吸引戦隊カービィファイブ
〜VSピクス〜

 

前回の犬猿の仲的なあらすじ

カービィファイブ紅一点!アドよ!前回のあらすじね!まかせなさいっ!
私とキーくん、モノクロのチームはマリエルを(知らない間に)撃破して、先に進んだの。で、そのステージは2人にまかせて、私は一足お先に地上へ。そして、ナッシーと合流・・・って、ナッシー!あんたも何かしゃべりなさいよ!私1人にしゃべらす気!?

お前が勝手にしゃべってんだろーが。・・・合流した後、塔の中でボスらしき奴と戦闘するよーなコトになった。これ読んでわかんねー奴は、37話に戻れ。俺の手を煩わすな。

何でそんなに偉そうなのよーっ!(アド、ナックルジョーの胸ぐらをつかむ)

 


「・・・・・・」

ピクスの体当たりの様な攻撃が、足場に伏せているナックルジョーとアドの頭上を静かに過ぎていきます。

「・・・姿勢を低くしていたら、何てコトはねーな。」

「・・・プログラム通りにしか、動かないのね・・・生き物で言うと、単純バカみたいな・・・」

ぴた。

ピクスは一瞬静止し、戻ってきました。

「きゃーっ!?音声認識っ!?」

「ンなワケねーだろ。・・・お前も単純バカか?」

「言いやがったわねーっ!」

せり上がっている足場の上で、アドがナックルジョーの胸ぐらをひっつかみ、近くで赤いキューブがクルクル回っているという愉快な光景が繰り広げられました。

「・・・って、漫才なんかしてる場合じゃないのよ。文章に『愉快』なんて言われるよーになったら、おしまいだわ。」

「じゃ、どーすんだ?」

「うーん・・・一番上に着いたら、何か起こるかも。とりあえず、のんびり運んでもらいましょ。ワンパターンの攻撃だから、避けるなんて簡単だし。」

「・・・後ろ。」

「ん?」

アドの後ろの方に、緑色のピクスがいます。赤色と同様、三角形の物体を出現させました。

「・・・マジ?」

「まぁ、攻撃喰らったら、夢かどーかがわかるな。」

 

「やだもーっ!私、シャトルランって大嫌いなんだからーっ!」

アドは、片方のピクスの後を追いかけるように走っています。足場の反対側からは、もう一体のピクスが三角形の物体を、足場に対して垂直に回転させながら移動してきています。

「・・・別に、走る必要なんてないだろ?」

ナックルジョーはその場からほとんど動かず、紙一重でピクスの攻撃をかわしています。

「あんたなんかと一緒にするなぁぁーっ!・・・・・・っ!」

アドが追いかけていたピクスが動きを止め、逆の動き・・・すなわち、アドに向かって移動してきました。アドは急停止し、踵を返して走り出します。

「・・・もー、ダメっ!血ぃ吐きそぅっ!足が重いっ!息するのも苦しいぃーっ!」

シャトルランならば、やめることもできますが、ここで「やめる」ということは、「長い休暇」を意味しています。ピクスがアドと1メートルも離れていないところまで接近しました。

