吸引戦隊カービィファイブ
〜苦手なンです〜

 

前回の妖精的なあらすじ

あ・・・リボンです。このたびは「あらすじ」というものを担当させていただいて・・・

早くあらすじ言って下さい・・・。

あ・・・すいません・・・。えぇと・・・アドさん達は、まだ先には進んでないようです。くさもっちさん達は・・・歌っていたみたいです。それで・・・私達は、ピラミッドの中へクリスタルを探しに行きました。・・・なるべく、皆さんに迷惑がかからない場所にあるといいです・・・。

でも、それじゃ話になんないんだな。

 


がこぉぉん・・・

カービィ達の乗った足場が止まります。

「着いたみてーだな。」

「・・・・・・」

カービィはその場に突っ伏しています。

「カービィさん!大丈夫ですか!?」

「みっ・・・みっ・・・みぞおちにきた・・・砲弾が・・・」

カービィはおそらくカービィにとってみぞおちと思われる場所を押さえています。

「えっ、そこって胸じゃないんですか!?」

「違う・・・胸はココ・・・」

さして変わらないところを指します。

「おい。上にあるのって、クリスタルじゃねーか?」

ナックルジョーは顎をしゃくって位置を示します。

「あっ、そうです!クリスタルです!」

クリスタルは左右と下を壁に囲まれています。周りでは、カラフルな壁がほとんど休みなしで動いており、クリスタルを取るどころか、上に行くのも困難となっています。

「・・・コレよけながら取りに行くの・・・?ボク・・・壁に挟まれたら、一発死なんだけど・・・」

「ずいぶんと弱いんですね・・・家のドアにも足を挟めませんね・・・」

「いや・・・深刻に受け止められてもなぁ・・・。とにかく、タイミングを見計らって・・・」

ずがぁっ

クリスタルを囲んでいる壁の下の部分が破壊されます。ナックルジョーは右手のほこりをはらいながら言いました。

「単4電池4つな。」

「いや・・・破壊するのは、こーゆー壁じゃないんだけど・・・」

 

「あーゆー壁を破壊すんのぉ!デデデ大王、何度言えばわかるのさぁ!その壁は壊れないのぉ!」

ソービィがデデデ大王の背中の上で叫んでいます。

「何度ってお前、これが1回目だぞ!?それよりお前等、人の背中に3球も乗りやがって・・・」

「3『球』じゃないもーん!3『人』だもーん!それに、デデデ大王って、人じゃないじゃん!ペンギンじゃん!」

「誰がペンギンかぁーっ!こんの『こけむしたカービィ』が!」

デデデ大王は吸い込みの時より大きな口を開け、あらん限りの声を上げます。

「じゃ、アヒルだ!・・・ボク、世界一有名なセーラールックのアヒルの声してる人と、海ン底から爆誕した新幹線みたいな顔のポケモンの声してる人が同一人物って信じられないんだけど・・・そこんとこ、どーなの?」

「ワシが知るかぁぁーっ!・・・ついでにそいつは、空飛ぶパンが出てくるアニメで、犬と服着たカバの声もしている。」

「知ってんじゃんよ。」

不毛な会話をしつつも、着実に壁を破壊して進路を作っていきます。

「・・・ほら。終点だ。クリスタルは取ったな?」

「うん、ちゃんと取ったよ。途中をすっ飛ばしたんで、読んでる人にはわからないだろーけど、ちゃんと3つ取ったから。・・・外の遺跡が一番大変だったよねぇ?」

「そぅそぅ。罠がありそうだったから、めぼくんを押し出してみたら、ホントにあって。・・・めぼくん、下まで落っこちたよね。・・・おっと。受験生のみんな、ゴメンね。」

「受験生より、ボクに謝れぇーっ!遺跡の中でも、突き落としたし・・・いくら下にクリスタルがあったからって・・・」

「うーん・・・『苦しさが 生きる喜び ふくらます』・・・こんな感じ。ぉお!今までで一番素晴らしいコト言ってるかも!」

「てコトで、ほしりん。生きてるって素晴らしいね・・・」

ぷつん・・・

髪の毛が千切れる様な音がうめぼっちの頭の中で響きました。

「・・・ふふっ・・・・・・・・・火ふきこうげきぃぃぃっ!」

 

