吸引戦隊カービィファイブ
〜その頃、色々と〜

 

前回のザコ的なあらすじ

・・・ザコっスか?ヒドいっス。ティンクルスターから一言あるみたいっス。「遅れてすみませぬ〜!」ホントっス。某大作RPGにハマっただけでなく、一時思考がそのゲームに支配されてたみたいっス。オイラのコトを「マー●ス弁」と思い始めたぐらいっス。重傷っスね。しかも、まだ支配されてるみたいっス。さすがに責任チクチクで書いたみたいっスけど。

あらすじ話すっス!どーやら、ナゾなキャラの正体はカイムさんらしかったっス。ま、予測済みの方もいたと思うっス。・・・ありっ?他にあんま言うコトないっス。

ところでカイムさん。何でオイラのコトを「アメくん」って呼ぶんスか〜っ!?

 


カイムは地面にビームを突き立てると、その場に座り込みます。

「あー、なんかだるー・・・中途半端に数だけそろえて・・・強くなきゃ面白くないって。」

キービィとアドは、ブロックの上から息を殺して見下ろしています。

「・・・なんかカイム、キャラ変わってるね・・・」

「いつ元に戻るのかしら・・・モノクロー・・・」

「!」

カイムの目つきが一気に険しくなります。

「まだいたかぁっ!」

カイムは地面に刺さったビームを引き抜くと、キービィとアドめがけて投げつけます。

「きゃーっ!?」

「ぅわーっ!?はどうビームぅ!」

キービィはインディア君を構えると、黒いビームに向かってはどうビームを放ちます。

ぱしゅんっ

はどうビームは黒いビームに当たった瞬間、シャボン玉の様に消滅してしまいました。

「・・・ふぇ?」

どごんっ

「ぁだーっ!?」

黒いビームはキービィにクリーンヒットします。キービィは衝撃で後ろに飛び、カイムの足下まで転がり落ちました。

「キーくん!大丈夫っ!?」

「・・・ふにぃー・・・・・・どごんときたよ、どごんと。グリーンペッパーみたいな・・・」

キービィはふと視線を上へと持っていきます。カイムがじっとキービィを見下ろしていました。

「・・・なーんだ・・・高くんかー・・・敵だと思ったのに・・・」

「・・・きゃーっ!?」

キービィはすり鉢状の壁をじゃかじゃか駆け登ると、アドにしがみつきます。

「どどど・・・どしたのよ、キーくん!?」

「怖いよ、アドちゃん!あのカイム、無茶苦茶怖いよ〜っ!8ヶ月もの間ずーっとほったらかしにしてたお弁当箱の蓋開けるより怖いって!3ヶ月忘れてたカレーナベの蓋でもいいけど、ボクはそんなコトはしないから・・・」

「・・・落ち着きなさいよ、キーくん。ここで待っててね。」

アドはキービィをブロックの上に置くと、ブロックから飛び降り、カイムに近づきます。

「あんたねー、仲間を怖がらせてんじゃ・・・」

ある距離まで近づいた途端、空気がビリビリと張りつめます。

「・・・何、コレ・・・!?」

「・・・殺気だと思うけど?」

カイムはアドに向かってゆっくりと歩いてきます。

「・・・アドちゃん、僕と戦う気、ある?」

「はぁ!?」

「ルームガーダーがザコだったから、つまんなかったんだよなー。・・・で、ある?」

「・・・何で仲間と戦わなきゃならないのよっ!」

「強ければ、相手が誰だろーと関係ないだろー?」

がこんっ

アドお得意の筆殴りがカイムの頭を直撃します。

「ごちゃごちゃしゃべってる暇があったら、戻れっ、戻れっ、戻れぇっ!」

「戻れ」と1回叫ぶ度に、カイムの頭に筆がヒットします。

「あぃだだだだだっ!?ちょ、待った、待った、待ったぁっ!戻る、戻るからーっ!」

カイムの髪の黒く染まった部分が、元の白色へと戻っていきます。手も、元の無色透明になります。

「・・・あー・・・いた〜・・・」

「・・・アドちゃん、つよー・・・」

 