「きゃーっ!?」

すると、ピクスは両方とも、中央の柱に近寄ります。

「・・・あ、あれ・・・?・・・と・・・とりあえず・・・助かったのね・・・」

アドはその場に座り込み、大きく息をします。

「・・・喜べよ、アド。」

「・・・は・・・はぁー・・・?」

ナックルジョーは中央の柱を見据えています。柱におさまっていたピクスは、ゆっくりとした動作で柱から離れました。

「・・・・・・ちょっ・・・ぇえーっ!?」

赤、緑・・・そして、青色のピクスが柱の周りを回っています。

「・・・あいつら、お前のシャトルランを計測し直してくれるらしいぜ。」

「ふ・・・増え・・・ま、じぃぃー・・・?」

3色のピクスは、例の物体を塔の側面に向かって足場に垂直に出現させると、上下運動をしながら、回りだします。

「・・・ふぇー・・・もぅヤダって言ってんのにぃー・・・」

アドは立ち上がって、再び走り出そうとします。ところが・・・

「・・・きゃっ!?」

疲れがかなり足にきていたらしく、よろけて、足を踏み外します。

「ぃやーっ!?」

アドは足場にあごと両腕を乗せて、落ちないように体を支えます。おそるおそる下を見てみると・・・地面はぼやけてよく見えません。

「たっ・・・高ーっ!・・・・・・きゃーっ、きゃーっ!?」

青色のピクスが、三角形の物体を振り下ろしてきます。アドは思わず顔を伏せました。

「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?下りてこな・・・」

「・・・23話と同じコトを言わせる気か?」

ナックルジョーが三角形の物体を両肩に担ぐようにして支え、振り下ろそうとしているのを妨げています。

「俺は『どーせ死ぬなら、絵を描いてから死ね』と言ったはずだ。」

「・・・ぅわー・・・雪降るわー・・・」

「砂漠に降るわけねーだろ。バカなコト言ってる暇があるなら、上れ。楽じゃねーんだからな。」

「・・・あー、ごめん。自分じゃ上がれない・・・」

「・・・・・・なっ、にぃーっ!?」

ナックルジョーは珍しく、驚愕の表情を浮かべます。小説なのが残念でたまりません。

がくんっ

ほんの一瞬ですが、ピクスの力に負け、ナックルジョーは片膝をつきます。

「きゃーっ!?・・・ちゃちゃちゃ、ちゃんと支えなさいよぉーっ!びっくりしたぁー!」

「驚いたのはこっちの方だ!力が抜けたじゃねーか!自分の体を自分の力で引き上げるコトもできねーのかっ!?」

「砂漠で証明済みでしょ!」

「あれは、胴体が引っかかってたんじゃないのか!?」

「どっ・・・・・・生命活動を停止させるわよ、あんた!」

「とにかく、今は砂に埋まってるわけじゃねーから、足を振った反動で余裕で上れるだろーが!」

「だーかーら!一緒にすんなぁぁーっ!」

そうこうしている間に、緑色のピクスが迫ってきていました。2人に向かって、緑色の物体がギロチンのごとく振り下ろされます。

「・・・・・・ちっ!」

「いーやーっ!?どっちみち、助かんないーっ!」

ぴた。

ナックルジョーの髪の毛を1本持っていきそうな位置で、ピクスは停止しました。そしてさっきと同様、中央の柱へと移動します。赤色とナックルジョーの手から離れた青色も同じ行動をとりました。

