吸引戦隊カービィファイブ
〜みなさん、お疲れさまでしたー♪〜

 

前回の荒っぽかったあらすじ

・・・カービィだよ。あのね、ゼロと戦ったの・・・。でもね、普通にラブラブステッキを使ったんじゃ、勝てなかったんだよね。でね・・・・・・・・・いいよ、もぅ。どーせボクは、そーゆーキャラなんだしー。ジョーやメタナイトみたいに、かっこよく決められないもん・・・。

隊長、投げやりモードに入っています。

 


ラブラブステッキが光り輝きます。どんな光景かは、読む方の想像におまかせします。

「おーっ、何かすごーい!」

「でも、ほしりん、あれはラブラブステッキなんだよ。」

「えーと・・・『暗闇に 光を放つ ステッキや』・・・こんな感じ。」

「アサフォティダの香りみたいー♪」

各自、色々な感想を飛ばしています。

「カーくん、かっこいぃーっ♪」

「アドの奴、本気で言ってんのか?」

「まぁ・・・個人によって価値観は違うしー♪」

「メタナイト、がんばってよ。」

「何だ、いきなり!」

「帰ったら、かびりんと決着つけるんでしょ?ラスボス戦で、『らぶらぶーっ』なんて叫んだ餅みたいな奴に負けたら、一生立ち直れないよ。」

「お前よく、仲間をそんな風に言えるな・・・」

「ねぇねぇ、みんなぁ!見てよ!」

キービィがゼロを指さします。ゼロの白い体が砕け散りました。残った赤い目玉も、四散します。

「・・・やったぁーっ!勝ったよ、勝ったぁーっ!」

「やったね、ポポくん!」

「・・・あぁ、そぅ・・・」

「このコトは、ずー・・・っと語り継がれるんじゃないかな。特にセリフ。」

「あーっ、もぅーっ!イヤぁ〜っ!」

カービィはその場に突っ伏します。

「んー♪やぁっと回復したかなー♪・・・さて、桃くん♪逃げよ♪」

「・・・ぇぇえっ!?」

「何驚いてんのぉ?」

「いや、だって・・・逃げるって・・・」

「妙な意味に取らないでよ♪そのままの意味だよ♪」

「あ、なんだ・・・あー、びっくりしたぁ・・・」

「まぁ、別の意味の方でもいいケドさー♪でもー、どーせならナックルジョーとがいいなー♪」

「線路の中に放り込んでやる。」

「冗談、冗談、冗談だって!」

「で、モノクロ。何で逃げるの?ボス倒したじゃない。」

「あのね、ここはハイパーゾーンなんだってばぁ♪ハイパーゾーンは、ゼロ様の力でこの状態を保っていたんだ♪よって、ゼロ様がいなくなると・・・」

カイムはさっきまでゼロがいた所・・・ハイパーゾーンの中心部を見ます。そこは、水が蒸発する様に消滅していっています。

「ゼロがいなくなると・・・つまり・・・」

「早く逃げないと、上空に放り出されるよ♪」

「ぇえーっ!?そーゆーコトは早く言ってよ!」

全員、ハイパーゾーンの外へ向かって走り出します。

「ぅわーっ、後ろの方、ほとんど消えてるぅ!」

「ほらほらー♪早く走って♪」

「かびりん!前の方も消えかかってるよ!」

「あ、ハルバード。」

「みんなぁ、端に着いたら、ハルバードに向かってジャンプだよ!」

みんなは端を蹴ってハルバードに飛び移ります。しかし、とても届きません。

「ぃやーっ、落ちるーっ!」

「よいしょお!」

カービィはキービィの右手をつかみます。

「このステッキ、便利だなー。ホバリングしなくてもいいんだから。」

「ありがと、カビちゃん。他のみんなは?」

「カービィ、緑の奴と赤い奴は助けておいたぞ。」

メタナイトは両手にくさもっちとうめぼっちをぶら下げています。メタナイトの背中から、翼がはえています。

「おーっ♪飛行メタナイト〜♪」

「桃く〜ん♪ナックルジョーとアドちゃんも大丈夫〜♪」

カイムは、ナックルジョーとアドの腕をつかんで支えています。

「カーくん、ソーくんもおっけーよ!」

アドは両手でソービィを抱えています。

「メタナイト様ぁ〜!」

ハルバードの甲板に、メスナイトが出てきます。

「みんなも、これにつかまるダスぅ!」

メスナイトはそう言うと、鎖付きの鉄球を投げてきます。

「ぅあーっ!?」

全員、なぎ払われないように鎖にしがみつきます。

「メスナイトぉ、下手すりゃ、死ぬじゃないーっ!」

「あっ、ハイパーゾーンを見るダス!」

