吸引戦隊カービィファイブ
〜(言うほど大層なモンじゃないけど)時間差小説〜

 

前回のアドバイザー的なあらすじ

・・・・・・何だ?今回は俺があらすじをしゃべるのか?・・・・・・めんどくせーなー・・・前回を読め。イヤだとは言わせねーからな。

やはり、彼にあらすじをまかせるべきではなかった。

 


アドがぐちぐち言いながら絵を描いていた頃、カービィ達は森の中に突入していました。

「ここはいつでも、秋っぽいなぁ。」

「え?飽きっぽい?」

「違うよ。秋っぽいの。『ふぉーる』だよ、『ふぉーる』。」

「落ちるんスね。」

「・・・わかんない人には、思いっきりわかんないと思うよ・・・」

「カービィさん。これからは国際的でないと、いけないっス。」

「無理だね。書いてる本人、英語がダメだもの。・・・何の話なんだよぅ!」

「話ずらしたのは、オイラ1人の責任じゃないっスよーっ!」

「あ、モグラだ。」

地面から、ヒョコが出てきました。

「もっ・・・モグラカレーってあるかな?」

「作ればあるんじゃないの?」

「それより、モグラの味ってどんなのかなー?」

カービィ達は、ジリジリとヒョコを取り囲みます。ただならぬ気配を感じたヒョコは、そそくさと地中に戻っていってしまいました。

「あっ、モグちゃん!待って!カレーの具になって!」

「言われて待つバカはいないよね。」

「さっさと、進もーよー・・・」

カービィ達は、サクサクと道を進んでいきます。

「リボンちゃーん、クリスタルってどの辺?」

「あ・・・あの木の方です。」

リボンが指さす方向に、ひときわ大きい木があります。その木の根本には、小さな入り口が1つありました。

「ここ?」

「あ・・・はい。この木です。」

カービィ達はぞろぞろと木の中に入っていきました。

 

カービィは真上を見上げて言いました。

「ぅわー・・・上まで空洞だー・・・」

「ここを登るの?」

「はい。登って下さい。」

「よいしょ。」

「よいしょ。」

「よいしょ。」

「よいしょ。」

「よいしょ。」

「よいしょっス。」

全員が一斉に同じ足場に群がります。

「ちょっと、どいてよ〜。狭いじゃない〜。」

「そっちこそどいて〜。」

「痛いっス!誰かが、オイラの手を踏んでるっス!」

「やだーっ、暑苦しい〜っ!」

「暑いの?・・・こちこちブリザードぉ!」

「ぅあーっ!?寒いーっ!」

「どっちなのさ。」

「痛いっスー!」

「あ・・・あの・・・みなさん・・・」

「何?リボンちゃん。」

「順番に登ったら、よろしいんじゃないですか・・・?」

「そっか。」

全員、足場から降りました。

「・・・・・・・・・・・・・・・誰か登ってよ。」

「カビちゃん、登りなよ。」

「きびくんこそ、登ったら?」

「そーゆーもちりんは?」

「アッくん、登らないの?」

「じゃ、オイラが登るっス。」

ワドルディはひょいと足場に登ります。

「あっ、新入りが先に登った!」

きれいな五重奏です。

「・・・部活じゃないんスよ?どーしろって言うんスか。」

「いいよ、別に。登ってよ。ステージの毒味役ってコトで・・・」

「ど・・・毒っスか!?」

「あ、気にしないで。」

「わ・・・わかったっス・・・」

ワドルディは2階に上りました。

「大丈夫っスよ。」

「よーし、じゃ、登るぞー。」

カービィ達は、同時に足場に登ります。

「狭いってのぉ!」

「じゃ、どいてよ〜!」

「・・・ですから・・・順番に・・・」

 

色々とごたごたしましたが、2階です。

「あ、天井に何かいる。」

ミノです。

「蓑虫だ。」

「え?クモでしょ?」

「虫けらだ〜。」

「そーいえば、リボンちゃんって羽があるけど、虫と何か関係あるの?」

「む・・・虫じゃありません。妖精です。」

「・・・気になったんだけどさ・・・男の妖精っているの?」

「・・・今は、そーゆーコトを話している場合なんでしょうか・・・?」

「・・・ま、いーや。みんなぁ、このクモ、どーすんの?」

「害はないみたいだし・・・ほっといていこー。」

カービィ達はミノの下を通ろうとします。その瞬間、ミノが下がってきました。

「きゃっ!?なになにぃ!?」

「下がってくるだけだよ、かびりん。」

「毛虫みたい・・・」

「クモカレーって・・・イイと思う?」

「別に・・・好きにすればいいけど・・・げてものじみてきてない?」

「よーし、試してみよー♪」

キービィは盛り付けが完了したカレーを、ミノの真下に置きました。そして、ミノが天井からぶら下がるために使っている糸を切ります。ミノは見事にカレーの上に落ちました。ですが、次の瞬間・・・