その頃、くさもっち、ソービィ、うめぼっち達は、少しは緑がある遺跡の近くを歩いていました。

「そびくん、めぼくん!ボクね、『和風コンビのテーマ』作ったんだよ!」

「・・・は?」

ソービィは呆然と侮蔑を混ぜた様な表情を浮かべます。

「えっ、マッくん、いつの間に・・・聞かせてー♪」

「おっけー♪・・・こほん。『わっふー、わっふー、くーさーもーちぃ〜。よんでーるーよ、俳句、でーも、きーご、なーし、せんりゅう〜』・・・終わり。」

「・・・『かっこう』の替え歌か・・・ナカナカ写実的じゃない?」

半ばあきらめ口調でソービィは言い捨てます。

「ねーねー、マッくん。ボクは?」

「えーとねー、めぼくんは・・・『わっふー、わっふー、うーめーぼーしぃ〜』・・・」

「梅干しじゃないもーん!」

「歌ってる途中で口挟まないでよ!『・・・いろはあーか、だけどかーげ、うーす、ほーら、わきやく〜』・・・」

「・・・ヒドくない?」

うめぼっちは悲しげな表情でくさもっちを見つめます。

「だって他に思いつかなかったんだもん・・・」

「・・・あーっ!?もちりん、待ったぁーっ!」

ソービィはくさもっちの腕を掴むと、思い切り後ろへ投げ飛ばします。

「ぅあー!?」

どごぉぉんっ

今までくさもっちがいた場所に、大きな柱が倒れてきました。大量の砂埃があがります。

「危なかったねー。もちりん。」

「ぅああ、こわー・・・」

「マッくんっ、どいてっ、どいてっ、どいてぇっ!」

くさもっちの下で、うめぼっちがもがいています。

「何してんのさ、めぼくん。」

「いきなり、マッくんが降ってくるんだもん〜っ!」

「まぁ、柱につぶされたよりはよかったと思って・・・」

「いいから、さっさとどいてぇ〜っ!」

※和風コンビのテーマは、小説だからこそ、皆様にお届けできました。ボイス付きだったら、終わりです。

 

アドが険しい顔つきでカイムを凝視しています。カイムは、アドの前に正座させられていました。

「いい、モノクロ?質問するからね?」

「はーい、僕からも質問〜♪カツ丼は食べさせてくれるんですか?」

「取り調べじゃないのよーっ!」

「カレーならあるよ!」

「キーくんは黙ってなさい!」

「じゃ、別の質問〜♪バナナはおやつに入るんですか?」

がこんっ

アドはカイムの頭に筆をうち下ろします。

「い〜たー・・・」

「あんたも黙ってなさい!口を開くのは、私の質問に答える時だけ!」

「えー?じゃ、あくびもくしゃみも口ジャンケンもできないんじゃない〜?」

アドはカイムの首を絞め上げます。

「わっ、わかりましたー♪はなして、はなして・・・きゅー・・・」

「えーと・・・じゃ、始めの質問は・・・あんた、黒髪の奴は知らないって言ったわよね?」

「言ったよー♪」

「知ってるじゃないのーっ!つーか、同一人物!」

「えー?僕はー、『自分に妙に似た奴、知らない?』って言われたから、知らないって言ったの♪僕自身なら、知ってる♪」

「・・・・・・」

アドはよろよろと後ろへ後ずさります。カイムは、アドが下がった分だけ前へにじり寄りました。

「・・・揚げ足を取るなぁーっ!」

アドはカイムの胸ぐらをひっつかみます。

「だってー、聞かれたままに答えただけだもの〜♪」

「・・・まぁ、いいわ。次。・・・何よ、あの技。思いっきりダークマターじゃない。」

「あーたりー♪ダークマターの技なのー♪」

「は?あんた、自分は『ゼロの分身』みたいなコト、言ってなかった?」

「うんー♪僕はゼロ様の分身みたいなモノ・・・ってゆーか、身体を構成する物質がほぼ同じなんだよー♪」

「・・・何で、ダークマターの技を使えてるの?前は使えなかったクセに・・・」

「えーとね、色々な星に行ってわかったんだけどね、ゼロ様の技って、威力強いんだよね♪ゼロ様自身が使うなら、問題ないんだけど、僕の場合は反動がキツいんだー♪1対1ならいいけど、大勢相手にするのはツラいんだよね♪あと、接近戦で使える技がないんだ♪・・・でー、威力は少々低くても、複数の相手に対して有効で、接近戦もできる技を何とか使えないかなー?・・・ってコトで♪」

