吸引戦隊カービィファイブ
〜ようやく戦闘終了〜
前回の出てない杭的なあらすじ
はあぁ〜い♪くさもっちだよ。
ソービィだけど・・・何かあらすじ、ボク達を侮辱してない?
ボクの個性って、俳句を詠むぐらいだしなぁ・・・。
川柳でしょ。ボクも理系っぽい頭脳派ってぐらいだし・・・。侮辱じゃなくて、真実・・・?
ティンクルスター曰く「今の私だったら、『理系っぽい頭脳派』というだけでソービィを『マッドサイエンティスト』にしたかも。」だってさー。キャラ立ちと己の趣味の両方を同時に処理しているね。
・・・・・・・・・あ、あらすじいこう、あらすじ!
ルートから逃げ切れてなかったから、カイムは「自分が足止め役をするから、3人は逃げて」って言ったんだよね。
けど、総反対を喰らったんだよね。・・・いや、ジョーは微妙に違うか。
そこで、読者はとっくに忘れていたであろう「王様ゲーム」発動!・・・う、イヤな記憶が・・・。
ジョーに「2人を連れて逃げて」って命令したんだよね。
一旦は命令を聞くも、「逃げ切れとは言っていない」と言葉尻をとらえて、アドちゃんとリボンちゃんを逃がして自分は帰ってきちゃった。
うーん・・・「揚げ足を 取って現場に 舞い戻り」・・・こんな感じ。
というわけで、ボクにとっては「何としてでも挑みたくないコンビ」で戦闘みたい。
そびくん、マッドサイエンティストとしての見解はどう?
マッドサイエンティストじゃないもーん!
て言うか、やっぱり川柳じゃないか!
「えぇと・・・えぇと・・・」
せわしなくきょろきょろと首を動かしながら、リボンはウルルンスターの空を飛んでいきます。ある地点でクリスタルの輝きが増したので、地上を注意深く見回しました。磯の所に見覚えのある色とりどりの球体達を確認し、安堵の表情を浮かべて下降します。
「何てコトをするんだ、きびりぃーん!」
「あ、あの・・・」
「セイトウボウエーだよ、ソーちゃん。」
「ウソつけぇぇ!ロクに確認もせずに、大技をかまして!3人共、こんなんになっちゃったじゃない!」
カービィ、くさもっち、うめぼっちの3人が、打ち上げられた水死体の如く岩場に寝そべられています。
「だって、カビちゃん達が三色海坊主に化けてたんだもん。」
「化けて、なぁいいぃ!」
「あの、私・・・」
「ソーちゃん、あまり怒鳴ると寿命が縮むよ。カレーを食べる回数が減っちゃうよ。」
「誰のせいで怒鳴っていると思ってんだぁっ!」
「アドさん達が・・・」
「あ、リボンちゃんだ。カレー、食べるぅ?」
「わ、悪いですけど、結構です・・・。それより・・・」
「リボンちゃんも、何とか言ってやってよ!ボクもぅ、血管切れそう!」
「いえ、それどころじゃないんですけど・・・」
「そうだよ!モタモタしてたら、カレーが冷めちゃうよ!」
どがぁっ
限界突破したソービィは、アイス+カッターでキービィを蹴り飛ばしました。
「話、聞いてほしいんですけど・・・」
同じ海の側でも、明らかに空気の色が違う一方では。
「最強コンビだか何だか知らねぇけどさー・・・・・・人数がちょっと増えただけで勝てるとでも思ってんの?」
ルートは言い終わると同時に、ナックルジョーとカイムに向けてNOTHING−CRを放ちます。2人は、左右に分かれて避けました。
「駄作とは違うんだよ!」
誰もいない空間を通り過ぎようとしたNOTHING−CRは軌道を変え、カイムを追尾します。
「・・・・・・」
カイムは足を止め、向かってくるNOTHING−CRを凝視します。
「・・・見つけっ!」
衝突の直前、NOTHING−CRの二ヶ所を手で押さえつけ、止めました。
「重心さえ見切っちゃえば、受け止めるぐらい何でもないね〜♪」
