吸引戦隊カービィファイブ
〜VSデデデ大王〜
前回の和風なあらすじ
うーん・・・「乗っ取られ 紅一点が 大暴れ」・・・こんな感じ。・・・あ、もぅ、紅一点じゃないんだっけ?
前とその前のあらすじよりはましかもしれません。
デデデ大王の城の前を、カービィ達がぞろぞろと歩いていきます。
「リボンちゃーん、こっちにクリスタルあるの?」
「あ・・・はい。間違いありません。」
「カービィさん、カービィさん。」
カービィの後ろから、ダーク・リムル、ダーク・リムラ入りのビンを抱えたワドルディが話しかけてきました。
「なーに?」
「敵をビンに入れっぱなしでいいんスか?」
「いいの、いいの。つーより、そーするしかないの。」
「怖いっスねー・・・ビンが壊れたらどーするんスか。」
「もっかいグーイで詰め込み直すの。」
「めんどいっスねぇ。いっそのコト、食べてしまえればいいのに・・・」
「・・・う・・・」
「?・・・どしたんスか、カービィさん?」
「・・・絶対食べられないってコトはないんだけどさー・・・つーか、食べられる奴がいるんだけどねー・・・」
「そりゃー、いいじゃないっスか!すぱっと呼んで、食べてもらいましょー!」
「今、呼べない状態なの。」
「はー・・・そりゃ残念っスね。」
「冗談じゃない!たとえ呼べる状態でも、呼ばないよ!」
「は?何でっスか?」
「・・・そりゃーさー・・・敵を食べちゃうし(ボクもだけど)、戦ったら強いし、元敵だから、情報もある程度持ってる・・・んだけど・・・」
「・・・なんか、薬にはなっても、毒にはなりそーもない人じゃないスか。」
「・・・あのね・・・ワドルディは知らないから言えるんだよー!性格がツラいんだよー!」
「は・・・はぁ・・・性格が・・・」
「かびりんの言うとおりかなー・・・いたら、いたで便利なんだけどねー・・・」
「・・・ジョーさん、どーゆー人なんスか?」
「そーだなー・・・タチの悪い毒ってトコだな。ただの毒なら血清ぐらいにはなれるからな。あいつは、血清にもならねーな。」
「・・・ひどい言われようっスね・・・」
「でも、一応『毒』だからな。他人に盛って困らせるぐらいは出来るな。毒にも薬にもならねーよーな奴よりはましだ。」
「言うなぁ、ジョー。」
「一番の被害者だからねぇ・・・」
カービィ達は、城内へ入っていきました。
城のてっぺんの塀に誰かが座っています。デデデ大王です。
「はー・・・平和だな。ゲームでは、食べ物や星を盗んで、いつもカービィにのされているからなぁ・・・。カービィめ・・・ワシが何かする度にワシの所に乗り込んできて・・・・・・もしかして・・・何もせずに、平和に過ごせばいいんじゃないか?いくらカービィでも、何もしてないワシのトコに来るはずがないからな・・・そーか、そーか♪『何もしない』か♪いいな。ワシは今から平穏主義者になるぞー!」
「はあぁ〜い♪デデデ大王〜!」
「ぅうわぁああぁーっ!?」
デデデ大王は、危うく塀から落ちそうになります。必死に両腕をぐるぐる回し、その場にとどまりました。
「何、オーバーに驚いてんの?」
「こら、カービィ!何もしていないのに、来るな!」
「来たくて来たんじゃないもん。クリスタルを探しに・・・」
「・・・ちっ、平穏なんか、やめだ、やめ!また星でも盗んでやる・・・・・・ん?クリスタル?」
「あの・・・勝手におじゃましてすいません。私のせいなんです。私、リボンといいます。えーと・・・くわしいコトはこの『星のカービィ64』の取扱説明書を読んで下さい。」
「あぁ・・・どぅも・・・・・・・・・・・・おい、カービィ!誰だ、この子は!?」
「妖精のリボンちゃんだよ。」
「ほー・・・妖精・・・おい、カービィ。」
「何ぃ?」
どかんっ
デデデ大王はどこからかハンマーを取り出し、カービィを叩きつぶしてしまいました。
「いったー!何すんのさぁ!」
「ずるいぞ、かわいい子じゃないか!何でもっと早くワシの城に来なかったんだ!」
「さっきは『来るな』って言ったじゃない!」
「うるさい!取り消しだ、取り消し!こーんなかわいい子、お前には・・・ぁいだだだっ!?」
