吸引戦隊カービィファイブ
〜VSアクロ〜
前回の64的なあらすじ
はあぁ〜い♪カービィだよん。
リボンです。・・・あの、カービィさん。「64的」とは、どのような意味なのでしょうか・・・?
えーとね、ボクとリボンちゃんのコンビだから、「64的」なんじゃないかな?
そうなのですか。
そうそう。じゃ、あらすじね。
ジョー達のチームは、何か色々ごった返しているみたいなの。
カービィさん、くさもっちさん、うめぼっちさんのチームは、ステージボスのアクロさんと戦闘するみたいです。
・・・カービィさん、頑張って下さいね。
うぅ〜。このまま、あらすじの中にいたいなぁ・・・。
カービィは瓦礫によって埋まってしまった入り口と、前方にいるアクロを交互に見ます。
「・・・・・・ぁう〜。あらすじの中にいたかったのにぃ〜・・・」
「ざっけんな、ポポくん!1人で逃げる気か!」
「いいじゃないかぁ〜!うめぼっちは出番が欲しいんでしょ!ここにいても、何も問題ないじゃん!ボクは一応主人公なんだから、ここでなくても、きっと他で出番があるも〜ん!」
「出番て言っても、どーゆーふーなとか、希望があるんだぁー!こんな危険なのは、イヤ!」
「贅沢言うなぁー!この梅干しー!」
「梅干しじゃないもーん!」
「うーん・・・・・・・・・『騒いでる 場合じゃないと 思うけど』・・・・・・こんな感じ。」
と、まさにそんな感じでアクロが突進してきます。
「きゃー!?」
「ぅわー!?」
カービィ達は思い思いの方向に避けた後、再び一所に集まりました。
「よぉーし、ボクが得意のプラズマで・・・」
がづんっ
くさもっちの頭に、カービィ、うめぼっちによる左右対称パンチが入ります。
「いったー!なーにすんのぉー!?」
「よく考えて行動してよー!」
「水の中だよ!?海の中だよ!?塩水の中なんだよ〜!?」
「ソービィによれば、塩水の中には『いおん』ってのがたくさんあって、とってもよく電気を通すらしいんだから!」
「で?」
「ボクらもダメージ喰らっちゃうでしょー!?」
「ムーくんじゃないんだから、しっかりしてよー!」
「じゃ、めぼくんがしっかりやってみてよー!」
「む・・・よぉし、出番だ!やってやるぞー!」
うめぼっちはそう言うと、勇ましくアクロの方へ泳いでいきます。
「喰らえぇ!火ふきこうげきぃ!」
ちゅぼぼぼぼ・・・
勇ましいうめぼっちの口からは、そろそろ寿命切れのライターのごときか弱い炎しか出ていません。
どかんっ
そして、アクロからツッコミのごとき体当たりを喰らったうめぼっちは、カービィ達の所へ戻ってきました。
「・・・痛いです。」
「イタいのは、うめぼっちの行動だぁぁー!」
「水中でファイアが出来るワケないでしょ!」
「じゃあ、ボクにしっかりやれなんて言うなぁ!」
「つーか、かびくん!何かやってよ!」
「え・・・・・・ボク、すっぴんだから♪」
「やーくーたーたーずー!」
「それでも隊長かー!主人公かー!ボクと代われー!」
「やだよー!『うめぼっちファイブ』なんて、決まらないじゃない!何のゲームのパロディ小説だかわかんないよ!」
「何だとー!?」
どこぉんっ
「きゃあー!」
アクロの体当たりを直に喰らったくさもっちは、岩壁に叩きつけられます。
「ぅわわー!?くさもっちー!」
「そぅだ。『騒いでる 場合じゃないと 思うけど』だったよね。ファイアは無理だけど、何か他の・・・・・・!」
うめぼっちは万歳をした両手をくっつけ、手の先をアクロの方へ向けます。
「ちょっと、うめぼっち!ソレ、『バーニング+ストーン』じゃない!だから水中では・・・」
「飛ばすのは、火だけじゃないよ!」
アクロへ向けて、火山弾が発射されます。発射された直後、火山弾は海水によって冷やされますが、残った岩が次々にヒットします。
「なるほどー・・・」
「ポポくん、ぼんやりしないでよ!火が消えちゃって攻撃力が下がってるから、そんなに効かないよ!」
「おっけ!」
カービィは一直線にアクロの上方へと泳いでいきました。
「スマブラの『ファイナルカッター』と『ストーン』をミックスして・・・・・・」
カービィの体が石の立方体で覆われ、所々がだんだんと欠けていきます。数秒後には、シリーズおなじみのハムスターキャラ・・・リックの石像が存在していました。
「ストーン+カッタぁ!」
ずむぅっ
リックの石像となったカービィは、そのままアクロにのしかかります。見た目が小さいですが、比重がケタ外れなのか、アクロは海底にめり込んでしまいました。
「・・・ぷはー!」
リックの石像を内部から破壊して、カービィが顔を出します。
「スマブラ出てて、よかったぁ〜・・・」
「ポポくん、何でリックになったの?」
「いや〜、一番重そうだから。」