「・・・プログラムに救われた・・・ってトコか?・・・あー、肩いてぇー・・・」

「引ーきー上ーげーてぇーっ!」

アドは体力がもたなくなってきたのか、だんだんとずり落ちていきます。ナックルジョーはまた襟首をつかんで引き上げました。

「だからー!コレはやめろっつってんでしょーっ!」

「・・・引き上げてやったコトだし、ちゃんと絵を描いてから死ねよ。」

「・・・んー・・・よくよく考えたら、このバトルは私の能力が頼りなわけなのよね♪なーんか、イイ気分だわ〜♪」

「もし、絵もダメだった場合、お前を『カミカゼ』として活用するからな。いいな?決定だ。」

「よかないわよーっ!」

がこぉん・・・

足場が固定されます。

「お待ちかねの『一番上』だぜ。」

「・・・ふぇー・・・地平線が丸い・・・」

高所恐怖症の人も、どーでもよくなるような高さです。ここから落ちたら、摩擦熱で地面に落ちる前に天国へ行ってしまうのではないかと思わされます。

「さっさと描き上げろよ。それだけが取り柄なんだろ?」

「・・・いちいちムカつく言い方するんじゃないわよ・・・よーし!描いてやろーじゃないの!」

アドはどこからかキャンバスを取り出し、描き始めようとします。

どかんっ

「きゃーっ!?」

ピクスが見事にキャンバスをなぎ払います。キャンバスは遙か彼方の地上へと飲み込まれていきました。

「あー!?何てコトすんのよ、この『ミョウバン結晶』!」

「床に描けばいーだろ、床に。」

「あーもー!筆が汚れるっ、痛むっ!」

喚きながらもアドは、着実に絵を仕上げていきます。

ふっ・・・

「ん?影にするなぁ!ただでさえ、線描きすぎて本線がドレだかわかんないってのに・・・」

アドの真上にいる緑色のピクスの頂点に、同じいろのエネルギーが集結していきます。

「・・・ふぇ?」

エネルギーはある程度まで集結すると、滴が垂れるように落ちてきます。

「えーっ!?ちょっと、待っ・・・」

っぱぁん

アドの十数センチ上で、エネルギーがナックルジョーの上段回し蹴りによって消し去られます。

「だから・・・さっさと描け、さっさと。どっちかと言うと、防御は得意じゃねーんだからな。」

「わーかってるわよぉ!・・・・・・できたっ!」

床の絵が一瞬「ぐにょん」とゆがんだかと思うと、二次元の物体がすさまじい早さで三次元に変換され出現します。

「やっちゃえ〜!クラッコ!雷よ!ちょーど、3体集合してるわ!」

クラッコは体中から放電している電撃を一点に集中させると、ピクス3体に向かって発射します。

ぱりぱりぱり・・・

ピクス達はお互いに接近し合うと、電気を放出します。

かくっ

ピクスに当たる寸前、電撃は大きくそれて、何もない空間へと消えていきました。

「・・・あれー・・・・・・って、何やってんのよ、クラッコ!」

クラッコは困ったようにふるふると体を左右に振ります。人間で言ったら、首を振っているのでしょう。

「ピクスが作り出した電界か何かによって、曲げられたんだろ。」

「えーっ、そんなんありーっ!?ティンクルの奴、物理で人に言えないよーな点を取ってるクセに、こんなややっこい設定を・・・」

「・・・・・・」

「ナッシーも何か言いなさいよっ!この『エセ理系』!とか!」

「・・・・・・(・・・雷を曲げるほどの電界を作り出すほどの電力がこんな滅びた星に残ってんのか・・・?考えにくいな・・・)」

「ちょっと、こら!人の話、聞いてんの!?」

「・・・・・・(自家発電の装置みたいなモノは見あたらないし・・・となると・・・別のモノから供給されている・・・待てよ。ここには確か・・・)」

「ちょっと、ナッシー!」

「・・・クリスタルか。」

「はっ?」

ナックルジョーは踵を返すと、塔の中心へと走ります。そして、中心の柱のてっぺんに跳び移りました。

「何やってんのよ!?」

「おそらく、ここが中枢だ!」

「・・・ちゅーすー?」

ピクス達は、他には目をくれず、まっすぐとナックルジョーに向かっていきます。3体とも、三角形の物体を振り上げます。

「ナッシー!」

どかんっ

ピクスの攻撃がナックルジョーに向かって振り下ろされました。

 

ばちばちっ・・・

柱のてっぺんから、大量の電気が漏れています。ピクスの攻撃によって、強固な板が破かれ、中の機械が外の空気にさらされています。そのすみには、自らまばゆい光を放つクリスタル。

