吸引戦隊カービィファイブ
〜VSゼロ〜
前回の荒い感じなあらすじ
はあぁ〜い♪カービィだよん。うーん・・・無理してんなー、あらすじ。ま、それはおいといて・・・ついに、ゼロとのバトルなんだよね。じゃ、ボク、がんばってきま〜す♪・・・・・・・・・ラブラブステッキだけど・・・
ゼロの目の周りに、赤い筋がいくつも現れます。そこから、無数の赤い物体が飛び出してきました。
「えいぃっ!」
カービィはゼロの攻撃をなぎ払います。しかし、攻撃範囲が狭いので、いくつかの攻撃はカービィの攻撃をかいくぐりました。
「ぅあ〜っ、いくつかなんてモンじゃない!だいぶ残ってるよ!」
「お前達は下がっていろ。」
メタナイトは、床に剣を突き立てました。
「おーっ、出たぁーっ♪竜巻ぃ〜!」
竜巻によって、半数の攻撃を防ぎきります。
「残った中の、いくつかは、ボク達にまかせて!」
くさもっちとソービィが前に出ます。
「プラズマバリアぁ!」
「こちこちブリザードぉ!」
ゼロの攻撃を大量に防ぎましたが、まだ残っています。
「ビームウィップぅ!」
「火ふきこうげきぃ!」
「うめぼっちゃん、どーして『火ふきこうげきぃ!』って言いながら、火が吹けるの?」
「そーゆー疑問は帰ってからにしてよぅ!」
「最後まで残ってた、しぶと〜ぃのは、僕達にまかせてぇ♪」
カイムとナックルジョーが、残りの攻撃を全てなぎ払いました。
「アド、お前も何かしろよ。」
「無茶言わないでよ!格闘家と同じコトが出来てたまるかっての!」
「別にゼロの攻撃を防げなんて言ってねーだろ。絵を描けって言ってんだ。」
「・・・あ、そーゆーコト・・・」
「聞こえてても、頭の中での情報処理が間に合ってねーみてーだな。」
「何ですってぇっ!?」
「アドちゃ〜ん、絵ぇ描いて、絵♪」
ナックルジョーにつかみかかろうとしているアドを、カイムが止めます。
「ねー、ナックルジョー♪護衛の約束、まだ生きてるぅ?」
「生きてねーよ。さっきの戦闘の時限りだろ?」
「じゃー、単4もぅ1箱追加っ♪アドちゃんはこれから、下書き態勢に入りま〜す♪頼むよ♪」
カイムはそう言い終わると、前衛に加わります。
「・・・アド。お前も1箱だからな。」
「ぇえ〜っ!?何よ、それぇ〜っ!」
「えいっ!」
カービィはラブラブステッキを振るいます。ステッキの先からハート形の弾丸が出てゼロに当たりました。しかし、ほとんど効いていません。
「ふぇ〜、効かないよ〜・・・」
「当ったり前じゃ〜ん、桃くん♪大きさが全然違うしー、『ゼロ様』なんだし♪」
「・・・嬉しそーに言わないでよ・・・ホントに寝返ったの・・・?」
いきなり、ゼロがあの赤い物体を飛ばしてきます。
「きゃーっ!?」
「桃くんはゼロ様に近づいて♪ゼロ様は巨大だから、近くにいれば攻撃は当たりにくくなるはずだよ♪で、安全なトコから攻撃ね♪」
「うん。カイムはどーすんの?」
「僕は『カイム』だから♪ゼロ様の攻撃に少しは耐性があるんだ♪攻撃をくい止めるから♪」
「うん、わかった。頼むね。」
カービィはゼロに向かって加速します。
「・・・カイム、お前の力で、攻撃をくい止められると思っているのか・・・?」
「んー、さっきのやつなら、少しは止められましたしー・・・何とかなるんじゃないですかー?」
「先ほどの技ならな・・・」
ゼロは後退し始めます。
「・・・あーっ!?桃くん、いったん伏せて!他のみんなは、よけてぇ!」
「えっ、何、何!?」
「この技は・・・止められまい。」
