋肉痛になって、階段も上れなかったとのこと。
「・・・アドちゃんの回し蹴り、かっこよかったよ。」
「うるっさいわねーっ!ナッシーのバカーっ!」