吸引戦隊カービィファイブ
〜一色刷の暴君〜

 

前回の漫才コンビ的なあらすじ

カーイムだよー♪久しぶり〜♪

ソービィだけど・・・何?このコンビ。

適当に組み合わせたんじゃないかな〜?

うう〜・・・ヤダよぅー、カイムとあらすじなんて〜・・・。

そーんなコト、言ーわなーいでー♪
ではでは、あらすじ〜♪桃くんと緑くんと赤くんとアメくんとアドちゃんとふぇーちゃん・・・・・・うーん、たくさん♪・・・のチームは、川下りをしました♪
僕と高くんと青くんとナックルジョーのチームは、王様ゲームをしていまーす♪僕、王様〜♪

あーっ!そーだったんだぁー!書いた本人も忘れるぐらい久しぶりだから忘れてたぁー!
・・・・・・ボク、逃げたい・・・。

選択肢  【つづける】 【がんばる】

 


「さ〜て、何を命令するかな〜?」

カイムは先に「K」と書かれた割り箸をくるくると回しています。

「ソーちゃん、激辛カレーを食べた時みたく、汗がだらっだら出てるね。」

「・・・・・・ボクらの運命は今、脳内で花屋経営をしているようなキャラに託されているんだよ・・・・・・」

「僕、花屋なんてやってないもの〜♪」

「してないんだって!よかったね!ソーちゃん!」

ソービィは「よくねぇよ、ボケ。」というふうな苦い表情をキービィに向けます。

「よぉーしっ!決めた!」

カイムは割り箸を掲げ、叫びました。

「1番さんと3番さんがラヴラヴな会話をする!」

ざざーん・・・

潮騒の音が辺りを支配します。

「んで、1番さんと3番さんて、だぁれ?」

「はいはーい!ボク、『カレーを食べる時に使うスプーンの本数』番!」

「高くんが1かぁ♪・・・・・・♪」

カイムは瞳を輝かせて、残った2人を見ます。

「ぼ・・・・・・ボク、3番・・・」

ソービィはよろよろと力無く割り箸を挙げました。するとカイムは、ナックルジョーの方へ視線を向けます。

「・・・・・・」

ナックルジョーは無言で「2」と書かれた割り箸を挙げました。

「・・・・・・ちぇー。リアクションに困る様なモノがお目にかかれると思ったんだけどなー。」

「そりゃ、残念だったな。」

「ま、いーかぁ♪お楽しみは後って決まっているものね〜♪うふふ〜♪じゃ、前菜を楽しもうかな〜♪」

「・・・・・・」

ソービィの体から汗がぼたぼたと雨だれのように落ち、周りの砂に黒い水玉模様を描きました。

「顔が青いよ、ソーちゃん!」

「なぁに・・・元から・・・・・・コレ、前回もやったよ。」

「あ、そ。てゆーかさぁ・・・・・・ボク、ヤだよ。」

「えぇ〜?高くん、なーんでぇ?」

「ボクはカレーにしか愛を語らないもーん。何が嬉しくて、青い白玉団子相手にラヴい会話をしなきゃなんないのさ。」

「きびりん、『棚に上げる』って知ってる?」

「高くーん、あのね、僕は王様♪王様の言うコトは聞かなきゃならないの♪」

「王がどーしたぁ!こっちはカレーマスターだぞぅ!カレーの神様だって憑いてるもん!」

「何だかわかんないし、漢字が怖いけど、勢いだけはスゴイなぁ〜・・・・・・・・・う〜ん・・・・・・」

カイムはしばらく考えた後、ぱっと笑って割り箸を挙げます。

「1番さんに命令♪カレーが欲しいなぁ♪」

「おっけ!そーゆーのなら、もー、ジャンジャンじゃんじゃん!」

キービィはどこからか盛り付け済みのカレーを取り出します。

「はっやいんじゃな〜い?3秒クッキング?つーか、あの番組ってさぁ、3分クッキングのクセに10分番組なんだってね♪」

「カレーマスターのボクにかかれば、某巨大ヒーローのタイマーがピコピコ鳴る前に一晩寝かせたのと同じくらいコクがあるカレーを作るのだって可能だよ。」

「やっぱり何だかよくわからないけど、きっとソレはスゴイんだね♪ではでは、このカレーを・・・」

ぺしゃっ

カイムはカレーを一匙掬うと、ソービィの頭に振りかけます。

「あーちちちち!何すんのさぁぁ!」

「ソーちゃんっ、ステキだぁぁぁー!」

「ぅああああーっ!?」

ソービィは飛びかかってきたキービィをすんででかわし、海岸線に沿って走り出します。ちなみに、アイスとカッターをミックスコピー。

「きびりん!カレーがかかっていれば、いいのかぁー!」

「ソーちゃぁん!愛を語ってもいいー!?」

「えええ遠慮したいなぁァー!」

カイムとナックルジョーは早歩きで全力疾走の2人についていきます。カービィ体型の2人の歩幅は極端に狭いので、早歩きで十分なようです。

「くァーっはっはっはっは!愉快、愉快♪余は満足じゃ♪」

カイムはカレーを頬張って笑ってしゃべります。

「アレがお前にとっての『らう゛らう゛』か?」

「いーじゃな〜い♪海岸線を2人で走っているんだよ♪『ラヴラヴ度』は風呂桶2杯ってトコかな♪『捕まえてごらんなさぁ〜い♪』『待てよぅ、こいつぅ♪』そんな2人の背景には、水平線に沈んでいく夕日・・・・・・♪」

