吸引戦隊カービィファイブ
〜ハイパーゾーン突入!〜
前回の荒めなあらすじ
はあぁーい♪カービィだよん。ついに単独64デビューなんだね〜!ぃやったぁーっ!キービィに頼んで、今日はお赤飯だぁ〜♪・・・あ、でも、カレーかけて食卓に出しそーだから、やめとこ・・・で、何だっけ?あ、あらすじだ。あのね、カイムがね、攻撃してきたんだよ。いきなり敵っぽくなられても、困るよねぇ。それでね、何とか倒したの。てゆーか、カイムが勝手に倒れたって感じだったけど。・・・とにかく、これから、どーすればいいのかなぁ?
(・・・ユーア。今度は『2人』で見られると思う?)
(・・・うん。きっと、見られる。だから・・・カイム、その人を絶対に死なせないでね。私は・・・もぅ・・・カイムといっしょに見られないから・・・)
がちゃんっ
陶器が砕ける音がします。カイムはゆっくり目を開きました。
「きゃ〜、こぼしちゃったぁ!」
「夢かぁ・・・初めて見たなぁ・・・何やってんのぉ?」
「おカユ持ってきてあげたんだけどねぇ、落としちゃったぁ。・・・あれ?起きたの?」
「気づくのが、おっそいんじゃなーい?・・・何で僕、桃くんのベッドの上にいるのぉ?」
「ボクと、かびりんと、きびりんと、もちりんと、ほしりんが運んだから。大変だったんだよぅ。トドメさそーとするジョーをみんなで一生懸命止めたんだよ。敵とはいえ、気を失ってるのに攻撃するなんて、正義の味方のするコトじゃないよね。」
「わーぉ♪正義の味方ぁ?戦隊モノみたいな響きだね♪」
「いや・・・そーなんだけど・・・」
「で?」
「ふぇ?」
「僕が聞きたいのは、『僕を助けた理由』。攻撃したくないんなら、そのままほっておけばいい。わざわざ助けなくてもいいよね?」
「えーとね・・・それはね・・・」
「ソービィ、カイム起きたの?」
カービィ達4人がどやどや入ってきます。
「あーっ、ボクの力作、お腹に優しい、カレーとおカユのブレンド料理『カゆレー』がこぼれてるぅ!」
「香辛料バリバリのお腹に優しい料理?」
「あ、ちょーどいいや♪桃くん達5人、満場一致で僕を助けた理由を聞かせてもらお♪」
「ボクのカレーをおいしいって食べてくれたから!」
「それは、キービィの個人的な理由でしょ。」
「ポポくん、代表で言ってよ。」
「え、ボク?」
「桃くん、聞かせてよ♪」
「・・・あのね、すっごいバカみたいだけどね・・・実際、ジョーに話したら、『そんなバカらしい理由で助けるのか?・・・どーなっても、知らねーぞ。』って言われたんだけどね・・・」
「いいよ♪聞かせて♪」
「・・・イヤだったから・・・」
「・・・何が?」
「カイムの歌とギターが聞けなくなるのが・・・イヤだったから。」
「・・・」
「攻撃してもいいからさ・・・もう一回聞かせてくれる?」
「・・・そんなコト言われたんじゃ、もぅ攻撃できないじゃ〜ん♪・・・リクエストは?何百曲でも、まかせて♪」
「じゃ、『Don’t Say You Love Me』!」
「ボクは『It Was You』!」
「それから、『I2I』!」
「ね、ジョー。助けても大丈夫だったでしょ?」
「きゃああぁーっ♪ナックルジョー♪足折って、ごっめぇ〜ん♪大丈夫ぅ?」
「いちいち、ひっついてくんなぁーっ!餅ぃ!俺はな、攻撃してくるとかより、こっちの方が困るんだ!」
ナックルジョーはカイムを引き剥がすと、カービィに投げつけました。
「桃くんも好きだよ〜♪」
「ひいぃーっ、離してぇぇ〜!」
「・・・カーくん、何で顔が赤いのよ・・・」
「べべべ・・・別に、変な意味はないよ!誰であろーと、抱きつかれたら、顔が赤くなるもんじゃないの!?」
「カーくんのバカーっ!」
アドのストレートパンチがカービィの顔のど真ん中にクリーンヒットします。
「ボクが悪いのーっ!?」
「みたいだね〜♪」
「元凶はカイムでしょーっ!」