アドが後ろからデデデ大王の両方の頬をつかんで引っ張っています。
「デデのだんなまでぇ〜っ!」
「あっ・・・アドちゃん・・・やめてくれぇ〜!顔の形が変わる〜っ!」
「変わっても、大したコトねーだろ。」
「・・・っ・・・カービィ・・・お前・・・ヘルパーも連れてきたのか・・・?」
「うん。強いし、人気投票で1位だったから、連れて来なきゃヒンシュクモンでしょ?」
デデデ大王はアドを振りほどき、カービィを抱えて壁際にいきます。
「何なのさー・・・。『こんな所に連れてきて・・・何のつもり!?』とか叫んじゃうぞぅ。」
「何でヘルパーを連れてきたんだ!しかも、よりによってワシの所に!」
「別に、デデデ大王の所に連れていこうと思ってたんじゃないよ。連れてきた所が、たまたまデデデ大王の所だったと・・・」
「どっちでも、似たよーなモンだ!さっさと、出ていってくれぇ!」
「えー・・・そんなに、ジョーのコト、イヤなのぉ?」
「イヤもなにも・・・ワシは大王だぞ!なのに何で、元敵キャラなだけのあいつの方が偉そうなんだ!」
「ま・・・まぁまぁ・・・あ、それよりさ、クリスタルを探しても、いーい?」
「は?」
「お城の中で、2個見つけたの。でね、あと1個、ここの広場みたいなトコにあるんだって。見つけたら、さっさと出ていくからさー。」
「何!?ここにあるのか!?よし、ワシも探す!」
「えっ、手伝ってくれるのぉ♪」
「ふふふ・・・リボンちゃんに恩を着せるのさ!」
「ぅあっ、ひっど!」
「邪道ー。」
「こそくー。」
「なっ・・・何だ、お前ら!いきなり悪口を言いたい放題・・・」
「ペンギンー。」
「アヒルー。」
「ハヤシライスー。」
「ムーくん・・・それって悪口?」
「悪口に決まってるじゃないか!あんのエセめー・・・ドライカレーも許せん!カレーにレーズンを入れるなっての!」
「・・・モグラやクモはいいんだ・・・」
「あっ、クリスタル発見ー!」
花壇のすみに、クリスタルが転がっています。
「ぃよっしゃあーっ!」
デデデ大王は、見かけからは想像出来ない速さでクリスタルをつかみ取ります。
「あーっ!?ボクが見つけたのにぃ〜!」
「はっはっは!『取ったモン勝ち』とゆー言葉を知らんのか!?おーい、リボンちゃーん!」
「あ、かびくん。取らなくて正解だったかもよ。主人公が敵に乗っ取られるなんて、かっこつかないでしょ?」
くさもっちが空を指さします。
「デデデさん、よけて下さい!追っ手のダーク・リムロです!」
「はぁ?ダーク・リム・・・うお!?」
黒い球体が、デデデ大王に直撃しました。
「あーっ!?デデのだんなーっ!?」
「さすがペンダック。乗っ取られるコトにかけちゃ、右に出る奴はいないな。」
「うーん・・・確かにそーねぇ・・・」
「ちなみに、No.2はお前な。」
「いっ・・・イヤー!そんなの、イヤー!」
「なんか、向こうで騒いでんね。」
「で・・・デデデ大王・・・大丈夫・・・?」
「・・・カービィ〜・・・」
「はっ・・・はいぃ・・・」
「お前ばっか・・・いい思いさせんぞ〜っ!」
デデデ大王は勢いよく立ち上がります。
ばこんっ
立ち上がった瞬間、アドの筆を使った一撃によって、地に沈みました。
「なぁーにがっ・・・いい思いよーっ!どいつもこいつも、新キャラにばっか目をやって・・・」
「だ・・・大丈夫だ・・・『いい思い』は、アドちゃんも含めてだ・・・」
「ホント♪じゃ、私は見る側にいるから。」
アド、退場です。
「しょーがないよねー、きびくん。リボンちゃん、かわいいから。」
「ボクは別にー・・・」
「あ、そーなの?」
「うん。ボクには・・・・・・カレーがいるから・・・」
キービィはちょっと顔を赤らめ、目を逸らします。
「あ・・・そー・・・」
くさもっちはキービィと対照的に、顔を青くしました。
「なんか調子が狂ったが・・・とにかく、勝手にワシの城に入ってくるなぁ!」
デデデ大王はカービィ達を追い回します。
「きゃーっ!?」
「カーくーん、ちゃーっと倒しちゃいなさいよー。」