「あーっ!?クリスタルーっ!・・・つーか、何であんな変なトコに・・・」

とんっ・・・

軽い音を立て、ナックルジョーがピクスの三角形の物体の上に着地します。そして、ひょいとクリスタルを取りました。

「アド!」

「おっけー!クラッコ、もっかい雷!今度は本体の柱にかましちゃいなさい!」

アドは何だか嬉しげに命令しました。ナックルジョーはピクスを蹴って、足場へと跳びます。直後、クラッコから放たれた雷が柱のむき出しとなっている機械に直撃しました。

どごんっ

派手な爆発が起こり、ピクス達は爆風によって、足場の上へ吹き飛ばされます。

ごとごとんっ

青と緑のピクスは、アドのキャンバスと同じ所へ旅立ちました。赤色だけは、微妙なバランスで足場の上にとどまっています。

「・・・・・・」

アドはそろそろとピクスへ近寄ります。

「・・・アーティスト・ストレートぉ!」

ぽこん

アドの右ストレートがピクスに当たります。

ぐらっ・・・

威力としてはノック程度ですが、弥次郎兵衛以上に微妙なバランスにいたピクスは、数秒ぐらついた後、仲間の所へ行きました。

「・・・見たっ!?」

「・・・一応、視界に入った。」

「どーよ!ナカナカ格闘の才能あると思わない!?思うわよね?はい、思う!てコトで、暇な時は私に格闘を教えなさい!」

「お前、何様のつもりだよ。」

「あんたに言われたかないわーっ!」

ごごごご・・・

急に足場がぐらつきます。

「えっ、何!?」

「何ってお前・・・中枢破壊しちまったんだから、いつまでも足場が浮いてるわけ、ねーだろ。」

「・・・てー・・・コトは・・・」

がこんっ

何かがはずれたような音がしたかと思うと、足場が地上へ向かって落下し始めました。

「きゃー!?『お約束』ってやーつぅ!?」

クラッコは遙か彼方となってしまった塔のてっぺんで、オロオロとしています。

「この高さだと、落ちるまでに結構時間がかかるな・・・・・・お、周りの壁も崩れてるな・・・・・・・・・」

「何観察してんのよっ!死ぬわよ、この高さだと!」

「お前だけな。俺は地面に激突する寸前に足場から飛び降りる。」

「何で私を助けないのよっ!」

「・・・はぁ?今、お前を助けて、俺に何のメリットがあるって言うんだよ。」

「さっ・・・さっきまでは、助けてたクセに・・・」

「機械系の敵を手っ取り早く倒すんなら、クラッコの電撃がいるからな。・・・別に、カレーとか草餅とか、電撃系の技が使える奴がいたら、お前なんか助けていねーよ。」

「・・・なっ・・・」

アドは返す言葉が見つからないらしく、パクパクと口を動かしています。

「頭ン中で、エラーでも起こしたのか?」

「こっ・・・こっ・・・・・・この・・・・・・・・・・・・最低男がぁぁ〜っ!」

「月並みなセリフだなー、ソレ。」

「こんな気分で死ぬのは、イヤーっ!」

がこごぉんっ

「きゃーっ!?」

足場が大きく揺れ、停止します。

「な・・・何・・・?」

アドが恐る恐る足場の下を除いてみると、中心の柱に見覚えのある黒い棒状の電撃が2本刺さり、足場を支えています。

「間に合った・・・ってヤツだなー。」

「・・・モノクロ!」

目の前に、ダークマター状態となったカイムと、その背中にしがみついているキービィが現れます。

「アドちゃ〜ん。ちゃんとクリスタル取ったよ。・・・でも・・・水中面のせいで・・・ボクの・・・ボクの、鷹の爪が1つ、フニャフニャになっちゃったんだ・・・辛さもちょっと抜けたし・・・」