ゼロの目から、いくつもの赤い球体が放たれます。
「・・・1個くらいならっ・・・!」
カイムも前方に赤い球体を出現させました。一番近い球体とぶつかります。
ぱしんっ
カイムが出現させた赤い球体が、簡単に消し去られてしまいました。ゼロが放った赤い球体はそのまま、カイムに直撃します。
「ぅわぁっ!?」
ずがんっ
赤い球体は、カイムが壁にたたきつけられるのと同時に爆発します。
「ちょっ・・・ちょっと、モノクロ!大丈夫!?」
「・・・あ・・・アドちゃん、よけた方がいいと思うな・・・♪」
「え?」
アドのいる所は、他の赤い物体の進路方向にぴったり重なっています。
「え〜っ!?・・・・・・きゃっ!?」
アドはいきなり、後ろの襟首をつかまれ、引っ張られます。
どんっ
今までアドがいた場所に、赤い物体がぶつかります。
「ナックルジョー・・・なーいす・・・♪」
「アド、お前どーせ死ぬなら、絵を描き終わってから死ねよ。」
ナックルジョーはそう言うと、アドどいっしょに助けたキャンバスを押しつけます。
「あー・・・死ぬかと思ったぁ・・・」
「・・・さすが単4電池1箱〜・・・♪」
「そーいえば、モノクロ、大丈夫なの!?」
「うーん・・・ちょっとキつい〜・・・♪さっきから、大技ポンポン使ってるし・・・使った直後に攻撃喰らったから、回復にだいぶかかるしー・・・」
「頭から、血がだらだら出てるわよー・・・」
「ナックルジョー・・・おそろい・・・♪」
「たたきつぶすのは、帰ってからにしよーと思ってたんだがな・・・」
「・・・ごめんなさい・・・♪ところで、アドちゃん・・・何描いてんのぉ・・・?」
「はい、キャンバス。見たらわかるでしょ。あと1色なの。えーと・・・絵の具は・・・」
5秒ほど沈黙が訪れ、3人とも顔を見合わせます。
「ナッシー、絵の具はっ!?」
「何で俺が、絵の具を持ってなきゃならねーんだよ。」
「キャンバス助けたのもあんたでしょ!?絵の具は!?」
「右手でお前の襟首をつかんで、左手でキャンバスをつかんだ。それだけだ。」
「絵の具なきゃ、描けないじゃないーっ!」
「知るかよ、そんなコト。」
「知っといてよーっ!」
「ふーん・・・アドちゃん、面白いの描いてんじゃん・・・♪」
「けど、完成出来ないのよ!この中途半端男のせいでぇ〜っ!」
アドは思いっきりナックルジョーを指さしながら、叫びます。
「予備ぐらい、身につけておけよ。」
「私のせいにすんの!?」
「俺のせいとでも言いたいのか?」
「バリバリあんたのせいよーっ!」
「提案〜・・・♪」
2人はカイムを見ます。
「この絵を完成させる方法・・・考えついちゃった・・・♪」
「えいっ!えいっ!」
カービィは必死でゼロの攻撃をなぎ払います。
「カビちゃん、がんばれ〜ぃ♪」
「えーと・・・『かびくんよ まぁとりあえず がんばって』・・・こんな感じ。」
「どけ!余った攻撃が来るぞ!」
メタナイトは、剣を床に突き刺し、竜巻を発生させます。直撃コースにあった攻撃は、全て防ぎきりました。
「メタナイト、ありがと♪かびりーん、振り回して、振り回して!」
「ポポくーん、ラブラブステッキ使ってくれて、ありがとー!おかげでボク、それ使わずに済んだよー!」
「ぅわぁ、いつの間にかみんな、応援側になってるしー・・・うめぼっちは何か、違うしー・・・」
ゼロが後退し始めます。
「えーっ、またあの技ぁーっ!?」
色んな方向から、赤い球体が飛んできます。
「きゃーっ、よけきれないぃーっ!」