「で、何の用で呼んだんだ?」
「あ、はいはい〜♪」
カイムはカービィを床に降ろしました。
「僕、寝返ったから♪」
「さっきまで、眠ってたもんね。」
「いや、そーゆー意味じゃなくて・・・スパッと言っちゃえばぁー、ゼロ様裏切ってぇ、こっちにつくってコト♪」
「・・・あっさり言ったねぇ・・・」
「いいじゃない♪読んでる人のほとんどは、こーなるのを予測してたんじゃない?」
「それで?用事は現状変化を伝えるってコトだけじゃないんだろ?」
「そうそう♪ハイパーゾーンに案内しよーかと思って♪」
「それって・・・本拠地?」
「うん♪この星でのね♪ポップスターの中心部にある黒い雲がそう♪」
カービィが困った表情でカイムに話しかけます。
「でもさー・・・どーやって行くの?グーイ、修復にだいぶかかるし・・・直ったとしても、重いからあんまり高くは飛べないし・・・」
「カーくん達なら、自分で飛べるでしょ?飛べない私とナッシーはクラッコの背中に乗れば・・・」
「あ、アドちゃん、それは無理〜♪ハイパーゾーンの周りは、風の流れが強いんだ。桃くんやクラッコは軽いから、流されちゃうよ。」
「あんたはどーやって、毎回毎回ハイパーゾーンに帰ってたのよ。」
「僕は、空気の抵抗が少ないしー、空中で加速できるし♪」
「ジョー・・・どーしよー・・・」
「コネ使えばいーじゃねーか。」
「・・・あ。」
「このハルバードを使って、あの雲まで行くだと!?」
「お願ぁ〜い、メタナイト〜♪」
「よかったねぇ、カビちゃん♪『メタナイトの逆襲』をクリアしてなくて♪」
「こっから、乗り込むんだなー?」
ナックルジョーはずかずかとハルバードに入っていきました。
「お、おい!まだ決めたわけじゃないぞ!」
「お願ぁ〜い。」
「何の義理があって、お前達にこの艦を貸さねば・・・」
「じゃあね、帰ったら、決着つけるってコトで♪」
「・・・本当だろうな。」
「うん、うん!」
「・・・わかった、乗り込め。離陸は30分後だ。」
「え〜、ここ、牛肉置いてないのぉ!?カレー作れないじゃない!」
「昨日、全部使ってしまったダスから・・・」
「・・・冗談じゃないよ。買ってこよ!」
「だめダス!離陸10分前ダス!コクピットで大人しくしてるダスよ・・・」
メスナイトはキービィをひょいと持ち上げると、コクピットに連れていきました。
「や〜ん、離してよぅ!ビーフカレー作りたいんだからぁ!」
「帰ってからにするダスよ。」
コクピットに着きました。
「ワドルディ、シールどーしたのぉ?」
「あぁ、あれね。ありがとねぇ♪机に貼ったよ。」
「これから・・・飛ぶんだよね・・・何か、酔いそう・・・」
「しっかりしてよぅ、ほしりん。おヘソの周りに梅干し塗ったら、酔わないんだって。あ、でもほしりんは全身梅干しだから・・・」
「梅干しじゃないもーん!」
「機械だらけだねー・・・もーちょっとさー・・・わびさび出せない?」
「・・・戦艦にわびさびが必要なのか?」
「あれ?ジョー、どこ行くの?」
「何でお前に言わなきゃならねーんだよ。」
「ねぇねぇ、ジョー。ボク、カレー作ろーと思ったら、牛肉がなかったの。でね、買ってこよーと思ったのに、ダメだって言うんだよ。何とかしてよー・・・」
「自分の肉でも使ってろ。」
ナックルジョーはそう言うと、コクピットから出ていってしまいました。
「・・・自分の肉・・・そーかぁ・・・その手が・・・」
「だめだめ!ここで大人しくしてるダス!そんなん、調理場で作られたら、たまらんダス!」
カイムは通路の窓から外の景色を眺めています。
「おい、カイム。」
「あ、ナックルジョー♪きれいな景色だよねー♪」
「俺は景色とかに興味はないから、わかんねーよ。」
「用件は何ー?無意味にうろつくよーなキャラじゃないでしょ?」
「・・・なぜ、本気を出さなかったかを聞きに来た。」