「で、どーするつもりなんだよ?お前の力じゃ、直線的に押し返すのが精一杯だろ?そんなの、ハズれるのは目に見えて・・・・・・!」
ひゅんっ
ルートが姿勢を低くした次の瞬間、ルートの頭があった位置をナックルジョーのスピンキックが通過します。ナックルジョーはそのまま間髪入れず、高速の攻撃を叩き込みます。全て防御されますが、あまりの矢継ぎ早の攻撃にルートは防御を中断することができません。
「・・・動きは止めたみてぇだけど、金髪、お前が至近距離にいたんじゃ、あいつは攻撃できな・・・」
どんっ
カイムは、押さえていたNOTHING−CRをルートへ向けて放ちました。
「・・・死なばもろともってか?悪いけどな・・・」
ルートは連打をかいくぐり、ナックルジョーの右肩に手を押しつけます。
「てめぇだけ死んでろ!」
ずどんっ
手を押しつけたまま、小規模のNOTHING−CRを炸裂させました。ナックルジョーは衝撃に顔をしかめましたが、すぐさま薄い笑いを浮かべます。
「!?」
ナックルジョーは、その場から離れようとしていたルートをつかみ、地面を強く踏み込みます。
「当たらねーんなら・・・当たってもらおうか!」
渾身の力を込め、ルートを迫り来るNOTHING−CRへ投げ飛ばしました。
ずどぉんっ
NOTHING−CRがルートに直撃します。爆発で大量の砂埃が巻き上げられ、辺りは見渡しがきかなくなりました。
「・・・どーお?やった?勝った?・・・・・・僕もー、立てませ〜ん。」
カイムは安定の悪い看板のようにばたりと後ろへ倒れます。
「後先考えずにムチャやってるから、そーなるんだ。」
「投げ技喰らわす隙を作るために、わざと攻撃喰らった人に言われたくありませ〜ん。」
「なぁるほど。やられたな。」
「!」
砂埃が収まった後、仰向けに倒れているルートの姿がありました。そして、何事もなかったかのように上半身を起こします。
「駄作と接近戦オンリーでも、組み合わせたらそれなりにやるってコトか。やっぱ、1人ずつ叩くべきだな。」
ルートはだるそうに、カイムを指差しました。
「ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な。」
ナックルジョーとカイムを交互に指差し、最後はカイムで止まります。ルートは服の土を払いながら立ち上がりました。
「・・・じゃ、まずは駄作から・・・」
再度、ルートへ向けてナックルジョーのスピンキックが放たれます。しかし、ルートは軽く受け流してしまいました。
「あのさぁ、金髪・・・・・・順番変えても、いいんだぜ?」
先程NOTHING−CRを喰らわせた箇所と全く同じ所に、多少威力を高めたNOTHING−CRをぶつけます。
「ぅああっ!」
ナックルジョーは衝撃ではじき飛ばされ、地面を転がります。
「顔には出てねぇけど、ダメージの影響はアリアリだな。動き鈍くなってるぞ。」
「この・・・」
カイムは必死に体を起こそうとしますが、ルートに頭を押さえつけられ、元の状態に戻されました。
「えぇとさぁ、命令としては『カイムはなるべく生け捕りにしろ』なんだよなぁ。自力成長を遂げたアタリに興味があるとか何とか。まぁ、無理そうなら、とりあえず核の残骸とかだけでもいいらしいんだけど。」
しゃべりつつ、ルートは少しずつカイムから邪悪な物質を分離していきます。
「ここらが消滅ギリギリラインだな。・・・で、お前、どっちがいいんだ?」
「・・・・・・」
「さっさと言えよ。生きて連れて行かれるのと、死んで連れて行かれるのと、どっちがいいかって聞いてんだよ!」
「ぐぅ〜いぃ〜!」
「!?」
どかぁっ
