吸引戦隊カービィファイブ
〜16話以来ですね〜
前回の漫才コンビ・その2的なあらすじ
やっほーぃ、キービィだよん。
ソービィだけど・・・・・・何でボクは、こーゆーキャラとコンビを組まされるんだろぅ・・・。
何を煮え立ったカレーの様にブツブツと言ってんの、ソーちゃん?あらすじ言わなきゃ、あらすじ!
ボク達はた〜くさんのダークマターと戦っていたんだよね。そしたら・・・どーなったんだっけ?
・・・そっか・・・きびりんは話についていけてなかったんだっけ・・・。
ダーク3人衆の誰かが、カイムに乗り移っちゃったんだ。ジョーは、ハチマキとグローブはずすわ、包丁取り出すわで、何かカイムと本気で戦うみたいだし・・・。
やっぱり何かよくわかんないけど、ボク達はアドちゃんをケンカの仲裁役として呼びに行ったんだよね。
・・・ケンカで済むレベルかな・・・。
「・・・ケンカで済むレベルじゃないわよね・・・」
クラッコに乗ったアドが、ウルルンスターの空を高速で移動しています。空からの眺めはまさに絵になるぐらいきれいですが、さすがに今回は見とれている余裕はないようです。
「あ!あの景色、後で描こうかな。ソーくんに画材代貰えるし・・・」
そうでもないようです。
「まぁ、とりあえずおいといて・・・ナッシーとモノクロが戦うのは確か、モノクロが寝返る直前以来よね・・・この星、大丈夫かしら・・・」
アドはしばらく地上を見下ろしていましたが、はっと気付いたように顔を上げました。
「ちょっと待ってよ・・・・・・ソーくんの説明だと、ナッシーはハチマキもグローブもはずしちゃってて、モノクロは黒状態になってるのよね・・・・・・つまり・・・前の戦いより、本気モードってコト?前の戦いでは、少なくとも、ナッシーは本気を出しきっていなかったんだから・・・・・・・・・・・・」
イヤな方向に想像がたどり着いてしまいそうなので、アドは再び、地上に視線を戻しました。
「ぁはははははっ!」
ダーク3人衆の誰かに乗っ取られたカイムは、楽しそうに黒いビームを横薙ぎにふるいます。ナックルジョーは姿勢を低くしてそれをかわし、バックをとろうとカイムの横側の方へ走ります。が、カイムはぴったりと動きを合わせ、背中を見せようとしません。
「僕が簡単に背中をとらせると思ってんのぉー?」
「・・・まぁ、普通にやったんじゃ、とれねーだろーな。」
カイムの周囲に次々とDARK−Fが出現します。
「喰らっちゃえー♪」
DARK−Fはそれぞれが意志を持っているかのように、四方八方からナックルジョーに向かってきます。
「お前も簡単に技を喰らわせられると思ってねーだろ?」
「まー、フツーにやったんじゃ、喰らわせられないだろーねー♪」
そう言った直後、ナックルジョーが紙一重でかわしたDARK−Fが軽い爆発を起こしました。軽いといっても、相手にダメージを与えるくらいの威力は十分にあります。
「前に戦った僕と同じと思わないでよね♪1人旅って結構成長するんだから♪見くびったら、イタい目に遭うよ〜♪」
「てめーこそ、本気出したファイターを見くびるなよ。『痛い』じゃ済まさねーぞ!」
ナックルジョーは強く地面を蹴ると、カイムへ向かって一直線に走っていきます。
「後ろに回れないからって、真っ正面はちょーっと、無謀じゃないかな〜?」
カイムはナックルジョーへ飛ばしたDARK−Fを自分の前に移動させます。
「触れても触れなくても爆発する地雷の中に突っ込むぅ?無敵技でも使ったら?」
「・・・・・・(ライジンブレイクは、まだだ。距離と爆発による抵抗を考えると、技がカイムに届く前に無敵時間がきれるし、後の隙が大きすぎる。大技のカウンターを喰らったら致命傷だ。)」
DARK−Fの壁は目前まで迫ってきています。
「・・・・・・(無敵技以外でしのぐとなると・・・)」
ナックルジョーは走りながら構えると、DARK−F1つ1つにすばやくパンチを叩き込みます。
ずどどどんっ
DARK−F全てがほぼ同時に爆発を起こし、大量の煙が立ちこめました。
「ぅっわー、『バルカンジャブ』でくるの?」
煙を突き破って、ナックルジョーが姿を現します。
「だから、無謀なんじゃなーい?」
カイムは再びビームを横薙ぎにふるいます。ナックルジョーは前方に飛び込むようにしてかわします。
「ふぇ?ちょっと前にきすぎじゃ・・・・・・!もしかして・・・」
ビームをかわした勢いで、ナックルジョーはカイムのコートに突っ込みます。カイムが普通の生き物ならば、ただの体当たりになりますが、ナックルジョーはカイムをすり抜け、後ろにつきました。
「喰らえ!」
ナックルジョーは包丁を使わず、カイムの後頭部を殴ります。
「きゃー!?」
殴られた衝撃で、カイムは滝のそばにかかった橋の上まで飛ばされました。