「あちぃなー、ここ。日陰ぐらい、ねーのかよー。」
「ずるっ!あの2人とリボンちゃんだけ、追われてない!」
「そりゃー、女の子2人はかわいいし、ジョーは返り討ちに遭うし・・・」
「ほしりん、よく考えても、考えなくても、これって出番を作るチャンスじゃないかな!?」
「むっ!そーか!よーし、行くぞ、アッくん!バーニング+バーニングぅ!」
「アイス+ストーン!」
ソービィとうめぼっちは、2人そろって突進系の技を繰り出しました。
「そーんなモノ、喰らうかぁ!」
ごぉぉおおっ
「きゃーっ!?」
デデデ大王は、2人を吸い込んでしまいました。
「うっわー、カビちゃん!『喰らうかぁ』と言っておきながら、喰らっちゃったよ!」
「ぃや・・・なんか意味が微妙に違うと思うなぁ・・・」
「ねー・・・デデデ大王・・・そびくんとめぼくんを返してちょーだい。」
「イヤだ。返したら、敵が増える。」
「えーっ!?吸い込んだら、吐き出す。釣ったら、放す。飲んだら、吐くな。基本でしょーっ!?」
「何だ、最後のは。矛盾してるし。」
「いや・・・つい、勢いで・・・それより、返してよ〜!」
「いーやーだー・・・絶対に返さな・・・・・・ぅぎゃっ!?」
いきなり、デデデ大王が仰向けに倒れます。
「えっ、あれっ、何!?発作!?ジビョウノシャクってやつ!?」
「ぅえっ!」
ソービィとうめぼっちがデデデ大王の口から転がり出てきます。
「あー・・・意外と狭かったー・・・」
「何したのぉ!?」
「いやさー、ちょーどほしりんがいたからー・・・バーニング+アイスしちゃった♪水蒸気をモアモアバーって感じで。」
「うーん・・・名付けるとすると・・・『ピノキオ脱出法』?」
「ムゴいコトするなぁ。」
デデデ大王の頭から、黒い霧が出てきます。
「あ、出てきた!」
「グーイ、食べちゃってぇ!」
城のそばで待機していたグーイが舌を伸ばしてきます。
「ぐぅ〜いぃ〜!」
ダーク・リムロは、瞬く間にグーイの口の中へと消えていきました。
「あれ・・・ワシは・・・ぐぇ。なんか、無茶苦茶苦しい・・・腹ん中に水蒸気を詰め込まれたよーな・・・」
「あ・・・当たってる・・・」
「・・・何?」
「・・・い・・・いや、なんでも。ま、それよりー、クリスタルげっと〜♪」
「ありがとうございます、皆さん!」
「じゃ、次のトコに行こー。」
「待て、カービィ。」
「何さぁ。」
「ついていってやるよ。」
「いや、別についてこなくてもいいよ。」
「そーだろー、ワシがおらんと色々と困・・・・・・何?」
「だから・・・ついてこなくても、いいって。」
「なっ・・・ワシがいないと、困るだろ!?な!?」
「別に。」
「ウソつけ!誰が硬ーい壁を壊すんだ!ワシのハンマーがないと・・・」
「ジョーが蹴破ってくれるもん。えーと・・・1壁につき単4電池1個?」
「4個のセットのやつじゃないと、引き受けねーぜ。」
「ワシだと、タダだぞ、タダ!」
「これ以上キャラが増えると、ティンクルスターは書ききれないって・・・」
「必要な時しか、出てこない!これで、どーだ!」
「・・・まぁ、なんとかなるんじゃない?」
「ぃやったぁぁーっ!出番がある!一応レギュラーだー!うおーっ!」
デデデ大王は誰もいない空間に向かってほえています。
「あさましいなぁ・・・・・・」
「こーゆーのを、『見るに耐えない』って言うんだよね。」
「うめぼっちゃん、親近感を感じない?」
「ちっ・・・違うもん!もぅ、ボクは違うもん!5ポイントまとめ入れしてもらったし・・・違うんだもーん!」
「それだけかー?」
「・・・ぅげ。」
「ジョーには、わかんないと思うよ・・・」
「あの・・・皆さん・・・あちらから、クリスタルの反応があるんですけど・・・」
「ホント?」
「その方向は、ウィスピーウッズの方じゃないか。いやー・・・あいつには、かわいい子どもが3本いてなー・・・」
「じゃ、行こーか。」
「親のまねして、空気弾を・・・まっ・・・待て、カービィ!」
「ウィスピーウッズってコトは・・・ボスだね。」
「よーし、ボス戦、がんばるぞー!」