突然、森の方からグーイの舌が伸びてきて、ルートを薙ぎ払いました。
「・・・あんの勢い女が・・・」
悪態をつきながらも、ナックルジョーはカイムの襟首を掴んで森の方へ走ります。
「ほらほら!役に立ったでしょ、ナッシー!あんたの理論を覆してやったわよ!」
「だから、浮かれるな!」
「わかってるわよ!」
アドはスケッチブックの別ページを開きます。
ずごごごっ
前のように、木々のバリケードが築かれました。
「これで、ちょっとは目くらましになるでしょ?今のうちに距離を取って・・・」
「伏せろ!」
「え?・・・きゃっ!」
アドはいきなりナックルジョーに腕を引かれ、地面に倒れ込みます。
ひゅっ
森の中を黒い線が通り過ぎます。少し間をおいて、木が幹からばたばたと倒れました。
「同じのが通用すると思ってんだ?随分カルい助けが来たな。」
ルートの手には、黒いビームが握られています。
「うそー・・・ちょっと早すぎ・・・」
アドはすっかり開けた視界を見渡し、呆然としました。
「・・・案の定だ。もういい!お前はさっさと逃げてろ!」
「あ!いいコト思い出した!ナッシー、こっちよ、こっち!」
「お前、ヒトの話を・・・」
今度は逆にアドがナックルジョーの腕を引いて、森の方へ走ります。
「無事逃がしてもらえるなんて、思うなよ!」
ルートは3人に向かってNOTHING−CRを放ちます。
「ナックルジョー、コレコレ。ラストだけど・・・」
カイムは回復用の邪悪な物質をナックルジョーに渡します。ナックルジョーは受け取り、すぐにNOTHING−CRへ向けて投げつけました。
どんっ
NOTHING−CRと邪悪な物質がぶつかり合い、相殺されます。
「結構、威力あるのね。」
「エネルギー総量は負けてるけど、圧縮解除時の衝撃で威力を稼いでるから・・・」
「てか、あんたまた、髪の毛ほぼ真っ白になってるじゃない!何度死にかけたら気が済むのよ!さっきのも、回復に使いなさいよ!」
「それより、アド。お前、ドコに向かって・・・」
「もうすぐ、もうすぐ。・・・ほら!」
途端、周囲に木が無くなります。と同時に地面もなくなります。代わりに、真下には水が流れていました。
だぼぉんっ
全員一斉に川に飛び込みました。と言うより、落ちました。
「・・・ぷはっ!この辺に川があったのを思い出したの!コレなら移動は速いし、水に潜れば攻撃も・・・」
話しかけている人物がいるであろう空間には、水が流れているのみです。
「きゃー!?」
アドは慌てて川に潜ります。少しして、ナックルジョーとカイムが水面から顔を出しました。
「・・・アド。お前、助けに来たのか、トドメを刺しに来たのか、どっちなんだよ。」
「ちょーっと、うっかりしてただけじゃないの・・・」
「だから、そーゆー奴が戦闘に参加するなっつってんだ!」
「いいじゃないのー!さっき役に立ったじゃないー!」
「いつまでそのコトを持ち出す気だ!」
「あ、あのさー、アドちゃーん・・・」
「何よ?」
「この川さぁ、ミョーに流れが速くなーい?」
「ちゃかちゃか移動できていいでしょ?」
「そーじゃなくてさぁ・・・」
「大体予想できるが・・・この先、何がある?」
「えーとねぇ・・・確か滝があったハズよ。」
「・・・・・・・・・」
ナックルジョーとカイムは、当たって欲しくなかった予想が当たった顔を見合わせました。
「・・・あ。」
アドが2人の表情の意味に気付いた瞬間、全員空中に放り出されます。
「いーやー!?落ーちるぅー!」
「よいしょお!」
カイムはナックルジョーとアドの腕を掴み落下を防ごうとしましたが、余力が足りず、激突速度を遅めることしかできません。
「む〜、けっこーキツ・・・わぁっ!?」