「・・・ん?」

「どしたの、ジョー?」

「どこかから、悲鳴が聞こえたな・・・草餅とソーダあたりか?・・・まぁ、どーでもいいけどな・・・」

「へー・・・ボクには何にも聞こえなかったなぁ・・・」

「お前、耳ないからな。」

「ななな・・・ないコトないもん!」

「じゃあ、どこにあるんだよ。バッタか何かみたく、足のへんにでもあるのか?」

「じゃ・・・じゃあ・・・周りがうるさい時などには、足のへんを押さえるのですね!」

「・・・おもしれーかもな・・・」

「・・・おもしろいかもしれませんね・・・」

「勝手に話を妙な方向に持っていかないでよー!・・・あ、入り口だ。」

カービィ達は小部屋に入ります。

「・・・あーっ、やばーっ!ここって、『スパーク+ボム』ないとダメじゃん!壁の絵が見れない!」

「え?アドさんも必要では・・・」

「いや、ゲーム通りにしすぎると、小説にしにくいから。遺跡に絵があるって設定で。」

「・・・そこまで舞台裏を語ってもいいんですか?」

「いいの。説明しとかないと、後でツッコミのメールがうるさいから。・・・これは小説なのぉ!『ふいくしょん』なのぉ!64編にジョーが出てても文句言うなぁ!アドちゃんと共演してる時点でツッコめってのぉ!」

「お前もけっこー暴言吐くな。つーか、ほとんど崖っぷちなセリフじゃねーか?」

「ふふふ・・・いいんだよ、もぅ・・・ティンクルのアラを探して下さいよ・・・って感じ・・・」

カービィは疲れ果てた様に、その場に座り込みます。

「はぁ・・・『スパーク+ボム』ないから、もぅ何だかな・・・」

かちっ

小さな円形の光が壁を照らします。

「・・・ふぇっ!?・・・ジョー、なっ・・・何ソレ!?」

「何って・・・ペンライト。何に見えたんだよ。魚肉ソーセージか?食うなよ。食ったら、理科の実験のカエルみたいにするからな。」

「・・・ふわぁ・・・」

カービィは脱力しすぎて、仰向けに倒れてしまいました。脱力しつつも、ふと1つ疑問を浮かべていました。

(・・・格闘家って・・・ペンライトを常備してるモンなの・・・?)

肉切り包丁を常備している方が、どうかと思われます。

 