どかんっ

ミノは爆発してしまいました。真下にあったカレーは、木っ端みじんになります。

「・・・なるほどー・・・落っこちると、自爆するのかー・・・キービィ、ありがと。勉強になったよ。」

カービィはキービィの肩に、ポンと手を置きます。

「・・・・・・」

キービィはあんぐりと口を開け、もはや原型をとどめていないカレーを呆然と見つめています。

「あ・・・あの・・・カービィさん。キービィさん、どーしちゃったんですか?」

「一刻も早く、この場から離れよう。」

「・・・え?」

カービィ達はリボンを引っ張る様にして、キービィを置いて一目散に3階へ登っていってしまいました。

「き・・・キービィさんを置いてきていいんですか!?」

「いや、キービィの気が済むまで、ここで待ってるの。・・・耳をふさぐ?」

「・・・え?」

その頃の2階。キービィから、「ごごごごご・・・」という効果音が発せられています。キービィの視線は、まだ天井に残っているミノに向けられました。

「・・・カレーの上で・・・・・・自爆すんなぁ、この虫がぁぁーっ!」

3階のカービィ達には、爆発音や何かを砕く音、何かがつぶれる音などが聞こえました。

 

「ひどいよね〜・・・カレーを爆発させちゃうなんてさー・・・」

「糸切って、自爆させたのはキービィでしょ。」

「この上が最上階みたいだよ。」

カービィ達は足場を使って、上の階へと上がりました。カービィ達の前には、雪だるまの様なキャラがいます。

「あ、チリーだ。」

「チリーさん、お久しぶりっス!」

「こちらこそー。・・・何の用ですかー?」

「いや別にね、チリーに用があるってわけじゃないんだけどね・・・きゃ!」

ソービィが、しゃべっている最中のカービィを押しのけチリーの前に出ます。

「・・・何でしょうー?」

「・・・お友達になって下さぁい!」

「・・・はぁー?」

「あー、ソーちゃん、ホれたなー♪」

「だってだって、何か気が合いそうなんだもーん。」

「そりゃー、能力がいっしょだもんね。」

「チリちゃん、何してんのぉー?」

向こうから、ポピーブロスJr.がやって来ます。

「・・・すでに、お友達が・・・」

「どーゆーふーに考えてんのかは、知りませんけどー・・・ポピちゃんとは、同じ階にいたんで、仲が良くなっただけですよー。」

ソービィは一気に静かになりました。

「あ、そぅ・・・そぅなの・・・うん、わかった・・・」

「そびくん、電話してるみたい。」

ソービィはとぼとぼと出口へ向かいます。そして、ゆっくりと振り返って言いました。

「・・・ちりりん(※チリーのコト)・・・・・・お幸せにねー・・・」

全員、ソービィが外へ出ていくまで、呆然としていました。最初にチリーが口を開きます。

「・・・あの人、どーゆーふーに勘違いしたんですかっ!?」

「落ち着いて・・・気にしないで・・・2ヶ月半も経てば、静かになるよ、うん。」

カービィ達は、逃げるように出口から出ていってしまいました。

「・・・・・・ポピちゃんも、何か言えぇ!」

チリーはポピーブロスJr.の首をつかみ、前後にがくがくと振り回しました。

 