ハイパーゾーンが少しずつ小さくなっていきます。そして、爆発します。風の流れなど比べ物のならないくらいの爆風が押し寄せてきました。ハルバードが大きく傾きます。

「あーっ、ステッキ落としたぁ!」

「ぅわっ!?」

「きゃぁぁっ!?」

「目つき悪いのが2人振り落とされたぁ!」

「ああ、あの2人なら、大丈夫よ。高度1万メートルから落としても、死なないわよ。」

「カービィ、これでいいのか!?ほとんど心配されてないぞ!」

「いいの、いいの。ホント、大丈夫。カイムは飛べるし、ジョーは『ジョー』だし。」

「かびくん、それより登ろ。鎖にしがみついたまんまじゃ、ボクらも振り落とされるよ。」

「でも、こんなに揺れてたら、登れないよぅ・・・」

「かびりん、ここはボク達『冷暖コンビ』にまかせて!」

「メタナイト、ハルバードに傷がつくけど、許してね。」

うめぼっちはそう言うと、ハルバードの側面に向かって火ふきこうげきをします。火ふきこうげきされた所が赤くなっています。

「メスナイトぉ、鉄球をあの熱くなってる部分にぶつけて!」

「わ・・・わかったダス!」

「みんな、しがみついててよぉ!」

鉄球が、ハルバードの側面に激突します。側面は、熱せられて柔らかくなっているので、鉄球と鎖がめりこみました。

「こちこち吐息ぃ!」

くっついた部分をソービィが冷やします。一瞬にして、鉄球と鎖がハルバードの側面に固定されました。

「さーみんな、登って、登って!」

「・・・カービィ、後で何とかするんだろうな・・・」

「に・・・にらまないでよ、メタナイト・・・」

 

「ハルバードの状況は!?」

「先ほどの爆風で主翼と方向舵がやられました!飛べますが、方向転換は無理です!」

「進路方向は!?」

「サンドキャニオンの予定でしたが・・・・・・・・・このままだと、リップルフィールドです!」

「・・・ねぇ、メタナイト。それってつまり・・・」

「このままだと・・・・・・海に突っ込む。」

「ぅあーっ、お約束ぅーっ!」

「出来るだけ、失速しろ!」

「では、失速のため、これから胴体着陸します!」

「みなさぁん、伏せて下さぁい!」

どごぉぉんっ

着陸の瞬間、凄まじい衝撃が走ります。

「きゃーっ!?」

「どうだ!?」

「失速できましたが・・・まだダメです!」

ハルバードはそこら辺の木々をなぎ倒しながら進んでいきます。リップルフィールドが見えてきました。

「いやーっ、海は好きだけど、今は嫌いぃーっ!」

「あっ、外、外!」

くさもっちが窓から外を指さします。

「あーっ、ジョーとカイムだぁ!」

「ほら、やっぱり生きてるじゃない。」

「2人とも、走ってハルバードに追いついてるよ・・・無茶苦茶だなぁ・・・」

ナックルジョーとカイムは一気に加速し、ハルバードの船首の前に出ます。

「このぉ!」

「よいしょお!」

2人で、ハルバードを押さえます。

「えーっ、んな無茶なぁぁ!」

「失速出来ました!」

「ぅそぉぉっ!」

「・・・ですが、まだ足りません!このままだと、やはり海に突っ込みます!」

「前方に、山です!」

「きゃーっ!?」

どかんっ

ハルバードは山の一角を砕きました。ナックルジョーとカイムの上に、大量の土砂がバラバラと降り注ぎます。

「やーん、土だらけぇ・・・ね、ナックルジョー、しりとりする?」

「てめー、状況わかってんのか!?」

「か・・・カラス♪」

「捨てるぞ、ゴミ捨て場に!」

「ニワトリ♪」

がづんっ

ナックルジョーのかかと落としが、カイムの頭にクリーンヒットしました。

 

海が、目の前いっぱいに広がっています。

「みんな沈んじゃうよーっ!」

「少なくとも、外にいるナッシーとモノクロは、海に落ちても大丈夫ね。・・・腹立つぅー・・・こーゆー時は女の子が助かるべきなのに・・・」

「ジョーは大丈夫じゃないよ。」

「え、何で?」

「泳げないもん。」

「・・・・・・え?」

「元敵キャラだもん。敵キャラは、水に入ったら、死んじゃうでしょ。ジョーをヘルパーにしたのは、1年くらい前だから・・・小さい頃に、水泳の練習なんか出来てないよ。ヘルパーにしてからだって、泳いでる姿、見たコトないし。」

