吸引戦隊カービィファイブ
〜えーっ、まじーっ!?〜

 

前回の荒いあらすじ

はあぁーぃ♪カービィだよ。うん、「荒い」があったんだ。基本を忘れてたよ。サブタイトルは最近、崩壊してきたなぁ・・・あ、こっちの話だから気にしないでね。
えーと・・・何だったっけ?あ、そうそう。前回のあらすじだよ。あのね、みんなでのんびりしてたらさ、カイムが来たんだよ。
でねでね、30分以内にジョーを連れて来なきゃグーイを壊すって言うんだよ。何とか連れてきたんだけどね、ほんのちょっと間に合わなかったんだ。グーイは無事だったんだけど、カイムを止めようとした、ソービィとうめぼっちがやっつけられちゃったの。2人をやっつけるのに、カイムは『何か』を使ったって言うんだ。『何か』って・・・・・・何?

 


カービィの家の前で、ナックルジョーとカイムが対峙しています。

「アドちゃーん・・・何か空気がピリピリするぅー・・・」

「グリーンペッパーみたいな感じ・・・」

「これが殺気ってやつね。」

「アドちゃんがしょっちゅう出してるやつだよ。」

「何で私がしょっちゅう殺気を出さなきゃならないのよ!」

「いったー!胸ぐらつかまないで!・・・ほらー・・・今だって・・・」

何やらごちゃごちゃやってます。

「なーにやってんだろーねぇ、向こうは♪」

「おい、カイム。」

「なっあにぃ?」

「土産はどうした。」

「あ、そっかぁ。ちゃっかりしてるねぇ♪はい、ヨーカンとおセンべ♪」

どこからか紙袋を取り出します。すると、いきなりカービィ、キービィ、くさもっち、そして気絶していたはずのソービィとうめぼっちまでカイムに群がります。

「ぅわーお、ヨーカンだ、ヨーカン♪」

「カステラはないのぉ?」

「きゃー、やめてー、これはナックルジョーに持ってきたんだってばーっ!」

「餅とその他。食うなら俺に金払えよ。ヨーカン1本につき10000。煎餅は1枚につき1000。」

「うぅわー・・・ぼってるなー・・・」

「じゃ、桃くん達、このお土産持って向こうに行っててね♪」

カイムはカービィ達が向こうに行ったのを確認すると、ナックルジョーの方を向きました。

「うーん、相変わらずって感じ?そーゆー性格♪」

「攻撃はしてこねーのか?遊びに来たってわけじゃねーんだろ?」

「ん?攻撃?今そっちに向かってるトコ♪」

ナックルジョーは右にわずかな異質の気配を感じとります。とっさに前によけます。少しかすり、ハチマキの結び目が破れ、髪がおりました。

「わーっ、ジョー!髪おろすとかっこいいーっ!」

「外野は黙ってろ!」

「僕も髪おろした方が好みだなー♪」

「てめーの好みなんか知るかっ!」

「じゃーさ、今知ったってことで♪次はさ・・・『何か』の正体を知って欲しいなー♪」

今度は後方に気配を感じとります。跳んでかわしました。しかし、目の前にカイムが跳んできます。カイムは身をひねり、スピンキックをします。ナックルジョーはすぐさま腕を十字に組み、ガードしますが、衝撃を吸収しきれず、山肌に叩きつけられます。

「んー、『何か』の正体を知って欲しいんだけどね・・・そればっかに気を回さず、僕にも気をかけて♪」

「ふぇぇぇー・・・ジョーに一撃喰らわしたよ・・・やっぱ、とても強いんだ・・・」

カービィが煎餅をくわえながら真面目な表情で話します。

「あー、背中いてー・・・」

「大変だね♪『有る』人は♪」

また『何か』が向かってくる気配がします。よける暇がありません。右頬と左脇腹に『何か』がぶつかる感じがします。しかし、ナックルジョーはぶつかった『何か』をつかみ取りました。

「・・・押さえたぜ。」

「ぅわーぉ♪すっごぉーい♪・・・で、『何か』とは何でしょう?」

「・・・『手』だな。手首から先だけの。」

「あったりぃー♪僕の手なの♪・・・あの方が体にくっついてない方がリーチが長くて攻撃に向いてるからってこーゆーふーにしてくれたんだ♪ついでに相手にわかりにくいよーに透明で気配がほとんどないの♪オマケに攻撃対象にしか当たらないから、障害物を気にせずに攻撃出来るんだよ♪」

