吸引戦隊カービィファイブ
〜・・・激突ですか?〜

 

前回の最キョー(お好きな漢字をお入れ下さい)的なあらすじ

黒カイムだー!あらすじしゃべるぞー!

今度はお前とコンビなのか。ちょうどいい。お前が全部やれ。こーゆー役目は好きなんだろ?

まかせとけぇー!
桃くんとわっふーのチームはステージボスのアクロと戦闘し、見事勝利!僕も戦ってみたかったんだけどな。
そして僕達のチームはダークマター達と戦闘だ!蹴散らすぞー!

※舞台裏よりソービィ
(ちょっと、ジョー!マジでしゃべんないのぉぉ!?コンビのあらすじにならないじゃーん!)

知るか。

(・・・・・・・・・)

 


「ぁはははははっ!」

黒カイムはご機嫌な笑い声を携え、ダークマター達の中へ飛び込みました。

「無駄な抵抗でもしてろ、このザコ共ー!」

高らかに声を張り上げながら、黒いビームを縦横無尽に振り回します。

「ぅぅあー・・・適当に目についたヤツから倒してるよ・・・。ティンクルスターと一緒だね。」

「ボクは時々、目についたスパイスから調合するよ。未開のジャングルに足を踏み入れるより、アドベンチャーだねぃ、アレは。」

「・・・・・・・・・」

ソービィは話しかける相手を間違えたコトに気付き、ナックルジョーに駆け寄ります。

「ねぇねぇ、ジョー。こいつら、何分ぐらいで倒せ・・・・・・ジョー?」

ナックルジョーはダークマター達の攻撃に対して回避主体の動きをし、必要最低限以上の攻撃はしていません。

「な、何で攻撃してな・・・ぅわっ!?」

ソービィはとっさに地に伏せ、間一髪ダークマターの体当たりをかわします。

「ねぇ、何で攻撃しないの?」

「・・・腑に落ちねぇ・・・」

「ふぇ?」

「『接近戦』という選択肢を取って、こいつらに何の得がある?」

「・・・・・・うーん・・・・・・・・・っわ!?」

ソービィは突っ込んでくるダークマターを視界の端に捕らえます。

「こっ、こちこちブリザードぉ!」

冷気のバリアを張り、体当たりをはじき返しました。

「俺達個人の戦闘の特徴から考えて、ダークマター達は『遠距離戦』を取った方が無難だろ?」

「あ、そうだね。ボクとジョーは接近戦タイプだし、きびりんはいくらかリーチに制限あるし・・・・・・今だって、ダークマターは飛び道具で攻撃した方が、ダメージなかったのに・・・」

