吸引戦隊カービィファイブ
〜VS子連れウッズ〜

 

前回の会計的なあらすじ

はあぁ〜い♪ソービィだよ。あらすじだね、まかせて。アドちゃんと仲直りしたボク達は、次のクリスタルがある場所へ行ったんだ。するとね、そこはデデデ大王のお城だったの。案の定、デデデ大王は敵のダーク・リムロに乗っ取られちゃったんだ。でも、パーッと倒して、めでたし、めでたし。そして、残るクリスタルはあと1個。ボク、がんばっちゃうね〜♪

・・・ソービィ、オチは?

えっ、オチいるの!?

 


「ほら、こっちだぞ。カービィ。」

カービィ達はデデデ大王に連れられて、深い森の中を歩いていっています。

「リボンちゃん、こっちで合ってる?」

「あ・・・はい。合ってます。」

「おい、こら!カービィ!ワシの言うコトが信用できんのかっ!?」

「グルメレースでタイムロスになるよーなトコを通る人の言うコトなんか、信用できないよ。」

「ワドルディがついてきてないよ・・・」

「そのうち来るでしょ。」

数分後、カービィ達は広場のような所に着きました。

「うわー、歌いたくなるよーなトコロー♪」

「歌うなよ。おーい、ウィスピーウッズー!」

「あ、大王様ー。」

ウィスピーウッズは根をわしゃわしゃし動かし、カービィ達の方へ顔を向けます。

「きゃっ!?」

「?どしたの、リボンちゃん?」

「あ・・・あの木・・・顔があります!誰かここで報われない死に方をされたのですか!?」

「いや、そーじゃないの。あーゆーキャラなの。」

「そ・・・そぅなんですか・・・よかった・・・」

「ところで、ウィスピーウッズ。クリスタルを知らないか?」

「それより、大王様ー。見て下さいよー。」

ウィスピーウッズはいやにニヤけた顔でちょっと後ろを見ます。

「お前達ー、出ておいでー♪」

ウィスピーウッズの後ろから、切り株のようなキャラが3匹出てきました。

「きゃー♪やだー♪かわいー♪」

「私の子供達なんですよー♪もー、かわいくって、かわいくって♪」

「それはわかってる。それより、クリスタル・・・」

「最近は私のマネをしましてねー、空気弾を・・・」

「話を聞かんか!このウドの大木が!」

「それにですね、物を投げたら取りに行くんですよ。犬みたいと思ったでしょうが、かわいさはア●ボの∞倍なんですから!」

「ワシの話を聞け!火ぃつけるぞ!」

「お前達ー♪今から投げるからね。取ってごらん。」

ウィスピーウッズは口を膨らまし、ぺっと何かを飛ばしました。

「あ、クリスタル。」

「お前は口内に何を入れとんのだーっ!」

「いやー、子供達はきらきら光るモノが好きみたいでしてね。カラスみたいと思ったでしょうが、かわいさは『七つの子』の・・・」

「うるさい!」

クリスタルは弧を描いて落ちていきます。その落下点に、他のメンバーより歩みが遅れていたワドルディが出てきました。

「ふー、やっと追いつ・・・」

どかっ

「ぅぎゃあ!」

ワドルディはそのショックで、持っていたダーク3人衆を落としてしまいました。

がちゃんっ ×3

「・・・・・・」

辺りに、サワサワと木々が揺れる音だけが響きます。

「・・・わ・・・割っちゃったっス♪」

どんっ

「ぅわあっ!」

ダーク3人衆はワドルディを突き飛ばし、ウィスピーウッズJr.に激突します。

「やばっ!乗り移っちゃった!」

「ぁあーっ!我が子がーっ!?」

「ごめん、ウィスピー!我が子倒す!」

「ちょっ・・・待て!やめてくれ!」

「我慢して!ちょっとこづくだけなんだから!」

「ダメだ、ダメだ!あの子達は私にとって『夢の泉の物語』以上の価値なのだ!」

※ティンクルスターは「夢の泉の物語」を持っていない。

「くっ・・・それは凄い・・・ソービィ、説得して!」

「あいよっ!・・・ねぇ、ウィスピー。あのままだったら、我が子かわいそーじゃない。ちょっとこづくだけで戻るんだよ?別に腹開いて盲腸取るわけじゃ・・・」

「私の子に、盲腸はない。」

「ものの例えだよ。・・・とにかく、ちょっとこづくだけで戻るんなら、いい方だよ。」

「オイラなんか、さんざんだったんスよ。釣り糸が巻き付いて・・・カモメの気持ちがわかったよーな気がしたっス。」

「・・わかった。ただし!ちょっとだぞ!ほーんのちょーっとこづくだけだからな!?」

「うん。」

「よーし、さすがソービィ!」

「頭脳派!」

「いやー、いやー♪」

「よっ、シーフードカレー!」

「・・・何、ソレ・・・?」

「シーフードが入ったカレーだよ。」

「それはわかってるよ・・・」

「オイラも、ちょっと説得したっス!」

「よっ、ザコ代表!」

「スカ!」

「歩いて、跳ぶダケ!」

「スーデラでムズい技の実験台!」

「・・・何か、恨みでもあるんスか・・・?」

「いや、別に。」

とか何とかやっている内に、ウィスピーウッズJr.が突っ込んできました。

「ぅわっ!?」

全員、左右に分かれてよけます。

「バーニング+ストーン!」

うめぼっちは、一番最後に突っ込んできたウィスピーウッズJr.に火山弾をぶつけます。

「あーっ!?ちょっとこづくだけって言ったのに!」

「・・・ごめーん・・・」

「アイス+ストーン!」

「スパーク+カッタぁ!」

ソービィとくさもっちは、残りの2匹をなぎ払います。

「ぁあ〜っ!」

ウィスピーウッズは悲壮な声を上げました。

「ちょっとこづくって・・・ちょっとこづくって・・・」