すると、横から、ゼロが放った赤い球体と全く同じ数の赤い球体が飛んできます。それらは、空中で相殺しあいました。
「ふぇ・・・?・・・・・・・・・えーっ!?」
カービィの横に、ゼロがいます。
「何で、ゼロがもう1人・・・てゆーか、1球いるのーっ!?」
「そいつは私が描いたやつよ!」
アドがキャンバスを抱え、勝ち誇った顔で立っています。
「体当たりしちゃえぇーっ♪」
アドの描いたゼロが、本物のゼロに体当たりします。カービィはこの隙に、アドの所までおりてきました。
「絵に描いた奴なのに・・・強いね・・・」
「あのゼロ様の目の赤は・・・僕の血なのー・・・♪」
カイムは床に倒れたまま、カービィに話しかけます。
「・・・血ぃ!?」
「絵の具がなかったからね・・・同じ赤色ってコトで、僕の血を代用したの・・・・・・でも、普通の絵の具で描いたゼロ様より、あのゼロ様の方が強いよ・・・僕の体の成分のいくつかは、ゼロ様と同じだからね・・・」
「・・・ふえぇー・・・」
「それより、カーくん。さっさとゼロ倒しちゃってよ!」
「えー・・・だって、無茶苦茶強いんだよー・・・アドちゃんが描いたゼロにまかせちゃえば?」
「桃くん・・・いくらアドちゃんが描いたゼロ様が強いっていってもね・・・輪郭とかの部分は、所詮絵の具なんだから・・・かなうわけないでしょ・・・」
「えー・・・じゃ、どーすんのー・・・」
「カーくん、『らぶらぶーっ』って言うのよ。」
「・・・はィ?」
「だから、『らぶらぶーっ』って。」
「・・・何で・・・?」
「そー言わないと、ラブラブステッキの真の威力は発揮されないのよ。」
「はぁーっ!?何その、いかにもって感じの設定はーっ!」
「カビちゃん、『らぶらぶーっ』だよ、『らぶらぶーっ』!」
「・・・キービィ・・・」
「かびくん、『らぶらぶーっ』って言いなよ。」
「・・・くさもっち・・・」
カービィの顔の端に、青筋が浮かんできます。
「かびりん、たった一言だよ。『らぶらぶーっ』って言うだけだよ。」
「・・・ソービィ・・・っ・・・」
声が震えてきます。
「ポポくん、れっつ・せい・『らぶらぶーっ』♪」
がづんっ
カービィはラブラブステッキでうめぼっちの頭を殴りつけます。
「楽しんでるだろぅ、うめぼっちぃぃっ!このっ、このっ、このぉっ!」
「いたっ、いたっ、いたたぁっ!ポポくん何で、ボクだけ殴るのぉ!?」
「だまれぇぃっ!このっ、このっ!」
「カービィ、落ち着け。」
メタナイトが、カービィを止めようとします。
「いいよねーっ、完全無欠でかっこいいキャラはーっ!」
「違うよ、カビちゃん。メタナイト、カビちゃんと同じ顔だもん。」
「それを言うな!」
「かびりん、どーしてもイヤなら、最終兵器出すよ!」
「最終兵器ぃ?」
「ジョー、頼みます。」
「え゛っ・・・!」
ナックルジョーは肉切り包丁を研いでいます。そして、振り向かずに言いました。
「・・・かつらむきと蛇腹切り・・・どっちがいいんだ・・・?」
「ボク、言うよ。」
「やったぁーっ♪」
「喜ばないでよ・・・・・・!」
「じゃ、かびくん、いってらっしゃ〜い♪」
「嬉しそうに言わないでよ!」
カービィはゼロに向かって、ゆっくりと飛びます。ゼロは、アドの描いたゼロをなぎ払いました。カービィは一気に加速して、ゼロが体勢を整わす前に眼前に出ました。そして、ゼロに向かってラブラブステッキを構えます。
「・・・・・・らぶらぶーっ!」
カービィの背中には、どこか哀愁が漂っていました。