「大体、俺とカイムがいるチームに攻撃を仕掛けるコト自体、おかしい。わざわざ主力2人がいるトコロに来るか?」

「ぼ、ボクなら絶対来ないな・・・」

「多少数を増やしても、こんなやつらで俺達を倒せるはずが・・・・・・・・・!」

いきなりナックルジョーはしゃべるのを中断し、黒カイムの方に振り返り、駆け寄ろうとします。

「ふぇ?え?どしたの、ジョー・・・」

「カイム!接近戦をやめろ!」

すると、ダークマター達の約半数がナックルジョーの周りに群がります。

「・・・ちっ!」

「接近戦をやめろって、どーゆーコトだよ?」

黒カイムは自分の周りのダークマター達をなぎ払いながら、ナックルジョーに話しかけます。

「いいから、さっさと遠距離戦に切り替えて、元の状態に戻れ!」

「やーだね。僕に命令するな。接近戦の方が楽しいんだよ!」

「・・・・・・・・・この、・・・!」

黒カイムの死角から、たった一匹のダークマターが静かに、しかし滑るような速さで近付いていくのを、ナックルジョーは目にしました。

「よけろ!」

「はぁ?」

ぱしゅんっ

「ぅわ!?」

内部から弾けるようにダークマターの外側が砕け散り、黒い閃光となって、一瞬ですが黒カイムの視界を奪いました。そして中からは、ダーク3人衆の1人が現れます。

「・・・っ!こいつ、まさか・・・」

現れた次の瞬間、黒いもやとなり、黒カイムの頭にぶつかって、とけ込みました。

「やばっ・・・」

黒カイムはすぐさま、「邪悪な状態」を解除しようとしますが、髪の毛のほんの一部が白くなっただけで、完全には元に戻りません。

「え?え?え?何、何?」

キービィとソービィの2人は、事の展開に付いて行けていません。

「だって、ダークの誰かは知らないけど、ずっと上空に・・・」

上空でも弾ける音がし、ダーク3人衆の1人がいた場所にはダークマターが浮いています。

「え・・・化けてたの?何で?」

「コレがやつらの狙いだったんだよ。」

周りに群がっていた最後のダークマターを払い終わったナックルジョーが口を開きます。

「ね・・・狙い?」

「接近戦という戦法を取るコトで、『カイムに近付く』というのを隠していたんだ。『攻撃』は遠距離でも出来るが、『乗り移る』のは接近しないと無理だからな。」

「の、乗り移るって・・・まさか・・・」

ナックルジョーはカイムの方へ歩いていき、一定の距離までくると足を止めました。

「・・・追い出せるか?」

「・・・ご・・・ごめんねぇ〜・・・こんな対抗策を用意してくるなんて・・・・・・・・・いつもの状態なら追い出せるんだけど・・・・・・黒い時は、精神無防備な状態だから・・・・・・・とっさに、元に戻ろうと、した、んだけど、ね〜・・・」

だんだんとカイムの口調が途切れていきます。

「きびりん、きびりん、ヤバいよぅ〜!」

「ソーちゃん、ボクさぁ、全っ然話が見えないんだけど・・・」

「ダークマター達、カイムに乗り移って、ボク達をツブし合わせる気だったんだよ!・・・うぅん、違う!正確に言ったら、カイムとジョーをツブし合わせる気なんだ!だから、2人が揃っているトコロを狙ったんだ!戦闘能力トップクラスの2人がツブし合うのが、あいつらにとって一番オイシいもん!」

「ツブし合う・・・・・・?カレーのジャガイモが煮えツブれちゃうと何だか悲しいよね・・・」

「・・・・・・・・・」

またもや、ソービィは話しかける相手を間違えました。逃れるようにナックルジョーの方へ目を向けると、グローブをはずしている姿が目に入ります。

「ジョー!戦っちゃダメだよ!相手の思うつぼだよ!」

「ソーちゃん、ソレってどんなつぼ?高価?」

「知るかぁぁ!・・・ねぇ、ジョー、ストップ、ストップ!2人が戦ったら、絶対どっちも無事じゃ済まないよぉ!」

ナックルジョーはソービィの叫びを無視して、両手のグローブとハチマキをはずしました。そして、包丁の切っ先をカイムに向けます。

「・・・このバカが・・・・・・手加減無しでいくからな。」

「・・・・・・ソレって、嬉し〜♪」

ナックルジョーに向かって、一直線にビームが飛んできます。ナックルジョーは、すれ違うようにそれをかわすと、乗り移られ、見た目が黒カイムとなったカイムへ走っていきました。

どかんっ

「ぅわわー!?」

キービィとソービィはナックルジョーがかわしたビームを転ぶように避けます。

「どーしよ、どーしよぅ〜・・・」

「ソーちゃん、アドちゃんを呼ぼ!」

「あ、アドちゃんを?何で?」

「だってアドちゃん、一度黒カイムをのしたコトがあるんだよ。」

「ぅあ、マジ?・・・・・・うーん・・・そうだね。アドちゃんの能力は便利だから、何とかできるかも。よし!きびりん、ボクの頭の上に乗って!ミックスコピーでアドちゃんのトコロまで特急で行くよ!」

「おっけー!」

キービィはソービィに飛び乗ります。

「ミックスコピー!」

ぶぅーん・・・

2人の姿は小刻みに震える冷蔵庫となりました。

「・・・違ーう!きびりんの『ビーム』とボクの『アイス』をミックスするんじゃないの!ボクの『ファイナルカッター』とボクの『アイス』をミックスするの!きびりんは関係ないのぉー!」

 

息を切らして(ソービィだけが)、アドとリボンがいる磯へとたどり着きました。いかにも苦しそうに呼吸しながら、ソービィはアドに説明します。

「・・・はぁ?ナッシーとモノクロが戦ってる?何ソレ。ケンカ?」

「いや・・・そうでなくて・・・・・・げほげほ・・・」

「大丈夫ですか?ソービィさん・・・」

「うぅ・・・・・・いつまで乗ってるんだ、きびりーん!」

ソービィは頭上のキービィを振り落としました。

「他人の頭の上に、根付いたように座ってるなー!」

「乗れって言ったのは、ソーちゃんでしょー!?」

「目的地に着いたら降りろぉー!・・・・・・・・・うぇえ・・・ぜんそくって、こんな感じなのかな・・・」

「で、私に何しろってのよ?」

「・・・・・・(何だか、ジョーみたいな口調だ・・・)と、とにかく、2人のトコに行って何とかして、止めてよ。ボク、あの2人に近付く勇気、ないよ・・・」

「うーん・・・・・・」

「カービィファイブ・家計簿係」のソービィは勝負に出ました。

「いくらか生活費削って、画材代としてあげるから・・・」

「行くのよ、クラッコー!」

クラッコ実体化までを一瞬でやってのけたアドは、ソービィに教えられた場所に向かって、特急で飛んでいってしまいました。

「・・・・・・わかりやす・・・」


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