カービィがおそるおそるカイムに話しかけます。

「・・・ねぇ・・・カイム・・・コートの下、どんなふーになってんの・・・?」

「んー、見たいぃ?手の存在もわかったことだしー・・・教えてあげるよ♪ボタンはずして♪手は今さ、動かせられないからさ♪」

カービィはコートのボタンをぷちぷちとはずします。コートが地面に落ちます。

「・・・?」

カービィ達の視界に一番に入ったものは・・・カイムに遮られて見えないはずの向こうの景色です。

「・・・な・・・な、な・・・生首ぃぃーっ!」

「ひぇえええぇぇーっ!?・・・あっ・・・足がっ・・・!足がーっ!」

カービィ達に見えているカイムは首から上の部分とふとももの真ん中辺までしかない足だけです。

「かっ・・・体が・・・体がないよ・・・?」

「うん♪僕は『カイム』だから。あの方が・・・『胴体は必要ない』って決めたんだ。相手の攻撃が当たる確率が大きくなるだけだからね。・・・頭は・・・攻撃に必要な情報を取り入れ、その情報をもとに行動を決めるために必要で・・・足は・・・攻撃と地面での移動と、相手を惑わすために必要なんだ。頭と足は離れてるよーに見えるけどね、細ーいエネルギーの糸みたいなのでつながって、この距離で固定されてんだよ♪、手が電話の子機なら、頭と足は親機ってトコかな♪」

「足で惑わすって・・・どーゆーコト?」

「僕がコートをしてない姿を見たら、驚いたってコトはぁー、僕の体は人間とそれほど変わらないって考えてたってコトでしょ?つまり、コートのすそから足がのぞいていることによって、大抵の人は、コートの下にはないはずの体があるよーに思いこんじゃうんだ♪よって、警戒心を弱めがちになる。それに、正体がわからない相手にはさ、中段の攻撃をするんじゃない?上段や下段の攻撃はカウンターされやすいからね♪ところが、中段にあたる部分に、僕の体はないってコト♪」

「だから、あの時の攻撃ではダメージが与えられなかったんだな。」

「あぁ、初めて会った時のだね♪うん♪痛くなかった。当然だけどね♪そこには『無い』んだから♪」

ナックルジョーは両手につかんでいるカイムの手を握りつぶします。

「・・・このダメージは?」

「あー、それはあるー。うーん、ちょーっと痛かったかなー?」

ナックルジョーはカイムの手を地面に放り捨てます。

「・・・つまり、頭を叩きつぶせばいいわけだ。」

「うーん・・・そーゆーコトになるかなー♪」

「・・・1つ聞くぞ。なぜ敵に自分の情報を与える?」

「えっ・・・んー・・・それはねー・・・僕のコト知ってもらいたかったから♪」

一瞬白い時間が流れ、その後、一斉にその場にいる全員の顔から血の気が引きます。全員に共通した心の声は「げっ」でしょう。

「んー♪ナックルジョー、僕のコトわかってくれたぁ?」

「顔を赤らめながら近寄ってくんじゃねーっ!」

「ジョー、また変なのに好かれたね。」

「餅、変なの第1号はてめーだからな。」

「えー、ボク変じゃないよ。・・・それよりさ、カイム。ジョーになれなれしくしないでよぅ!」

「えー、何でー?」

「だってさー、ジョーはボクの・・・」

ナックルジョーがカービィを踏みつけます。

「・・・『ボクの』・・・その後は?」

「・・・ヘルパーです♪ごめんなさぁーぃ♪」

「じゃ、僕そろそろ帰るね。手の傷の治りが遅くなったら困るからさー♪」

「お前、何しに来たんだよ。」

「んー?だからさぁ、君にぃ、僕のコトを知ってもらうために♪」

「近寄んなっつってんだろっ!」

「それだけのために、ボク、床に叩きつけられたのぉ?痛かったんだよぅ!」

「僕、ちょっと強めに押しただけだよ。軽量級だからね、青くんも♪・・・じゃあ、ね♪」

カイムはそう言い終わると、飛んでいってしまいました。

「・・・家に帰って、ハチマキ巻かねーと。」

「えー・・・そのままで、いいじゃん♪」

カービィは嬉しそうにしながら、ナックルジョーの脚にくっつきます。しかし、反対側の足で踏みつけられました。

「ついでにグローブはずしてやろーか?」

「・・・ごめんなさい♪」

 

「ただいまっ、ゼロ様っ♪無事じゃないけど、生還しましたぁ♪むー・・・まだ手が痛いなー・・・」

「・・・お前・・・何をしに行ったんだ?」

「はいはい、あのですねぇ、僕のコトを知ってもらいにですよ♪」

「・・・自分から敵に情報を与えるな。私は『敵の戦力調査に行って来い。』と言ったはずだぞ。」

「戦力も、ちょーっとだけ調べました♪ファイアとアイスの能力を持つのがいます。たいして強くはありませんでしたけど。」

「・・・では、奴らを壊滅させるのはそれほど難しくはないな?」

「いぃーえ♪もったいないぐらい強いのが1人いますよ♪」

「・・・『もったいない』?殺すのがか?それとも、敵の戦力レベルから考えて、そいつが奴らの仲間であるという状態がか?」

「・・・どちらの意味で取っても、かまいません。」

カイムは別の場所に歩いていきます。

「ホント・・・もったいない♪」


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