真横から突然、NOTHING−CRが飛び出してきました。当然、カイムは避けることができず直撃し、森の奥へと吹き飛ばされます。
「モノク・・・」
言い切らないうちに、アドはナックルジョーに水中へと引きずり込まれます。水面に2発目のNOTHING−CRが衝突し、大量の水ごと2人を地面へ飛ばしました。
「いったぁ〜・・・・・・!」
10メートルほど前方には既にルートが立っており、斜め上からリーチを伸ばしたビームを振り下ろします。
「きゃ・・・」
「このっ!」
ナックルジョーはビームの軌道上に出て、右上から振り下ろされるビームを左手に握ったナイフで受け止めました。
「・・・はは。残念だったな、金髪。フツーの武器じゃなくて、ビームで。」
ルートはナイフで受け止められた部分より少し手前でビームを切り離します。押さえを失ったビームはそのまま振り下ろされました。ビームの切っ先が通った跡には、赤の線が走ります。
「ナッシー!」
「コレで1人終了だな。」
ルートはビームを手前に引き、ナックルジョーへ向けて突き出します。
とんっ
突き刺さる直前、ナックルジョーは軽く地面を蹴り、ビームの上に着地しました。着地すると同時に、ビームの上を走り、ルートとの距離を一気に詰めます。
「ちっ!」
ルートは空いている方の手で小振りのNOTHING−CRを放ちます。しかし、これも当たる直前、ナックルジョーはビームを蹴って跳び、かわしました。そして空中で身をひねって着地し、ルートの背中を取ります。
「この・・・」
ルートはビームを振るいながら振り向こうとしますが、それより速くナックルジョーはスピンキックを叩き込みました。スピンキックはきれいに入り、ルートははじき飛ばされます。
「やった、やった!泳げなくても格闘家!やるじゃな・・・」
アドはナックルジョーの背中を叩こうとしましたが、手は空を切ります。視線を下に落とすと、ナックルジョーは倒れ込んでいました。
「え、ちょ、ちょっと・・・何やってんのよ!今のウチにドンドン攻撃しちゃいなさい・・・よ・・・」
アドは話しかけるためにしゃがんで地面に手をついた時、水とは別の液体に触れました。
「・・・ひっ・・・」
ナックルジョーは喉の奥に水が詰まったような音の息をしています。
「や・・・やだ、ちょっと・・・しっかりしてよ・・・」
「・・・っ!」
ナックルジョーは手で地面を押し体を横に起こすと、アドを蹴り飛ばしました。
「きゃ!?」
アドは後ろへと転がり、ナックルジョーも蹴った反動で反対側へ転がります。
どぉんっ
今まで2人がいた場所にNOTHING−CRが激突しました。ナックルジョーは何とか立ち上がりますが、少しの間もおかずに、土煙を破ってルートが背後に現れます。ナックルジョーは振り向き、両腕を横にして体の前に出し、地面を蹴って後ろへ跳びます。次の瞬間、ルートのスピンキックがナックルジョーに叩き込まれました。ガードをして後ろへ跳んだものの、衝撃を流しきれず飛ばされます。
「・・・きゃっ!」
アドのすぐ近くの木の幹に、ナックルジョーは叩きつけられ、俯せに倒れました。
「回避できないと判断して、とっさにダメージを最小限に押さえる方にしたか。・・・お前、楽に死ねないタイプだな。」
アドはナックルジョーの腕を抱えて、立とうとします。
「動くな。」
ルートは右手を2人に向けます。アドは一瞬びくっとし、動きを止めました。
「動くと、殺すぞ?・・・・・・まぁ、動かなくても殺すけど。」
NOTHING−CRが放たれます。すると、近くの茂みからカイムが飛び出してきました。
「モノクロ!?」
