吸引戦隊カービィファイブ
〜お空から、こんにちは〜

 


ゼロを倒してから、数ヶ月が経ちました。ある夜、カービィ達7人は、草原に集まって星を眺めていました。

「あの星、金平糖みたいでおいしそー♪」

「ねぇ、くさもっちゃん。ボク、あの方向に『スパイス銀河』があるよーな気がしてならないんだ・・・」

「あ、そぅ。うーん・・・『お星様 変われよみんな アメ玉に』・・・こんな感じ。」

「あっ、流れ星!出番が増えますよーに、出番が増えますよーに、出番が増えますよーにぃぃっ!」

「何ムキになってんの?ほしりん。」

「非科学的だな。」

「流れ星なんかじゃ、お願いは叶わないわよ〜。」

「いいよねーっ、余裕で出番と人気があるキャラはーっ!・・・・・・ボクもさ、5ポイント一気につぎ込んでもらったり、ハンドルネームに使われたりするキャラになりたいなー・・・」

うめぼっちは、視線を地面に向けます。

「あ、ほしりん、また流れ星だよ。」

「ボクの人気が出ますよーに、ボクの人気が出ますよーに、ボクの人気が出ますよーにぃぃっ!」

「うめぼっちゃん、あっちにも流れ星。」

「投票ではせめて前よりいい結果になりますよーに、投票ではせめて前よりいいけっ・・・・・・げほげほっ、むせちゃっ・・・・・・けほっ!」

「ほしりん、大丈夫?」

「・・・あ、めぼくん、あっちにも流れ星。」

「・・・・・・何か今日、流れ星が多くない?」

がこぉんっ

「ぁいったーっ!?」

カービィがいきなり、頭でガリガリと地面を削りながら、1メートルほど前へ進みました。

「カビちゃん、なーいすヘッドスライディング!」

「違うのぉ!何かがボクの頭に『がこぉんっ』てぶつかったのぉ!」

ざくぅっ

「ぁだーっ!?」

今度はカービィの頭に何かが刺さります。

「わー、カビちゃん、きれぃ〜♪キラキラ光ってるよ、コレ。」

「・・・ボク、痛い。」

「うーん・・・『球体に 輝くモノが 刺さりけり』・・・こんな感じ。」

「詠んでんじゃないっ!そろそろ季語を使ったら!?」

カービィはキービィに、頭に刺さったモノを引き抜いてもらいました。

「あー、痛かった・・・そーいえば、何がボクの頭にぶつかったんだろ?」

カービィは辺りを見回します。

「・・・・・・む?」

カービィ達から少し離れたところに、小さな女の子が倒れ込んでいます。カービィはそろそろと近寄りました。

「・・・ねぇねぇ。」

カービィはその子の肩をポンポンと叩きます。

「きゃっ!」

「ぅわぁっ!?」

「あっ・・・あの!」

「は・・・はい・・・」

「私、リボンと言います!」

「あ、どぅも。ボクはカービィだよ。」

「助けて下さい!」

リボンと名乗った女の子は、「べしん」と音を立て、カービィに抱きつきました。

「きゃーっ!?・・・い・・・いや、あのね・・・ボクはね・・・」

「あ、カビちゃん、顔がうめぼっちゃんみたいな色。」

「んなっ・・・」

アドの顔が引きつります。

「お願いします!助けて下さい!」

「あ・・・あのだからね、ボクはね・・・まずは手をつなぐコトから始めたほーがいいかと・・・」

がづんっ

アドが筆で、カービィの頭を殴りつけます。

「ぃったーっ!?アドちゃん、何すんのぉ!?」

「カーくんこそ、何を口走ってんのよぉ!」

「あ・・・あの・・・」

リボンが遠慮深そうに話しかけます。

「た・・・助けて欲しいんですけど・・・ダメですか?・・・・・・ダメですよね・・・見ず知らずですから・・・」

カービィはリボンの顔をまじまじと見ます。

「あ・・・あの・・・私の顔に、何か変なトコ、あるんですか?」

「・・・・・・かわいぃー♪」

がこんっ

再び、カービィの頭にアドの筆がやって来ます。

「ぃたっ!アドちゃん、何で叩くのぉ!?」

「何が『・・・・・・かわいぃー♪』よ!カーくん、私と初めて会ったとき、そーゆー反応してくれた!?握手して、『よろしくねー♪』だけだったでしょーっ!」

アドはカービィの両足をつかむと、上下にぶんぶん振り回します。

「やめてっ、やめてっ、アドちゃーんっ!気持ち悪いっ!酔う〜っ!」

