吸引戦隊カービィファイブ
〜ひえええぇぇっ!?〜

 


「みんなー、お茶入れたよー♪」

くさもっちが湯飲みを5つ運んできます。

「うーん、ちょっと苦いけどおいしいねー・・・」

「ねぇねぇ、お茶菓子用にさ、『カレー大福』ってのを作ってみたんだよ。食べて、食べて♪」

「ムーくん、自分で食べてよ。」

「はー・・・平和だねぇ・・・」

「つくだに君達、全員取り返されちゃったけど。」

「わーぉ♪お餅の中にカレーが入ってるよ♪」

ごく自然に、カイムがカービィ達の隣に座って、カレー大福をほおばってます。

「・・・ぅうわああぁーっ!?」

「やっだなぁー♪みんな♪そーんなに驚かないでよぉ♪『カレー大福』って名前なんだからー、お餅の中にカレーが入ってて当然じゃない♪」

「そのコトに驚いたんじゃないよ!・・・ちょっと聞かせて。つくだに君達をどーしたの?」

「・・・あぁ、あいつら?・・・食べちゃった♪」

「えーっ!?食べちゃったぁ!?」

「ダークマターっておいしかったの?・・・くーっ、カレーの具にしてみればよかったぁ・・・さしずめ『ダークカレー』ってとこかなぁ・・・」

「どーやって食べたら一番おいしいの?生?煮物?揚げ物?蒸し焼き?酢漬け?発酵?浅漬け?ムニエル?ミディアム・レア?フルコース?」

「生かじりが一番かなー♪」

「なるほどー・・・メモっとこ・・・・・・・・・そーじゃないよ!何しに来たのさぁ!」

「君のヘルパーに会いに来たんだけどさぁ・・・どこ?」

「ジョーはここにはいないよ。ゲームセンターにいるか、家でゲームしてるかのどっちかだよ。」

「何教えてんのさ、ポポくん!」

「・・・あぁ、しまった!何かフレンドリーに聞かれたんで、つい!」

「カーくん、グーイの調整のことなんだけどさぁ・・・げっ、葬式頭!」

「あ、アドちゃん。」

「葬式頭ってやめてくれなぁーい?カイムだよ。カ・イ・ム♪」

「そばに寄ってくんじゃないわよっ!」

「んー、かわいいからつい♪」

「やっぱいい奴よ、こいつ。」

「そーゆー場合じゃないよ。」

「そう♪そーゆー場合じゃないんだよね♪・・・えーと、ヘルパーのフルネーム教えて♪」

「ナックルジョーだよ。」

「ポポくん、また・・・」

「・・・あ。・・・・・・もういいよ、この際。」

「とにかく、ナックルジョーを連れてきてよ♪んー・・・そーだなー・・・30分以内に♪」

「えー・・・30分で探して連れてくるなんて、厳しいよ・・・」

カイムはカービィの前まで歩き、しゃがんで視線を合わせます。

「30分で連れてこないとさ、グーイを粗大ゴミに出さなくてもいいぐらいに壊しちゃうけど?」

「わかりました。」

「じゃあね、今から始めーっ♪」

カービィ、キービィ、くさもっちは家から飛び出し、近くのゲームセンターやナックルジョーの家に走っていきました。

「・・・あれ?アドちゃん、赤くん、青くんは捜しに行かないのぉ?」

「勝手にあんたの条件のんでたまるかっての。もし、カーくん達が間に合わなかったら、私達があんたをくい止めるから。」

「ふぅーん・・・間に合うといいね♪」

 