カイムは全身でNOTHING−CRを受け止めます。後ろへ倒れかけましたが何とか踏みとどまり、ルートを睨み付けました。
「お前、まだ動けたわけ?しぶといな。」
「ちょっと・・・モノクロ、あんた大丈夫なの!?・・・モノクロ!」
カイムはアドの呼びかけには応えず、NOTHING−CRの攻撃準備をし始めます。NOTHING−CRの大きさが増すにつれ、カイムの体から、黒い電撃がパリパリと発生しました。
「ちょっと、モノクロ!あんた、消滅寸前なんでしょ!止めなさいよ!」
「大丈夫だって〜♪何が何でも、あいつは倒すからさ♪」
「でも、あんた、消えちゃうわよ!」
「・・・僕さぁ、クモがメチャメチャ怖いんだよね。」
「・・・は?」
「もー、死ぬ程怖い。て言うか、死ぬより怖い。怖くて怖くてたまらないんだよね。」
「何言って・・・」
「でも・・・友達に死なれるのが一番怖い。」
NOTHING−CRの大きさが増すのが止まります。
「モノクロ、止め・・・」
ぐい。
「ふぇ?」
カイムは突然、片足を後ろへ引かれます。
べしょんっ
「ぅに゛ゃぁっ!」
当然、バランスを崩して顔から地面に激突しました。NOTHING−CRはキャンセルされ、黒い電撃も収まります。
「きゅー・・・」
カイムの足首を、赤く染まった手が掴んでいました。
「どいつもこいつも、勢いで勝手なコトしやがって・・・」
「ナッシー!」
「ふーん。そぅくるか。駄作を犠牲にしたら、ソコソコいけたかもしれねぇのになぁ?」
ルートは再び、NOTHING−CRを発生させます。
「じゃあなー。・・・ん?」
ルートは森の奥へ視線を向けます。
「何だ、アレ?」
森の奥から、赤の球体を乗せた緑の球体が突進してきます。
「あ、サーくんにメーくん!」
「喰らえぇ!スパーク+バーニン・・・」
すかっ
「ぐぅぅぅ・・・」
だぱーん
くさもっちとうめぼっちは素通りし、川に突っ込みました。
「前見て走れ、マッくん!」
「炎に包まれて、視界が悪かったのー。」
「ああぁ、流されるぅ〜・・・」
ルートは怪訝な目つきで、プカプカしているくさもっちとうめぼっちを見ます。
「・・・マジで何だ、アレ?」
ナックルジョーとアドは、疲れが一気に顔に出てきました。
「まぁ、いぃか。とりあえず、駄作。お前等が先な。」
ルートはNOTHING−CRを放ちます。直後、森の中からスパーク+ストーンを振りかざしたキービィが飛び出してきました。ただし、ビームの先にあるのは通常の岩でなく、ストーン+ストーンのカービィです。
「飛んでけ、カビちゃーん!」
キービィはカービィをNOTHING−CRの軌道上に投げ飛ばしました。NOTHING−CRとストーン+ストーンはしばらく拮抗し、NOTHING−CRは爆発します。しかし同時に、カービィのストーン+ストーンも解除されました。
「きゃあ!・・・ストーン+ストーンは無敵技なのにぃ・・・」
「カーくん、他のみんなは!?」
「ちゃんといるよー!ソービィ、うめぼっち!頼むよ!」
「おっけ!ほしりーん!」
うめぼっちはいそいそと川から上がります。
「ボクの『ファイア』とアッくんの『アイス』をミックスして・・・」
ソービィはうめぼっちの上に飛び乗り、一瞬で氷漬けになりました。
「アイス+バーニングぅ!」
うめぼっちの体から炎が燃え上がり、ソービィの氷を瞬く間に溶かします。辺り一面、水蒸気で真っ白になりました。
「そんな目くらましで、どうするつもり・・・・・・!」
ルートは小さめのNOTHING−CRを地面にぶつけ、水蒸気を吹き飛ばします。目の前に、カービィ達の姿は既にありませんでした。
「・・・ちっ。クリスタルによる惑星間ワープか。追いかけるには結構時間がかかるから、また逃げられるのがオチだろぉなー。・・・一旦帰るか。」
