アフリカからの手紙
会長 村上和栄
10月17日夜から18日未明にかけての台風10号は各地に大きな爪痕〈つめあと)
を残しました。津山は50年ぶりの水害で、会員の中にも床上浸水などの被害を受
けた方もいらっしゃいます。車が水につかって動かなくなった方も多数いらっしゃ
るのではないかと思います。被害を受けた皆様には心からお見舞い申し上げます。
また、災害復旧に関わっていらっしゃる皆様、ご苦労さまです。無理を承知で働く
こともあろうかと思いますが、お疲れを出されませんように。
さて、先日ニジェールのハジョさんから手紙をいただきました。内客は「みなさ
んお元気ですか。私は元気に暮らしています。津山では大変よくしてもらってずっ
と感謝しています。生徒たちに日本人の親切と日本の美しさを話すと、子供たちも
『日本に行きたい』と言っています。いつかニジェールで逢いましよう」というも
のでしたが、東京中央の消印のある日本の切手が貼ってありました。おそらく“第
2回アフリカ開発会議”に出席する人に手紙を託したのでしょう。自国からは手紙
が届かないおそれがあるので、このように来日する友人に手紙を託すアフリカ人が
けっこういます。それに航空郵便の切手代は食費に比べるとずいぶん高く感じられ
ますしねえ。
また、トーゴの大学で教鞭をとっている見知らぬ土木技術者からは「青年招へい
事業のプログラムを見ました。私もこのプログラムに参加して日本で研修したいで
すが、どこかの事務所か会社で地震に関連した土木の研修ができないでしょうか」
という手紙が届いています。津山国際交流の会等では対応できないので、JlCA
の協力員に情報提供をお願いしています。ちなみに、昨年トーゴから来たのはアン
ジェルさん、一昨年はローズさんでした。
このようにアフリカにも我々の活動が広まっています。来年はぜひまた“青年招
へい事業”の地方プログラムを受けて、素晴らしい出会いを実現したいものです。
「国際協力の日」記念事業 国際貢献・協力NGO活動紹介展
(財)岡山県国際交流協会主催の国際貢献・協力NGO活動紹介展が10月23日
(金)〜27日(火)の10:00〜20:00(最終日は17:00まで)ジャ
スコ津山店1Fいこいの広場で行われました。津山国際交流の会は「緑の協力隊」
「世界と語ろうin倉見」「アフリカ青年招へい事業」の写真パネル20点を展示し
ました。会場には「青年海外協カ隊岡山県OB会」「ラオスを愛する会」「津山ユ
ネスコ協会」「国際ソロプチミスト津山」の写真展示、外務省・JICA・各種N
GOなどのパンフレットや資料展示(持ち帰り自由)、ラオスの民芸品の展示即売
などもありました。今回の津山国際交流の会の写真は鏡野町のマエハラ写真で立派
なパネルにしてもらったので、「プロの方が撮られたんですか?」と尋ねた人もい
ました。会場には“国際フオーラム”No.120〜124を増刷して持参しましたが、たくさん残ってしまいました。パンフレット類ではJlCAの“シニアポランティア”
(40歳以上の海外技術協力ボランティア、青年海外協力隊のシニア版)のパンフ
レットが土曜日の午前中にはなくなりました。中高年の方々の意識の高さがうかが
われます。また、写真やマンガがたくさん入った資科やパンフレットの売れ行きが
よく、文章だらけのものは敬遠される傾向がありました。ただし、文章と表とグラ
フだらけの“ODAに関する国民意識調査”とか、厚さ2cmはあろうかという“O
DA評価調査報音書”なども結構持ち帰る人がいて,「ODAにそんなに関心があ
るのかなあ?」と不思議に思いましたが、国際協カに関心のある人が多いのであれ
ぱ、津山国際交流の会に関心を持つ人も多いでしょうから、歓迎すべきことでしょ
う。 |
度々、旅
先日来、NHKの「ラジオ談話室」という番組で「時速5キロで見た世界」と
題して冒険家の長瀬ただしさん(漠字が分かりません、悪しからず)のイン
タビューを放送していた。長瀬さんは、かつてリヤカーを引いてアフリカ大陸
を旅したことがあり、近年はアジア各国を歩いて旅しているそうだ。なぜ、何
のためにという問いに対してはどんな回答もこじつけにしかならない。私の心が
欲するから、ただそれだけである。
長瀬さんは、これまでの苦楽を一様に柔らかな語り口で淡々と話していた。
サハラ砂漠の砂の軟らかい所では、長さ1.8メートルの板2枚を平行に並ベ、
リヤカーを前進させてはまた板を並べる、という作業を繰り返したそうだ。ど
うしてこんなことしてるんだろう、と2時間も3時間も泣きながら歩いたこと
もあり、行く手を阻む砂嵐を罵倒したこともある。苦しいときには、亡くなっ
たお母さんの顔が傍らに大きく現れて話しながら歩いたそうだ。また、サハラ
を北上して地中海が見えたときには命のふるさとへ帰ったような気がした、と
語っていた。旅を振り返ると、ケニヤからフランスまでの1年あまりが10年
間位経ったように感じたそうだ。魂の存在を信じる人にとっては、その思想を
裏付けるような貴重な体験談であるように思った。
こんな話を聞きながら私も旅をしたくなってきた。松尾芭蕉のように「道祖
神の招きに会ひて」の気分である。ただ、「とるものもとりあへず」という訳
にはいかない。しかし、これまでもそうだったように、行きたい行きたい、と
念仏のように唱えていればいつか必ず機会が得られると信じている。
(岡本−育Q−久美)
あの台風により津山市内も50年来の水害を受ける
急きょ設置されたボランティアセンター本部の前にぞくぞくと人が集まってきます。
長靴をはき、手には軍手、タオルなどを持ち。
本部の指示により4〜5人ずつのグループになり被災者の方々のお宅へと次々に出発
します。全く知らない者同士ですが気持ちはひとつ。 |