吸引戦隊カービィファイブ
〜VSワドルディ〜
前回の副隊長的なあらすじ
やっほーぃ♪キービィだよん。・・・あらすじをしゃべるんだよね?えーとね、ボクらは早速、クリスタルを集めに行ったんだ。でね、ワドルディに会ったの。でも、ワドルディは敵のダーク・リムルに乗っ取られちゃったんだ。で、戦闘開始っ・・・てコト。よーし、ボクもスパイシー君とインディア君で、がんばるぞぅ〜!
「体当たりっスー!」
ワドルディはカービィ達めがけて突進してきます。
「きゃあ!」
カービィ達は、ひょいとかわします。
「君の体当たりなんか、当たらないもんねー!」
「じゃあ、ジャンプっスー!」
ワドルディは小さく2回ジャンプし、その後、大きく跳び上がりました。そして、カービィに向かって急降下します。
「喰らえっスー!」
「よっ、と。」
カービィは軽くかわします。
どがんっ
ワドルディは思い切り地面にぶつかりました。
「いっ・・・痛いっス・・・」
「まぁ、そりゃそーだろーねー・・・」
「無駄なコトはやめろ、ワドルディ!君は完全に包囲されている・・・・・・じゃなくて、君は完全に攻撃を読まれてるんだよ。」
「体当たり系の攻撃じゃ、ボクらには勝てないね。」
「体当たり以外もあるっスよーっ!」
ワドルディは近くの草を引っ張り抜きます。その草の下には、ジャック・オー・ランタンの様なかぼちゃがついていました。
「それぃっスー!」
ワドルディは、そのかぼちゃを投げてきました。
ばこんっ
かぼちゃは、カービィの顔にクリーンヒットします。
「いったーっ!何、その攻撃!ゲーム中では、なかったじゃない!」
「ふっふっふ・・・確かに、現在売られているソフトには、こーゆー攻撃ないっス。これは、『NINTENDO スペースワールド’99』に出典されてたソフトの中にあった攻撃っス。・・・・・・はっはっはー、どぉっスかーっ!」
ばき
キービィがスパイシー君でワドルディの頭を殴ります。
「痛っ・・・ス。」
「別に・・・大して強くなったわけでもないね。かぼちゃ投げるだけじゃない。」
「・・・キービィさん、それは言わないで欲しいっス・・・」
「じゃ、さっさとかたをつけちゃおうか。・・・えいっ!」
くさもっちは、ソービィが使っていた釣り竿を構えると、釣り糸をワドルディに巻き付けます。
「ぅわっ、わあっ、何するんスかっ!?」
「そぉーれぇーいっ!」
「わーっ!?」
くさもっちは一本背負いの要領で、ワドルディを振り上げます。
ばしゃぁんっ
ワドルディは、川底に叩きつけられました。
「・・・・・・・・・痛いっスー!」
川の中から、ワドルディが飛び出してきます。
「川底の砂がっ・・・目ん中に入ったっスー!」
ワドルディは、そこら辺を走り回ります。
「バーニング+ボムぅ!」
うめぼっちが、ワドルディのそばでバーニング+ボムを使います。
「熱いっスー!・・・だっ・・・・・・ダウンっ・・・ス・・・」
ばたっ
ワドルディはその場に突っ伏しました。ワドルディの頭から、黒いもやが出てきます。
「かびりん達ー、おまたせーっ!」
ソービィとグーイです。グーイは舌を伸ばし、ダーク・リムルを飲み込んでしまいました。
「やったー♪倒したぞーっ♪」
「はい、リボンちゃん。クリスタル。」
「ありがとうございます、皆さん!」
「・・・ん?あれ・・・オイラ、何してたんっスか・・・?」
「大丈夫?ワドルディ。」
「何か、目や頭が痛いっス・・・・・・何スか、この釣り糸。」
「き・・・気にしないで。しょうがなかったの。」
「あ・・・あの・・・カービィさん、あの森の方から、クリスタルの反応があるんですけど・・・」
「ホント?じゃ、行くぞー!」
「森に行くんスか?カービィさん。」
「うん。」
「じゃ、オイラもいくっス。あそこにあるロープウェイはオイラじゃないと、動かせられないっス。」
「え、いっしょに来てくれるの?ありがと♪」
こうして、ワドルディが仲間になりました。
カービィ達が森に向かいだした頃、アドは湖のほとりの切り株の上で、絵を描いていました。
「カーくんの・・・・・・・・・バカっ、バカっ、バカぁーっ!」
筆を叩きつける様にして描いています。
「新しいキャラが出ただけで、すーぐそっちの方に目がいっちゃってぇー・・・紅一点の私の立場はどーなんのよっ!」
ナックルジョーは近くの他の切り株の上に仰向けに寝転がり、ぼんやりと空を見ています。
「ちょっと、ナッシー!聞いてんのっ!?」
アドは、ナックルジョーのハチマキをつかみ、引っ張り寄せます。
「お前、ほとんど酔っぱらいのオヤジ状態じゃねーか?」