ルートはクリスタルが飛んでいったであろう空を仰ぎ、薄く笑いました。
「リップルスターを楽しみにしてろよ?」
カービィ達は、鬱蒼としたジャングルの中に出現します。
「ふぃー・・・・・・ねぇ、アドちゃん。また厄介なキャラが増えちゃったわけぇ?」
「まぁ、そんなトコ。」
「・・・つまり、また少しボクのキャラが薄くなるってコトですか?」
「そーゆー言い方はどうかと思うわよ、カーくん。」
「ちょっとー!2人共ストップー!」
「満身創痍なら、それらしくして下さいっスー!」
「何、どしたの・・・んなっ・・・」
くさもっち達が騒いでいる先に、ナックルジョーと、ナックルジョーの胸倉を掴んだカイムがいます。
「何で・・・何で止めたんだよ!助かったから良かったようなものの・・・」
「消えぞこないのお前1人が犠牲になる程度で倒せるなら、とっくの昔に倒してんだよ!無駄死にされたら迷惑だと言っただろーが!お前が死んだら、戦闘関連の面倒事は十中八九俺に回ってくるんだ!」
「おっしゃるとおりでございます。」
カービィは丁寧にお辞儀しました。
「もぅ、死なれるのはイヤなのに・・・」
「・・・・・・」
ナックルジョーはカイムの手を振り払い、後頭部をとらえます。
「・・・はぃ?」
どごぉんっ
そして、思い切り地面に叩きつけました。
「お、おお〜・・・頭半分くらいめり込んでる・・・」
ナックルジョーはカイムの襟首を掴み、地面から引き上げました。
「おい、アド。」
「な、何?」
「こーゆー時、お決まりのセリフがあるだろ?どー考えても俺が言うようなセリフじゃないから、お前が言え。」
そう言うと、カイムをアドへ投げつけました。
「・・・・・・わかったわよ。」
今度はアドがカイムの胸倉を掴みます。
「このジコチュー葬式頭!」
「・・・ふぇ?」
「私達もあんたに死なれるのはイヤなのよ!」
「・・・・・・」
「あんまりジコチューやってると、金髪になるわよ。」
「・・・何、ソレぇ?」
「・・・もしそうならボク、一部の読者から不評喰らってもジコチューしちゃうなぁ。」
「カビちゃんに金髪生えても、虚しいだけだと思うよ。」
「・・・・・・・・・」
カービィは人が殺せそうな程の憎しみの目でキービィを睨みます。
「とにかく、自殺行為な攻撃はもうしないでよね!」
アドはカイムの胸倉から手を離し、人差し指でカイムの額を押します。
ぼてっ
何の抵抗もなく、カイムは仰向けに倒れてしまいました。
「えっ、えっ!?」
「凄い、アドちゃん!指一本で!」
「ちっ、違うわよ!ちょっと突いたダケよ!」
「今度こそホントに、僕もー、立てませ〜ん。」
「ねぇねぇ、ジョーも倒れたよ。」
「ぇえー!?」
「さすがに、あれだけ出血するとキツいな・・・」
「どーすんスか、どーすんスか、どーすんスかー!」
「ひゃー!ひゃー!ひゃー!」
カービィはその場をぐるぐると走り回っています。
「かびりん、隊長らしく、隊長らしく!」
「カーくんはとりあえず、すっぴんビームね。えーと、モノクロはどうしたらいいのよ?」
「アド。お前、グーイで敵1匹捕まえたろ?そいつで回復できるんじゃないか?」
「はいはーい♪大丈夫、ソレで回復できると思いまーす♪」
「ひゃー!ひゃー!ひゃー!」
「・・・きびりん、ちょっとかびりんをどついてくれないかな?」
リボンはその光景を、少し安心した顔で見ています。
「誰も欠けなくて、良かったですね。」
「それはともかく・・・ウルルンスター編でのワシ等の出番は無かったな・・・」
「あ!今しゃべったから、無くはないっスよ!」
「・・・・・・・・・」