「ごめぇ〜ん。」

「いやー・・・ミックスコピーって見栄えがするから・・・」

「やっぱり・・・みなさん、卑怯なんですね・・・」

「うん。今のはフォローのしようがないなぁ。」

のされたウィスピーウッズJr.の体から、ダーク3人衆が出てきました。そして、間を空けずに、ウィスピーウッズにぶつかります。

「ぅわーっ!?」

「あーっ!?また乗り移り!・・・そ言えば、ジョーは?さっきからセリフが・・・」

「あっちの木陰でね、ゲームボーイしてる。終わったら呼べってさ。」

「・・・じゃ、キービィ。戦いに行くよ。」

「待って!カレーのトッピングを探してるの!」

「そこらのキノコでも入れといてよ!」

「ダメ。色が合わない。」

「じゃ、これでどーだ!」

カービィは足下の雑草をぶちぶちと引きむしり、カレーの上にかけます。

「ぉお!?野性的なカレー!『ワイルドカレー』と名付けよう!フラワーズじゃないよ。」

「さっさと来てよ!」

カービィは強引にキービィを引きずっていきました。

「よくもー・・・私のかわいい子供達をー・・・」

「正気に戻ってよぅ、ウィスピー!」

「カレー食べさせたら、戻るかもよ!」

「そんなん、キービィだけだ!」

「これでも、喰らえぃ〜っ!」

ウィスピーウッズは体を大きく動かします。すると、ゴロゴロとリンゴが降ってきました。

「きゃーっ!?キービィ、よけて、よけて!」

「リンゴだぁ。これでハチミツがあれば・・・」

「・・・」

カービィは戦闘パートナーにキービィを選んだコトを後悔しました。

「えぇい!もぅ、ボク1人で倒す!」

カービィはリンゴを持ち上げ、ウィスピーウッズに突っ込んでいきます。

「えーいっ!」

リンゴを思い切り投げつけます。

ずばばっ

突然、ウィスピーウッズの周りに木の根が出現します。リンゴはそれでガードされてしまいました。

「はっはっは!たとえ炎の攻撃でも、これでガードしてやる!少々痛いが、本体には届かないからな!」

「ふぇ〜・・・」

くさもっち達は、おろおろと見ています。

「どーするのー?ボク達、さっきの子供をのした件で怖くて近寄れないし・・・」

「あ、そーだ。アドちゃん、チック描いて。」

「いいけど・・・どーするの?」

「見てれば、わかるよ。」

アドは、あっという間にチックを描き上げます。

「かびりーん!」

「何ー!?」

「これ、コピってーっ!」

ソービィはチックをリフトアップして、カービィに向かって投げ飛ばします。

「きゃーっ!」

カービィは突然のコトに驚きつつも、チックをコピーしました。

「怖いじゃない!とがったモノを人に向けて投げちゃダメ!」

「コピーしたね?きびりん乗っけて!」

カービィはキービィを頭の上に乗せました。

「よーし、『スパーク+ニードル』の出来上がり!ウィスピーに乗っかって使って!」

「ムチャ言わないで!一跳びでウィスピーには乗れないよ!飛んだら、空気弾で狙い撃ち・・・」

「誰も、ウィスピーの頭の上とは言ってないよ。」

「・・・あ、そっか。」

カービィはキービィを頭の上に乗せたまま、ウィスピーウッズに突っ込みます。

「何をするかは知らんが・・・このガードは破れんぞ!」

ウィスピーウッズは再び、自分の周りを木の根で覆います。

「よっ、と!」

カービィはその木の根に乗っかります。

「キービィ!」

「すぱぁ〜くぅ〜・・・」

キービィはインディア君を頭上に掲げました。真上の空には、雷雲が立ちこめています。

「にぃーどるぅっ!」

キービィが叫ぶのと同時に、インディア君に落雷します。雷はインディア君→キービィ→カービィと伝わります。そして、カービィの真下にあるウィスピーウッズの根にも伝わりました。

「ぎゃーっ!?」

根に伝わった雷は、そのまま本体に届きました。

「アっくん、木に電気って流れるっけ?」

「・・・水分が多かったんでしょ・・・」

ウィスピーウッズの頭から、ダーク3人衆が出てきます。そして、すばやく空の彼方へ飛んでいきました。

「やったー!追い出し成功〜♪」

「インディア君・・・とってもカッコよかったよ・・・♪」

キービィはインディア君に頬ずりします。

「・・・あ、あったよー。」

くさもっち達は、草むらからクリスタルのかけらを探し出しました。

「はい、リボンちゃん。」

「ありがとうございます、みなさん!」

「ジョー、終わったよー。」

「やっとか。」

クリスタルのかけらは、リボンの持っているクリスタルとくっつきます。そして、ひときわ輝いたかと思うと、星形の空間が開けました。その奥には、バラバラになって惑星が見えます。

「次の・・・目的地みたいです・・・」

「おー、ついに遠出かぁ・・・」

「グーイ。お留守番しててね。変なのが来たら、とりあえず食べて。」

「ぐぅ〜いぃ〜・・・」

「じゃ、カビちゃん!隊長の言葉を!」

「・・・行くぞぉ!カービィファイブ宇宙進出!」

 

ここは、栄えていた頃からそーゆー名前だったのかと考えさせられる星・・・ホロビタスター。

「・・・のんびりしてる間に、ここまで邪悪な気配が立ちこめてるな・・・」

遺跡の上に、誰かが腰掛けています。服装は灰色のコート・・・しかし、髪の色は闇とも言える黒一色です。

「・・・さぁて、どー動く・・・かな?」


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