「クリスタル、取ってきたのね!?よかったー・・・」

「よくないよぉぉ!ボクの鷹の爪がぁ〜!」

つかつかとナックルジョーが黒カイムの方へ歩いてきます。

「んー?」

「来るのが遅いんだ、てめーっ!」

ばこんっ

ナックルジョーの振り下ろした拳が黒カイムの頭にたたき込まれました。

「いーてーっ!なーにすんだぁーっ!?」

「電撃系の技が使えるお前がさっさと来てれば、俺はめんどいコトしなくて済んだんだ!」

「だからって、叩くな、バカーっ!」

「てめーにバカと言われると異様にムカつくんだよっ!」

「ばーか、ばーか、ばーか!ナックルジョーのばーかぁぁ!」

「ガキか、てめーはぁ!」

アドとキービィは呆然とその光景を見つめています。

「アドちゃん・・・カイムのコト、ジョーに話した?」

「うぅん、全然・・・」

「えー・・・じゃあ、ジョーは・・・全然知らないで、口げんかしてんの?」

「だから、呆然としてんのよ・・・ちょっと、モノク・・・ん?いや、白が消えて、黒だけになってんだから・・・・・・イカスミ?」

「そんな愛称、僕はいやだ!モノクロでいい、モノクロでっ!」

「じゃ、モノクロ。えいっ!」

アドはジャンプすると、黒カイムにしがみつきます。

「おーっと。」

「このまま下に降りて。」

「・・・・・・」

しゅぱんっ

髪の黒い部分が一気に消え、元のカイムに戻ります。

「アドちゃんが抱きついてきてくれるなんて、う〜れしぃ〜♪」

「もっ・・・戻るなぁ!こーゆー状況では、さっきの方がまだ幾分かはマシ・・・」

「ナックルジョーも、ナックルジョーも〜♪なーづけてぇ!『両手に華』計画!」

「・・・・・・」

ナックルジョーは足場から飛び降ります。

「おー、ダイナミックだ〜♪」

「うわー・・・マジ?」

「・・・むー、『片手に花』でも、まーいっか・・・・・・!?」

カイムは振り向き、上を向きます。

「なっ、何!?モノクロ!?」

遙か上空に、ダーク3人衆の誰かが浮いています。

「やっば!僕の能力見られちゃったかも!・・・黒いビームで・・・」

一瞬で黒カイムになると、右手に黒いビームを出現させようとします。黒カイムの周りに、バチバチと黒い電撃が放出されます。

「いたっ、いたっ!ビリビリするぅ〜!」

「ボクも痛い〜っ!」

邪悪な状態の黒カイムは何ともありませんが、キービィやアドは耐えられないようです。

「・・・ちっ!」

黒カイムは敵の姿をもう一度確認しようとしますが、すでにいなくなっていました。

「・・・あーぁ・・・」

再び、カイムに戻ります。

「あー、痛かった・・・」

「激辛の域を超えたカレーに漬かったよーな・・・」

「ご〜めんねぇ。気にせず使っちゃってー・・・」

「・・・そ言えば、何でナッシーが含まれてる時だと『華』なのに、私だけだと『花』なのよ!」

「くっ・・・首絞めないないでぇぇ・・・苦しい、苦しい・・・きゅー・・・」

 

「うーわーぁ。何か、ガラクタ山って感じ・・・」

くさもっち達と合流したカービィは、元塔の近くまで来てました。

ひゅー・・・

「むっ?」

べしょんっ

「ぐぅえっ!」

ピンポイントでカービィの上にナックルジョーが着地します。

「うわー!?かびりん、めり込んでるぅーっ!」

「引っ張るぞー!せーの、かびくん引っ張るくさもっちぃ〜♪そ〜れを引っ張るそーびくん♪」

「こ・・・今度は『大きなかぶ』?」

「歌うな。耳障りだ。」

「はーい・・・よー・・・いしょおっ!」

3人がかりで引っ張って、ようやくカービィを砂から引きずり出します。

「ぶはぁっ!ぺっ、ぺっ!砂が口の中に・・・ジャリジャリしてキモ・・・」

「ミネラル豊富だよ、ポポくん。」

「じゃ、うめぼっちも食べてみろぉ!」

カービィはうめぼっちの顔を砂に押しつけます。

「んむむー!」

リボンがおずおずと話しかけました。

「あの・・・そろそろ次の星へ行きたいのですが・・・いえ、皆さん揃ってからですから、まだ騒いでいらしていいんですけど・・・」

カービィの一体ドコにあるのかわからない耳には届いていないようです。

 

「・・・そうか。能力を成長させていたか・・・」

見渡す限り闇が続く空間に、白く巨大な体が浮いています。

「ならば、その努力に敬意を表し、『対抗策』を用意してやらねばな・・・」


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