「まぁ、あっちはほっといて・・・えーと、リボンちゃんだっけ。何があったの?」

「あの・・・私の故郷の星・・・リップルスターという星なんですけど・・・何者かに侵略されそうなんです!」

「えっ、珍しい。大抵の奴はここ、ポップスターを狙ってくるのに。」

「おそらく・・・このクリスタルを狙ってきたんです。」

リボンはそう言うと、抱えていたクリスタルを差し出します。

「・・・あっ、小さい!?・・・きっと・・・追っ手に追いつかれた時に砕けて・・・」

「あ・・・あのさ、順を追って話してくれる?」

「は・・・はい。ある日、空を見上げると、リップルスターが黒い雲に覆われようとしていたんです。」

「くっ・・・黒い雲ぉ!?」

「えっ・・・私、何か、悪いコト言いました?」

「い・・・いや、全然・・・それで?」

「このままだと、星全体が覆われて・・・脱出が不可能になってしまうので、私がクリスタルを抱えてリップルスターから逃げだしたんです。でも・・・敵に見つかって・・・追いつかれて・・・クリスタルは粉々に・・・」

「クリスタルってコレー?」

キービィがカービィの頭から引っこ抜いたモノをリボンに渡します。

「あっ、そうです!ありがとうございます!・・・えーと・・・」

「ボクの名前はね、キービィだよ。『カレーマスター』って呼んでもいいよ。」

「か・・・カレーマスター・・・ですか?」

「リボンちゃん、ほっといて。きびりんのコトは『キービィ』でいいから。」

「キービィさん、ありがとうございます!」

「でも、刺さってたのは、カビちゃんの頭だから。」

カービィはまだ、アドに引きずり回されています。

「カービィさんも、ありがとうございます!」

「ど・・・どーいた・・・・・・しましてー・・・アドちゃん、離してぇっ!」

「えいっ!」

カービィは、アドに地面に叩きつけられました。何にせよ、離してもらった事にはかわりありません。

「じゃ、クリスタルも見つかったし、一件落着だね。あとは雲さえ払えば・・・」

「あ・・・いえ・・・全然・・・」

「ふぇ?何で?」

「これだけじゃないんです。もっともっとたくさんに砕け散ってしまったんです・・・おそらく・・・この星以外の星にも散らばっていると思います・・・」

「えーっ!?」

「まかせてぇっ、リボンちゃん!」

カービィが自信満々に言います。

「ボクらが全部、完璧に集めてあげるからぁ!」

「ホントですか!?」

「・・・ねぇ、ポポくん・・・ボク『ら』・・・?」

「当たり前じゃん。カービィファイブの出番だぞぅ!」

「・・・『出番』っ!?・・・ポポくん、ボク、リボンちゃん助けるコトに賛成!・・・やっぱ、流れ星はホントだったんだ・・・♪」

うめぼっちは夜空を満面の笑みで見上げます。

「かびくん、ボク達もおっけーだよ。たまには海外派遣ボランティアもしなきゃね。」

「海外じゃないけどね・・・アドちゃんも、もちろん・・・」

「勝手に助けてあげれば!?」

「・・・・・・あれ?反応が冷たい・・・何かあったの?」

「自分で考えなさいよーっ!・・・・・・・・・行くわよ、ナッシー。」

「何で俺を巻き込むんだ。」

「うるっさいわねーっ、黙ってついてくりゃいいのよーっ!」

アドはナックルジョーの髪をつかむと、無理矢理引きずっていきます。

「いてーっ!髪を引っ張るな、髪を!」

「わかったわよ!」

アドは髪を離すと、ハチマキの端をつかみます。

「大して変わんねーじゃねーかっ!」

「カーくんのバカーっ!」

アドはナックルジョーを引っ張りながら、森の方へ行ってしまいました。

「・・・ボク、何かしたぁ?」

「・・・うーん・・・何て言おう・・・」

「あ・・・あの・・・みなさん・・・」

「何?リボンちゃん。」

「あちらの方に・・・クリスタルがあるみたいなんです・・・ほら。」

リボンは言った方向にクリスタルのかけらを向けます。クリスタルの輝きが強くなりました。

「おー、やっぱりな・・・な設定。」

「よーし、みんな、行くよぉ!『星のカービィ64編』突入だぁ!」


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