「あー、びっくりしたー!ちょーっと、無茶苦茶な方法なんじゃなーい?」
「お前の体型の方が無茶苦茶だろ。」
「まぁね〜♪」
ナックルジョーはカイムを睨み付けたまま、慎重に近付いてきます。そして、カイムからある程度距離を保ち、橋の上にきました。
「・・・・・・(さすがに、2回も同じ戦法は通用しねーよな。長期戦になると、ダメージを回復出来ない俺の方が不利だ。一気に叩き込まねーと・・・)」
「うーん、橋の上かぁー♪結構高いね〜♪・・・・・・長期戦や遠距離戦では僕の方が有利だけどさ、も1つ有利なのがあるんだよね♪それはねー・・・」
「・・・っ!」
ナックルジョーはすばやく上方へ跳び上がります。直後、橋の板を突き破り、ビームが飛び出してきました。
「このぉ!」
空中で身をひねり、スピンキックでビームをはじきます。
「・・・空中戦なんだ♪」
ナックルジョーの体勢が整わない間に、今度はDARK−Fを飛ばしてきます。散り散りにではなく、一塊りにしてです。
「ちっ!」
さすがに攻撃は間に合わないので、ナックルジョーは腕を十字に組んでガードします。
ずどぉんっ
「ぅわっ!?」
ナックルジョーは爆風で上空に吹き飛ばされました。そして、落ちてきます。カイムはナックルジョーの真下の空中に浮き、両手の間に球形の黒いビームを発生させています。
「コレを直に叩き込んだら、さすがのナックルジョーもダウンでしょ〜?」
「・・・叩き込めたらな・・・」
ナックルジョーは右腕に力を込め、カイムを見据えます。カイムはビームをナックルジョーに向けました。
「喰らえぇ!」
「俺のセリフだ!」
再び空中で身をひねり、天地逆転のまま、ライジンブレイクを放ちました。ビームはカイムの手から離れず、ライジンブレイクとぶつかったまま均衡状態になります。
「ファイターを見くびるなと、言っただろーが!」
互いに大技同士ですが、無敵技のライジンブレイクがわずかに競り勝ちます。そして、ビームを貫き、カイムに届きました。
「ぅああっ!?」
上下反転のライジンブレイクですので、当然、カイムは下へと飛ばされます。橋を突き破るぐらいでは止まらず、遙か下の地面に叩きつけられました。
「いった〜・・・・・・!」
橋の裏側を蹴った反動でも利用したのか、自然落下にしてはいやに速いスピードでナックルジョーがカイム目がけて降りてきます。
「このっ・・・」
カイムは「手」をナックルジョーに向かって飛ばそうとします。ナックルジョーはどこからかナイフを2本取り出すと、刃の部分を左手の人差し指と中指の間に挟み、投げつけました。
ずだだんっ
昆虫採集の様に、カイムの両手がナイフによって地面に固定されます。ナックルジョーはカイムの頭をつかみ、降りてきた勢いを利用して地面に叩きつけました。
「ぁぃたあ!」
「戦闘終了だ。」
右手の包丁を回転させて逆手に持ち、大きく振り上げました。最高点に着いた次の瞬間、カイムの頭目がけて振り下ろされます。
「・・・・・・ちょっと、待ったあぁ〜!」
「!?」
突然、アドがナックルジョーにタックルをかけてきました。相当勢いがついていたらしく、数メートルほどゴロゴロと転がります。
「何すんだ、てめぇ!」
ナックルジョーは腰にしがみついているアドを引き剥がします。
「そりゃ、私が言いたいわよ!だから、言わせてもらうわ!何してんのよ、ナッシー!モノクロ殺す気!?」
「うるせぇ!横槍入れるんじゃねーよ!」
「槍だろーが、矛だろーが入れるわよ!仲間同士ツブし合うだなんて、そんなの絶対許さな・・・」
かつかつんっ
ナックルジョーとアドの両側に、ナイフが転がってきました。
「・・・っ!邪魔だ、どけぇ!」
「きゃー!?」
ナックルジョーは薙ぎ払うようにアドを横に突き飛ばします。その直後、例の黒いビームが横一文字にやってきました。ナックルジョーは跳んで、それをかわします。
「・・・『跳んで』かわしちゃったね♪」
ナックルジョーに向かって、大量のDARK−Fがぶつかります。多少はガードしていますが、とても防ぎきれるダメージではありません。DARK−Fの嵐が終わった後、ナックルジョーの前方にカイムが浮いていました。
「僕の方が有利って言ったでしょ♪」
セリフを言い切るのと同時に、スピンキックをナックルジョーのみぞおちに叩き込みます。ナックルジョーは衝撃で吹き飛ばされ、岩壁に叩きつけられました。
「・・・っ・・・・・・」
ナックルジョーは軽い咳のような息をのどの奥から吐き出します。
「まだまだー♪」
カイムはさっきライジンブレイクに競り負けたビームを放ちます。ナックルジョーは避ける暇がありません。
ずどおぉんっ
「ナッシー!」
爆発の煙が去った後、ナックルジョーが俯せに倒れているのが見えました。
「ビンゴー♪」