「聞いてんのかって言ってのよーっ!」
「聞いてる(聞き流してる)。」
「・・・そぅ・・・」
「大体、何で俺を巻き込むんだ。」
「だって、あの子に興味なさそーだったんだもん。」
「興味『なさそー』じゃなくて、『ない』だ。・・・興味なさそーな奴なら、カレーだってそーじゃねーか。」
「キーくんね・・・とりあえず、あの時ナッシーが一番近くに座っていたから。」
「遠くに座ってりゃ、よかったぜ・・・いや、お前が遠くに座っていればよかったんだ。」
「私の話を聞くのがイヤなのー!?」
「イヤに決まってんだろ。」
「・・・・・・はー・・・もーちょっと普通の奴を連れてくればよかった・・・」
「勝手に連れてきて、そーゆーコトを言うな。」
アドは、さっきとうってかわって、ノロノロと絵を描き始めます。
「・・・ねぇ、ナッシー・・・」
「何だよ。」
「私ってさー・・・紅一点としての魅力、ない?」
「紅一点の魅力って、具体的にはどーゆーモノだよ。」
「・・・うーん・・・例えばねー・・・ぱっと見て、『かわいいー♪』と思ってもらえるよーな・・・」
「あー・・・ないな。」
「何ですってぇっ!?」
アドはナックルジョーの襟首につかみかかりました。
「あのなー・・・『ある』か『ない』か聞かれて『ない』と言っただけで、何で怒られなきゃならねーんだよ。」
「こーゆー時には、ウソだろーと何だろーと、『ある』って言うのが常識でしょーっ!?」
「その場しのぎのウソに浸ってると、後でとんでもねー目に遭うぜ。痛み止めを使って、怪我をほっておくよーなモンだ。そこの湖にでも飛び込んで、頭を冷やせ。」
「・・・むー・・・」
アドは、両腕の力を弱めます。
「わかったな?・・・わからなかったら、重傷だな。」
「わかったわよー!」
「じゃ、さっさとその手を離せ。」
ナックルジョーは襟首から、アドの両手を払いのけ、また切り株に寝転がります。アドは、切り株にぺたんと座り込みました。
「・・・はー・・・ねぇ、ホントに魅力ないの?」
「ない。・・・つーか、俺に聞くな。」
「あ、そっか。・・・そーよねー・・・他人に干渉しないよーな奴に聞くのが間違いだったのよねー・・・よーし、絵を描こー♪」
アドは、切り株の上に立ち、キャンバスの方に振り返ります。
「・・・あれ?」
キャンバスに、大きな黒いシミが出来ています。
「さっきまではなかったのに・・・何コレ・・・・・・キャ!?」
いきなり、キャンバスから黒い球体が飛び出してきました。アドは、地面に仰向けに倒れ込みます。
「いったー・・・きゃぁぁっ!?」
黒い球体が向かってきます。よける暇がなかったので、アドは両腕を前に突き出し、ガードしました。しかし、黒い球体はジリジリと押してきます。
「・・・おっ・・・重い〜・・・・・・何で私に・・・」
アドは切り株のふちに目をやります。クリスタルのかけらが、転がっていました。
「あ・・・あれのせい・・・?・・・・・・ナッシー!」
「何だよ。」
ナックルジョーは、切り株の上からアドを見下ろします。
「ナッシー・・・助けてぇ!」
アドは、ナックルジョーに向かって、片手を伸ばします。
「・・・イヤだね。」
「・・・はぁ!?」
「クラウディパークのボスなんだろ?自分のコトぐらい、自分で助けてみろよ。」
「・・・なっ・・・こーゆー時にそーゆーコトを言ってんじゃ・・・きゃあっ!?」
黒い球体はアドのガードをかいくぐり、アドに乗り移ってしまいました。アドは、そのままそこに倒れています。
「あ〜・・・アドちゃ〜んー!」
カービィ達が向こうから走ってきました。
「あれ?アドちゃん、倒れてる。・・・ねぇ、ジョー。何があったのぉ?」
「とりあえず、覚悟しておいた方がいいんじゃねーか?」
「・・・か・・・覚悟・・・・・・?」
その時、アドが上半身を起こしました。
「あっ、アドちゃん。ねぇ、何があったのさぁ。」
「・・・カーくんなんかぁ・・・」
「・・・・・・ふぇぇ?」
「カービィさん!追っ手の気配がアドさんから・・・」
「えぇーっ!?また乗り移られぇーっ!?」
「カーくんなんか・・・・・・だいっ嫌いよぉーっ!」
アドは立ち上がるのと同時に、目を見開きました。
「ぃやーっ!?アドちゃん、目つき悪ぅーっ!怖いよぉーっ!」
カービィは180度反転すると、今来た道を戻りだします。ナックルジョーは切り株のふちを蹴って跳び、カービィを踏みつけ、着地しました。
「ぐえっ!」
「おい、餅。来たからには、ちゃんと戦っていけよ。」
「わ・・・わかったから・・・どいて・・・」
「・・・『どいて下さい』・・・だろ?」