「・・・・・・今、そーゆー意外な弱点を教えられても困るんだけど・・・」

「海に突っ込みます!」

「やだぁぁーっ!」

「やったね、カビちゃん!『メタナイトの逆襲』クリアだよ!」

「何ぃ!?カービィ!そんなのは、断じて許さんぞ!」

「・・・ぁあ・・・もぅ、何が何だか・・・」

すると、横から「ごごごご・・・」という音が響いてきました。

「あ・・・あの音は・・・」

「ぐぅ〜いぃ〜!」

グーイです。

「ぅわっ、グーイ!あーゆー鳴き声だったのか!」

「てゆーか、壊れてたんじゃ・・・」

「私のおかげよ!ハイパーゾーンに行く前に、『自己修復機能』をつけてきたの!」

「ぐぅ〜いぃ〜!」

グーイは舌を伸ばし、ハルバードを一のみにしてしまいました。ハルバードがあった場所には、ナックルジョーとカイムが残っています。

「・・・全員、ビン詰めか?」

「あーっ、最初の文字が『リ』じゃないよ!僕、『ニワトリ』って言ったのに!」

「てめー、まだしりとりしてたのか・・・」

グーイはしばらくモゴモゴと口を動かした後、ハルバードを海と逆方向に吐き出します。ハルバードは数十メートルほど地面を削りながら進み、斜めに傾いて止まりました。

「・・・た・・・助かった・・・」

 

みんなは、ゆっくりとハルバードから出てきます。

「はー・・・死ぬかと思った・・・」

ナックルジョーとカイムが走ってきます。

「あ、ありがとー♪ハルバードを押さえてくれて・・・」

「俺のゲームボーイカラー!」

ナックルジョーは入り口にいるカービィを押しのけると、船内に飛び込んでいきました。

「・・・あ、そーゆーコト・・・そーだよなー・・・溺れるリスク背負って、他人を助けるよーなキャラじゃないもんなぁ・・・」

「ゲームボーイ、持ってきてたんだ・・・そーいえば、ハイパーゾーンに行く最中に、ゲームボーイしてたよーな・・・」

「カビちゃん、気楽だと思わない?戦闘前にゲームだよ、ゲーム。」

「・・・ビーフカレー作ろーとしてたのは、どこの誰さ・・・」

「あ、それはボクも反省してる。『勝つ』と『カツ』を掛けて、カツカレーにするべきだったかなーって・・・」

「誰も俺のゲームボーイカラーに触ってねーだろーな。」

ナックルジョーがハルバードの中から出てきます。

「あ、大丈夫、大丈夫!触ってない、ない、ない!」

「めでたしっ・・・て感じだね。じゃ、メタナイト、ありがとねーっ♪」

カービィ達は、森の中へ消えていきました。

「・・・あのー、メタナイト様。決着、ごまかされたんじゃないですか?」

「・・・っ!カービィ!カービィーっ!」

 

「ふー、逃げおおせたな。」

「かびくん、キャラが何か変・・・」

「じゃ、桃くん達、ここでバイバイね♪」

「は?何で?」

「僕、これからちょっと、宇宙に行くから♪」

「えーっ、どーゆー理由でっ!?」

「この星に来る前にもね、他の星をいくつか侵略してきたんだ♪で、侵略した星々には、管理の役を担ったダークマターが何匹かずついるの♪そいつらを食べてまわろーと思って♪」

「・・・食べ・・・あ、でも・・・イイ言い方したら、侵略された星を解放するんでしょ?」

「そんなつもりはないよ♪ホントに食べてまわるダケ♪その後のコトは、知らないも〜ん♪」

「じゃ、食い倒れの旅だね。」

「ナックルジョー、寂しくなるね♪」

「お前だけがな。それより、単4電池を2箱よこせ。」

「桃くんが代わりに払うから♪」

「えーっ!?」

「じゃあ・・・ね♪」

カイムは、空の彼方へ飛んでいってしまいました。

「餅、払えよ。」

「冗談じゃないよぉーっ!」

「ポポくん、あっちでさ、何かあったみたいだよ!」

「食い逃げだって。」

「よぉし、行くぞ、みんな!グーイでとっつかまえるよ!」

「カーくん、食い逃げ1人に、グーイ使うの?」

「ボクらはね、相手が巨大化してからロボット呼ぶよーな戦隊とは違うんだよ。どんな相手にも実力行使!」

「でも、カビちゃん、ちょっとひどいよーな感じがするなぁ・・・」

「カレーの食い逃げかもよ。」

「行くよ、みんな!何ぼさってんのさ!そんな極悪人をほっといていいと思ってんのぉ!?」

キービィはカービィを引きずりながら、グーイに向かって走り出しました。

「いたたっ、キービィ、引きずらないでぇ!」

5人とも、グーイの中へ入っていってしまいました。

「・・・じゃ、俺は帰るからな。つき合ってられるか。」

「私も・・・」

カービィ達は、自分の席に座ります。カービィが元気よく言いました。

「行くよ、カービィファイブ出動だぁ!」


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