ソービィはロープウェイに腰掛け、ぼんやりとしています。

「・・・たまのをよー、たえなばたえね、ながらえばー・・・」

「あーっ!?そびくん!ボクの専売特許をとっちゃダメ!」

「アッくん、言う状況がなんか違うんじゃない?」

「ソービィ、アイスの能力持ってるキャラなんて、雪原のステージに行ったら、イヤになるほどいるよ。」

「カビちゃん、それってさー、フられた人に向かって『大丈夫、女なんて、この世界にくさるほどいる。』って言ってるのと似てる感じしない?」

「みなさーん、ロープウェイに乗って下さいっス。動かしますっスよー。」

ワドルディはロープウェイの真上にある丸太に飛び乗ります。そして、後ろ歩きをしました。丸太は前方にまわり、ロープウェイは少しずつ前に進んでいきます。

「おー、動いた、動いたー♪」

「おっ・・・・・・重いっスー・・・定員オーバー気味っスー・・・」

「ゲームでは、かびくん1人だけだからねー・・・あ、みんな、前見て!前、前!」

空中に、クリスタルのかけらが浮かんでいます。

「ワドルディ、いったんストップ!」

「すっ・・・ストップっスか!?・・・わかったっス!」

ワドルディはロープをつかみ、丸太の動きを止めます。

「はっ・・・早いとこ用事すませて下さいっスよー・・・ロープウェイ、下り気味なんスから・・・止めとく方が大変っス・・・」

「うん、わかった。じゃ、誰か取りに行って。」

全員、その場から動きません。

「ちょっと〜、誰か取りに行ってよ〜。」

「そーゆーカビちゃんが、取りに行けばいいでしょー・・・」

「けっこー深いよね・・・アッくん・・・」

「落ちたら、戻れないかなー・・・」

「うーん・・・『恐ろしと 責任が舞う 谷間かな』・・・こんな感じ。」

「・・・も・・・もぅダメっスー!」

ワドルディはロープから手を離します。定員オーバー気味の重量がかかっていたロープに、ロープウェイ発進時の力がかかります。結果は・・・

ばつんっ

見事にロープが切れました。

「きゃーっ!?おーちーるぅーっ!」

「ちょーどいい!クリスタルに近づくじゃない!くさもっちゃん、お願い!」

「は?」

キービィはスプーンの先からビームを出すと、それをくさもっちに巻き付けます。

「こっ・・・このコピーは・・・」

「くさもっちゃんっ・・・・・・取ってこーい!」

キービィはスプーンをクリスタルに向かって振り上げます。その先についているビーム、そしてさらにその先についているくさもっちがクリスタルに向かって飛びます。

「きゃーっ!?」

くさもっちはぶつかる様にして、クリスタルを抱え取りました。そして、ロープウェイにすとんと落ちます。

「よーし、くさもっちゃん、よくやった。」

「犬じゃないんだよっ!?ついでに、スパーク+ストーンのストーンでもないんだから!」

「まだ落ちてる〜っ!」

「どーせ落ちるぐらいならっ・・・」

うめぼっちはロープウェイについているロープをつかみます。

「バーニング+バーニングぅ!」

うめぼっちの全身が炎に包まれ、前に向かって飛んでいきます。

「ポポくん達を向こうまで運ぶよーっ!壁にぶつかると思うけどーっ!」

「えーっ!?」

どごぉんっ

うめぼっちの言ったとおり、カービィ達は終点である木の側面にロープウェイごとぶつかります。ぶつかるだけでは止まらず、壁を突き破って中に入ってしまいました。

「ここも中が空洞・・・ってゆーか、まだ落ちるぅ〜っ!」

「みなさん、しっかりしがみついてて下さいっスー!」

どすんっ

ロープウェイは一気に最下階まで落ちてしまいました。

「・・・うめぼっちぃ・・・・・・結果的には・・・あんま変わらなかったよーな・・・」

「・・・でっ、でも!一気に進めたじゃない!」

「かびりーん、何かロープウェイの下でつぶれてるよー。」

ルームガーダーのデカバウンシーです。

「ぉおっ!?もしかしなくても、ルームガーダークリア!?」

「ほーらね。ポポくん、ボクの行動は正しかったでしょ?」

「なんかさー、『オズの魔法使い』って感じ?」

デカバウンシーに今、意識があれば、言いたいコトが多々あったことでしょう。

「ついでに、クリスタルもはっけーん♪」

「かびくん、あれが出口かなー?」

「やった♪これで、ここはクリアだね♪」

カービィ達は、デカバウンシーの部屋からぞろぞろと出ていきました。

 

「おー、湖だー。こーゆートコでカレーを食べたいなー♪」

「あ〜・・・アドちゃ〜んー!」

カービィは地面に倒れているアドに駆け寄ります。

「あれ?アドちゃん、倒れてる。・・・ねぇ、ジョー。何があったのぉ?」

「とりあえず、覚悟しておいた方がいいんじゃねーか?」

「・・・か・・・覚悟・・・・・・?」

カービィはアドの方へ目を向けます。アドはゆっくりと上半身を起こしました。

「あっ、アドちゃん。ねぇ、何があったのさぁ。」

「・・・カーくんなんかぁ・・・」

「・・・・・・ふぇぇ?」

「カービィさん!追っ手の気配がアドさんから・・・」

「えぇーっ!?また乗り移られぇーっ!?」

「カーくんなんか・・・・・・だいっ嫌いよぉーっ!」

「ぃやーっ!?アドちゃん、目つき悪ぅーっ!怖いよぉーっ!・・・あ、前回も言ってたね。」

「てコトで、以下省略〜♪」


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