「さーん、にーぃ、いぃーち、はい終わりー♪」

壁にもたれかかってたカイムが立ち上がります。

「ざーんねん♪間に合わなかったねぇ♪」

グーイ格納庫まで通じているドアへ歩いていきます。

「待ちなさいよ。」

アド、ソービィ、うめぼっちがカイムの前に出ます。

「どいてくれるー?」

「攻撃のリーチが短いアッくんは、絵を描いてるアドちゃんのガードを頼むよ。」

「うん、わかった。」

「とゆーことで、ボクが相手だよ!バーニングアタックぅ!」

うめぼっちがカイムに突っ込んでいきます。

「アドちゃん、早く、早く。絵を描かなきゃ。ほしりんもリーチが長い方じゃないんだから。」

「わかってるわよ!えーと、クラッコに必要な色は・・・」

ばごんっ

キャンバスに何かがぶつかります。

「きゅー・・・」

「あっ、ほしりん!しっかり、しっかり!」

「次は・・・青くんかな?」

「・・・アドちゃん、何でもいいから早く描いてよ。」

ソービィは助走をつけ、カイムに向かってジャンプします。

「こちこちっ・・・スプリンクラぁ!」

冷気がカイムに当たる直前、ソービィは床に叩きつけられます。

「あいたーっ!動けないーっ!踏みつけるなんて・・・え?」

カイムはソービィに触れてもいません。

「・・・何で、ボク動けないの・・・?」

「もーちょっと強くなったら、教えてあげよーかなー♪」

床が砕ける音がし、ソービィは完全に床にめり込んでしまいました。

「・・・で、最後はアドちゃんだね♪何描いたのぉ?」

「勝てるもんなら・・・勝ってみなさいよーっ!」

キャンバスの中から、無数のカービィが飛び出します。

「ぅっわーお♪たっくさーん・・・って感じ?」

「カーくん、強いんだからねーっ!」

「・・・誰を基準に?」

カイムの周りに、細長い楕円形の赤い物体がたくさん出現します。それらは、キャンバスから出てきたカービィ全てをなぎ払ってしまいました。

「うそー・・・」

「僕とダークマターは同じだって考えない方がいいよ。僕は・・・ゼロ様の分身なんだから。」

カイムは、ドアの方へ歩いていきます。

「ちょ・・・ちょっと待ちなさいよっ!あんた、グーイを『すごいねー』って認めてたじゃない!それを壊すつもり!?」

「すごいのは認めるよ。・・・何かさー、人の作った大きな砂山を崩すって感じだなー♪」

「一歩も動くんじゃないっ!」

がつんっ

筆でカイムの頭を殴りつけます。

「いったー・・・ねー、アドちゃん♪」

「何よっ!」

「僕さー・・・女の子を傷つけるのって好きじゃないんだよねー・・・」

口は笑ってますが、目からは殺気が感じられます。アドは一瞬後ずさりしますが、すぐにカイムをにらみつけました。

「・・・好きじゃないことは出来ないってゆーの!?ソーくん達は戦ったのよっ!私だけ戦わないってわけにはいかないでしょーが!」

アドは両手でカイムのコートの襟をつかみます。

「性別違うだけで特別視してんじゃないわよっ!この意気地なしっ!私も床に叩きつけてみなさいよーっ!」

「・・・・・・床はさっきやったからー・・・壁にするよ♪」

アドは、別のドアの方へはじき飛ばされます。

「きゃーっ!?」

「・・・あ、壁じゃなかった♪」

ぶつかる瞬間、ドアが開きました。

「ふぇー・・・やっとジョーをつれて・・・ぅわーっ!?」

ドアの前に立っていた全員が、飛んできたアドになぎ倒されます。

「ななな・・・何ぃ!?」

「アド!てめー、俺に何か恨みでもあんのかっ!?」

「恨みならあるけど・・・今のは違うのよ。・・・そんなことより、あいつ私を放ったのよ!女の子なのに!」

「アドちゃーん、言ってるコトが無茶苦茶ー♪さっきと違うじゃない。」

「うるっさいわねっ!いちいち自分の言ったことに責任持ってらんないわっ!」

「ナックルジョー、『何か』のナゾ解けた?」

「・・・あー、あったな、そーゆーの。」

「まだ解いてなかったのかぁ。・・・じゃ、今すぐ解いてもらおーかな♪」

家の中で気絶しているソービィとうめぼっちが浮き上がり、ナックルジョーに向かってはじき飛ばされます。いきなりでしたが、ナックルジョーは2人を見事にかわします。

「ジョー、ソービィ達をつかんで取ってくれてもいいじゃない!」

「めんどくさい。」

「さて・・・ナックルジョーに問題です♪」

カイムが家の中から出てきました。

「この見えない『何か』とは何でしょう♪」


←12話 14話→