「・・・だからビームをあんな風に・・・。えーと、次は・・・あの性格。どーゆーわけ?」

「あー、それはー・・・どーやってダークマターの技を使えるよーにするのかも言わなきゃ♪・・・えとね、僕は普段、『無』の状態なんだ♪だから、『無』であるゼロ様の技を使えるの♪」

「でもでも、『邪悪な物質』もあるんでしょ?」

「おー♪高くんにしては、普通のセリフ〜♪」

「失礼だなぁ。ボク、いつもフツーだもーん!」

「はいはい♪・・・高くんの言ったとおり、『邪悪な物質』も体内にあるんだ♪それを一時的に増殖させて、僕の状態を『邪悪』にしてるの♪だから、髪や手が真っ黒に、目が黄色っぽくなるんだよね♪あーでもー、黒って言うよりは、『闇』なんだ♪光を一切反射しないんだよね♪」

「それで?聞いてんのは、性格なんだけど・・・」

「まーまー、あせんないで〜♪・・・基本的には、僕には感情がなかったんだよね♪だけど、僕を創る時に、ゼロ様は少しだけある感情を付けたんだ♪」

「・・・何、それ?」

「・・・僕が何のために創られたかは知ってる?」

「・・・星の侵略のためでしょ?」

「まぁ、つまりは、『戦闘道具』として創られたんだよね。『戦闘道具』として必要な感情・・・残虐性だよ。」

「ふぇっ!?」

アドは少し後ろへ下がります。

「だーいじょーうぶー♪怖くないからねー♪残虐性の他には・・・残忍とか?相手を倒しきれない戦闘道具なんて、使えたモンじゃないからね。」

「・・・でも、あんたいつもは、へらへらしてるじゃない。・・・あ、そー言えば、色々あってこーなったとか言ってたわね・・・」

「そぅそぅ♪別の感情の方が強いんだよね♪残虐性があるって言っても、バリバリ残虐〜ってわけじゃないもの。きちんと仕事をこなせる程度の残虐ね♪だから、普段は抑えられてるんだ♪」

「・・・で、適度の残虐が、どーしてあんなふーになるの?」

「・・・さっき言ったよね?『邪悪な物質』を増殖させて、あの状態になるって。『邪悪な物質』を増殖させるのはいいんだけど、同時に邪悪な感情も増幅されちゃうんだよねー・・・」

「・・・はー・・・」

アドは納得するのと同時に、イヤな顔をします。

「なんかもー・・・ハイになる・・・ってゆーか・・・別人格が来るってゆーか・・・僕であって、僕じゃないって感じ?ちょうどほら、アルコール入って、『別人みた〜い。自分っぽくないってわかってる。だけど、何だか止まらな〜い。』みたいな♪」

「あっ・・・アルコール!?」

「例えね、例え♪とにかく、あの状態の僕は『僕』って思わない方がいいよ。勢いで攻撃しちゃうかもしれないし〜♪」

「!」

アドはキービィを抱えると、ざかざか後ろへ下がります。

「やーだー・・・怖がらないでよー。僕はいつもの普通の『カイム』だよー。」

「でも、カイムって、いつもの状態でも普通じゃないよね。」

 

ところかわって、カービィチーム。ただ今、ピラミッドの中で砲撃を必死にかわしております。・・・ただし、カービィのみ。

「きゃっ、ぅわーっ、いやーっ!?当たるっ、当たるっ、当たるぅーっ!」

「何騒いでんだよ。」

ナックルジョーは平然と突っ立っています。すると、後ろから砲撃が来ました。

ぱんっ

ナックルジョーは振り返らずに、拳ではらいます。

「この程度の威力なら、よけるより相殺した方が楽だろ?」

「ジョーだから、そのセリフを言えるんだよー!・・・さっきから、リボンちゃんは何か、ジョーのそばにいるけど・・・」

「・・・この方の近くにいると、安全なので・・・」

「あんまり、近くを飛び回るなよ。目障りだ。」

「あ・・・すいません・・・」

「ジョー!それは暴言だと思うなー!」

「何を今更。」

「そぅでした・・・・・・・・・きゃーっ!?当たるーっ!」

どかんっ

見事にクリーンヒットしました。


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