ざばぁっ

アド達は滝から流れ落ちてきました。

「やだもー、砂だらけの次は水浸し!冗談じゃないわ!」

「アドちゃーん♪見てみてー♪」

カイムは水でぐしょぐしょになった前髪をわしゃわしゃとかき乱します。

「さー●ーこ〜♪」

「はいはい。井戸にでも落ちてなさい。」

アドは前に進もうとしました。が・・・

「・・・また、穴が・・・モノクロ、あんたが開けたんじゃないでしょうね?」

「違うもの〜。僕が開けたのは、外の砂漠のトコだけだもの〜。」

ざぱっ

穴の底から大きなはさみが飛び出してきます。

「・・・やっぱジバサミがいる・・・めんどいわね〜・・・」

「えいえいっ!」

キービィは一生懸命にカレーをかけています。

「・・・何やってんの、キーくん・・・」

「カレーを食べさせて、おなかいっぱいにさせとけば、ボクらは食べないかなーって・・・」

キシャアァァっ

怒りを買ったようです。

「む!?カレーは嫌いか!?何て悪い奴なんだぁ!」

「モノクロ、何とかしてよ。」

「おっけー♪」

カイムの周りにあの赤い物体が数個出現します。

「えーい♪」

どかどかどかっ

穴の底に次々と赤い物体が突き刺さります。

・・・ぱしゅんっ

「消えたみた〜い♪」

「よーし!じゃ、行きましょ。・・・あ。」

アドは穴の向こう側を見て、苦い顔になります。

「どしたのー?」

「・・・マリエルまでいる・・・」

「・・・何、ソレー?」

「あれよ、あれ。」

アドは向こう側にひっそりとある黒い球体を指さします。

「私、嫌いなのよねー・・・あいつ・・・」

「わー、おいしそー♪」

カイムはマリエルを見て、目を輝かせます。

「・・・は?」

「黒くて、丸くて、ほわーって感じで、黒くて♪」

「・・・あんた・・・黒けりゃ、何でもいいの?」

「んー・・・基本的には、そーかなー♪」

と、アド達が一定の距離まで近づいた時です。

くわっ

マリエルは、黒い体に白い目を爛々を光らせ、4本の細い足をにょきにょきと出します。

「あー・・・やだもー、キモい・・・モノクロ、食べちゃいなさいよ・・・」

「・・・・・・足はえた・・・」

「え?」

 

「よっ、と。」

ナックルジョーはピラミッドの出口に手をかけると、一気に自分の体を引き上げます。

「だから・・・ジョー・・・先にドンドン行かないで・・・ビボルトに追われる身にもなって・・・」

「何で他人の事を気にしなきゃならねーんだよ。」

「・・・そんなコト言ってると、嫌われるよ・・・」

「ちょうどいい。妙な奴にばかり好かれてて、困ってたところだ。」

「・・・もぅ、いいや。じゃ、ボクはくさもっち達を迎えに行ってくるね。ジョーはアドちゃん達のトコをお願い。」

「それは、『64G●パック』ってトコだな。」

「・・・わかりました。・・・ふぁー・・・こんな高いトコをおりるのかぁー・・・」

カービィは下を見下ろして、疲れ切った表情を浮かべます。

とんっ

ナックルジョーは足下を軽く蹴ってピラミッドの斜面に飛び降り、器用に滑っていきました。

「おー・・・すっごー・・・えーと・・・ちょっと蹴って、ぶりつけて・・・」

とんっ

カービィは見事ピラミッドの斜面に着地します。

「わーぃ♪後は滑って・・・・・・あち、あちあちぃぃっ!摩擦、摩擦!足の皮がベロベロになるぅぅっ!」

「カービィさん・・・」

リボンは心配そうにカービィを見つめ、飛んでついていきます。カービィは散々騒いだ後、バランスを崩してひっくり返ります。

ごろごろごろ・・・

「きゃー・・・」

カービィはどんどん加速しながら転がっていきました。

「カービィさん、速いです!とても速いです!付いていくのがやっとです!」

 

カイムはマリエルを見つめ、固まっています。

「・・・モノクロ?どーしたのよ?」

「・・・ぃいやーっ!?くーもーっ!」

「・・・そぅよ、クモだけど・・・それが・・・」

「いやーっ!?いやーっ!?いやーっ!?」

カイムは錯乱状態に陥っています。

「ちょ・・・モノクロ・・・」

「やだやだやだぁぁーっ!クモ、嫌いーっ!キモいーっ!怖いーっ!」

「落ち着きなさいよ、このォ!」

アドはカイムの頭に筆をうち下ろします。しかし、カイムはおさまりません。

「怖いよ、怖いよぉぉーっ!」

「さっきの黒いあんたの方が怖いっての!」

「アドちゃーん!お願い、あいつを食べちゃってぇぇーっ!」

「無茶苦茶ぬかすなぁァーっ!」

「マリエルをバリバリ喰らうアドちゃんって・・・ターメリックぐらいステキかも・・・」

「黙りなさい、キーくん!」

アド・キービィ・カイムチーム、マリエル1匹により進行停止・・・。


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