うめぼっちは背中しか見えていないアクロに目を向けます。
「・・・そうみたいだね。」
岩壁の方から、千鳥足ならぬ千鳥泳ぎでくさもっちがやって来ました。
「かびく〜ん、ヒドいよぅ。ボクの見せ場はぁ?」
「川柳詠んだじゃない。」
「あれだけー!?そんなの認めなぁ〜い!ヤダヤダヤダ!」
「電撃系のくさもっちが戦ったら、危ないんだって・・・」
ごごごごご・・・
「ふぇっ!?」
アクロの体当たりやカービィの「ストーン+カッター」の衝撃のせいか、周りの岩壁や天井、海底までもが、崩れていっています。
「ぅわー!?どーすんのー!?入り口埋まってるんだって!」
「天井、天井!崩れて、穴が開いたみたい!」
カービィ達は落ちてくる岩を避けながら、水面を目指します。すると下方から、壁などが崩れるのとは違った重い音が聞こえてきました。
「・・・・・・もしかしてさぁ・・・」
3人一斉に、下を見ます。
「・・・・・・・・・やっぱり、アクロ〜!」
「めり込ませたはずなのにぃ・・・」
「底が崩れて、抜け出せたんじゃない?」
ぐばぁっ
アクロの口から、テイルが飛び出してきました。
「かびくん、吸えー!吸引戦隊〜!」
くさもっちはカービィをテイルに向かって押しやります。
「わわわー!?」
カービィは戸惑いつつも、見事テイルを吸い込みました。そしてテイルを口に含んだまま、くさもっちに抗議の視線をぶつけます。
「んむむっむ〜!」
「はいはい。文句は後でね、かびくん。コピー、コピー。」
「〜っ、ぷはっ!コピー完了!・・・って、64でのカッターは、使うと沈んじゃうんだって!」
「でも、ポポくん。64では1人だけど、この小説では、仲間がいるじゃない。」
「あ、そっか。」
ぐおおっ
アクロはカービィ達を飲み込もうと、洞穴の様な大きな口を開いて突進してきました。
「ポポくん!」
うめぼっちはカービィの体を支え、アクロの方へ向けます。
「テイルの『カッター』と、『ファイナルカッター』をミックスして・・・」
カービィは丸い体を無理矢理反らしました。アクロは、もう口を閉じるだけでカービィ達を飲み込める位置まで来ています。
ごおぉっ
裁断機のように、アクロの口が閉じようとします。
「カッター+カッタぁ!」
カービィの反らした体が振り下ろされると同時に、体の前半分が切り離されます。切り離されたカービィの体は、鋸の刃を付けた巨大なカッターへと変化しました。
どごぉっ
「カッター+カッター」が支えの役割を果たし、アクロの口が閉じるのを防ぎます。
「むぅ〜っ!わっふーのお2人〜・・・早く何とかしてぇ・・・」
「おっけ!マッくん!」
「はいはぃ?」
「出番をあげるよ!」
うめぼっちはそう言うと、片方の手に、残ったカービィの体を持ち、もう片方の手で、くさもっちの足をつかみます。
「あ・・・あの・・・」
「ピノキオ戦法〜!」
うめぼっちは腕を大きく振りかぶり、くさもっちをアクロの口の奥目がけて投げました。
「やぁっぱ、りぃぃ〜・・・」
くるくると地球儀の様に回転するくさもっちが、アクロの中へと消えて数秒後・・・
ずばばばぁぁっ
アクロの中から、くぐもった電撃音が響いてきました。幸い、電撃は水中までは届かなかったようです。
ごぼっ・・・
アクロは、体内に詰まっていた空気とくさもっちを吐き出すと、海底へと沈んでいきました。
「ふぃー・・・」
アクロの口から外れたカービィの前半身(?)は、うめぼっちが支えている体に戻ります。
「ポポくん、お疲れ〜。」
「ちょっとぉぉ!めぼくん、ボクはぁ!?」
「くさもっちも、お疲れ・・・あれっ!?」
カービィはくさもっちが手にしている物を見て、裏返った声を出しました。
「くさもっちぃ、クリスタルじゃない!」
「アクロのお腹の中に、あったんだよ。」
「そー言えば、元々はクリスタル目当てだったよね。マッくん、お手柄!」
「えへへ〜♪うーん・・・・・・『腹の隅 ほじり見つけた クリスタル』・・・・・・こんな感じ。」
場面は変わって、キービィ・ソービィ・ナックルジョー・カイムの、「ソービィ気苦労チーム」。
「ぅーあ〜!何なのさぁ、この敵の数!」
ステージにあるクリスタルを全て集めて先に進もうとしたところ、突然、小柄のダークマター達に取り囲まれてしまったようです。
「具だくさんのカレーみたいだねぃ!」
「・・・・・・どーすんの?」
「決まってるだろ。障害物はどける。常識だ。」
「僕とナックルジョーがいるチームにケンカ売るなんてねー♪情報伝達がうまくいってないんじゃなーい?」
ダークマター達から少し離れた上空に、ダーク3人衆の1人が浮いています。
「あいつがアタマだな。」
「数も多いみたいだしー♪」
カイムの髪がざわめき、白い部分が漆黒に浸食されていきます。
「・・・・・・遊ばせてもらうとするかぁ!」