「今は午前だけどな。」

「そして、青くん(バックに点描)の額にキラキラと輝く汗とカレー・・・・・・♪」

「・・・・・・まぁ、俺に被害が来なきゃ、何でもいい。」

「ぜぇ、ぜぇ・・・・・・」

アイス+カッターを装備しているため、摩擦係数≒0で運動量自体は少ないですが、精神的プレッシャーのためかソービィの体力は限界に近付いています。

「ソーちゃーん!ケローマーの様だよぅー!」

「うう・・・・・・相変わらず訳がわかんない・・・」

かくんっ

「ぅわあ!?」

一瞬後ろに気を取られ、ソービィはバランスを崩して海の方へ倒れ込みます。

「つーかまーえたぁぁー!」

ソービィが海の中へと倒れ、そこへキービィが飛びかかり、さらに大きめの波が打ち寄せ、もみくちゃ状態になりました。

「ひー!ぃやー!訳が分からないのに無駄にラヴ度が高いセリフなんか吐かれたくないー!」

「・・・・・・あれぇ?」

打ち寄せた波により、ソービィにかかっていたカレーはきれいさっぱり流されていました。

「・・・・・・いらなーい。」

キービィは回れ右をすると、カイムとナックルジョーの方へ歩いていきました。

「・・・・・・・・・」

ソービィは海水に浸かったまま、点と化した目でキービィを見ています。カイムは嬉しそうにソービィに駆け寄りました。

「今さー、ちょっと残念♪て気分でしょ♪」

「・・・・・・・・・」

ソービィは口まで海水に浸かり、ぶくぶくと泡をたてました。

 

「暇ねぇ・・・」

「暇ですね・・・」

アドとリボンが磯に腰を下ろしています。

「・・・あの・・・やっぱり・・・・・・カービィさん達に付いていった方がよかったのではないでしょうか?」

「何言ってんのよ。ここのステージは最初っから最後まで全部水中なのよ。あんた、水中で呼吸出来るの?」

「で、出来ません・・・」

「ほら。私もあんたも『付いていかなかった』んじゃなくて、『付いていけなかった』の。」

「・・・あ、あの・・・・・・何か、怒ってます?」

「何で私が怒らなきゃならないのよー!」

「す、すみません・・・」

リボンは首を引っ込めながら謝ります。

「・・・あの・・・アドさんは私にいい印象を持っていないんですか?」

「別にー。ただ、あんたが来たから、私は紅一点じゃなくなったの。それだけ。」

「何か・・・・・・凄く悪いコトをしたみたいですね・・・」

「やめてよー。何か私、ラブコメに出てくるイヤな女の子キャラになったみたいじゃない。」

「すみません・・・」

「ソレよ、ソレ!下手に出てスグ謝るの!ソレが効果絶大なのよ!いちいち謝らなくていいから!」

「すみません・・・」

「・・・・・・・・・・・・(ナッシー達の方に付いていった方がよかったかしら・・・)」

 

カービィ達の頭上を巨大な岩が流れていきます。

「おお、怖。当たったら、死んじゃうね。」

「何でめぼくん、水中でしゃべれるの?」

「・・・理由はマッくんと同じだよ。」

ここはウルルンスターでも指折りの海流が強い所。カービィ達は流れてくる岩を海底のくぼみに身を潜めて避け、少しずつ先へと進んでいます。

「ここのくぼみにあったクリスタルで全部かな。くさもっち、どんな感じ?」

「う〜ん・・・」

くさもっちはクリスタルのかけらを色々な方向へ向けます。ある方向を指した時、クリスタルの輝きが大きくなりました。

「あ!あっち、あっち!あの岩壁にある大きな穴!」

「ちょうど、海流の先だね。」

「よーし!タイミングを見計らって行くよ。」

カービィ達は後ろから岩が来ていないのを確認すると、流れに乗って穴の中へと入っていきました。

 

「・・・・・・む?」

一番最後に穴に入っていったカービィは、前方に2人が止まっているのを見つけます。慌てて減速して止まろうとしましたが、思っていたより勢いがよく、派手にぶつかりました。

「いーたーい〜・・・」

穴をくぐると、そこは自然に出来た広間でした。

「ちょっとぉ!何ぼ〜っとしてんのさぁ!」

「・・・かびくん・・・・・・・・・・『穴の先 エセな魚類が 待ち受ける』・・・・・・こんな感じ。」

「たまに出番があるかと思えば、こんな・・・・・・」

「はぁ?」

カービィは2人を押しのけ、広間の奥に目をやりました。

「・・・・・・!」

鼻の先に大きな傷のあるシャチ・・・・・・ステージボスのアクロです。

「も、もしかしてー・・・」

「ポポく〜ん、『ソノマサカ』のボス戦みたい・・・」

「ボク、『まさか』って言ってないから、この場合『ソノマサカ』は使わないんじゃないかな。」

「ボク達、何にも準備してないよね。」

くさもっちのセリフからコンマ5秒後、3人は息ぴったりに反転して、来た道を戻ります。

「かびくん、あんな強い海流、逆走出来るの!?」

「出来なかったら、何の準備もナシにステージボスと戦うコトになるんだよ〜!?」

「これ以上ないよーな出番だけど、出番だけど〜!」

ぐおっ

アクロが突進してきます。

「ぅーわぁぁ〜!?」

カービィ達は蜘蛛の子を散らす様に避けました。

ずがぁんっ

アクロはカービィ達が入ってきた穴の上にぶつかります。岩壁はがらがらと崩れ、穴はすっかり埋まってしまいました。

「・・・・・・コレってさぁ・・・」

「退路、絶たれちゃった?」

カービィ達は顔を見合わせます。

「うーん・・・・・・・・・・・・『岩崩れ 退路と勝機 断絶す』・・・・・・こんな感じ。」

「ヤなコト言わないでよ、マッくん!」

「つーか、詠んでる場合かぁ〜!」


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