「はいぃ?」
「最後に使った大技、本当の威力はあんなもんじゃねーんだろ?」
「えー、何でそんなコトわかるのさぁ。」
「お前の髪の黒い部分。」
「え?」
「大技を使った時、ほとんどの黒い部分が白くなったろ?今も白い部分の方が多いな。おそらく、黒い部分は体内のエネルギー残量を表してるんじゃないのか?」
「わーぉ♪大当たりぃって感じ?僕の髪の黒い部分は『邪悪な物質』の量を表してるんだ♪僕はゼロ様の分身ってコトになってるけど、生きてくのには『邪悪な物質』が必要なんだよね。もちろん、あの赤いのを飛ばすとかの攻撃にも必要だけど。・・・で、そのコトで何で、本気を出さなかったってわかるの?」
「髪にはまだ、ところどころに黒い部分が残っている。全力であの技を使ったら、黒い部分はなくなるんじゃないか?」
「うーん、ほぼ当たり♪全部はなくならないよ。『邪悪な物質』は生きてくのにも必要だって言ったでしょ?必要最低限は残しておくんだ♪全力であの技を使っても、この真ん中の前髪の黒い部分は残しておくの♪でも、疲労が激しくて、どんなに力を押さえても、あの技を使った後は気絶しちゃうけど♪」
「・・・『はかいこうせん』みてーなもんか。」
「それより使い勝手悪いよ。一直線にしか飛ばないから、相手に確実に当たる時しか使えないし、『ため』の時間もいるし。くわしくたとえるなら、『だいばくはつ』並の威力で、『はかいこうせん』と『ソーラービーム』両方の欠点をくっつけたって感じの技♪・・・何か話がずれたよーな気がするなぁ。」
「俺は技の特性とかより、何で本気を出さなかったかを聞きに来たんだ。」
「あー・・・そーだったね♪・・・僕ね、この星に来る前にさー、友達が1人いたんだよ。」
「で?」
「金髪碧眼だったの。」
「・・・てめー・・・重ねやがったな・・・古くさい理由だな。」
「悪いぃ?性別も性格も目つきも違うし、耳もとんがってなかったけど・・・とにかく、全然似てないけど、それは同じだよ。」
「ダチに似てただけで、殺せなかったのか?」
「その友達、死んじゃったんだ。」
「・・・」
「性別も性格も・・・状況も全く違ったけど・・・髪と目の色と・・・死んで欲しくなかったって気持ちは同じだった。今度も死なせてしまったら・・・もう同じ事から逃げられない様な気がした。凄く・・・イヤだった。・・・けっこー大変だったんだよ。僕、基本的にはゼロ様の命令を聞くよーに創られてるから。技を使うのまでは止められなかったけど。」
「・・・お前、寝返ったんだろ?」
「うん、そーだけど?」
「敵じゃなくなったってコトは、お前も手下だな。」
「えー!?友達じゃないのぉ!?」
「噴射口に詰めるぞ、てめー。・・・とにかく、足を折った分、しっかり戦えよ。」
「でもさー、一時的にヘルパー解除したから、治ったんじゃないの?」
「治った。けどな、他にも、勝手に家に入ってきたとか、ハイスコアを消したとか・・・」
「わかった♪僕、がんばりま〜す♪」
「2人とも〜、もうすぐ離陸ダス。コクピットに入るダス。」
「凄い風ダス!あの雲に接触されるのは、難しいダスよー・・・」
「何とかしろ。一瞬だけなら、無理じゃないだろう?」
「はいダス!メタナイト様!」
「カービィ、今から15分後に雲にハルバードを接触させる。上手く飛び移れ。」
「メタナイトもついてきてよ〜♪」
「・・・何で私が・・・」
「決着つけたくないのぉー?」
「・・・お前、性格悪くなったな・・・」
「ヘルパーに似まして♪」
「・・・しょうがないな。」
「やたっ♪」
「では、甲板に行くぞ。」
「えーと、今から5分後にハイパーゾーンに突入するんだけど・・・カイムが何か言うコトがあるそーで。」
「はいはーい♪みんなを3チームに分けよーかと思って♪毎回桃くん達が戦ってたトコと全然違うからね、ハイパーゾーンは。大勢で動くと死角が増えるし、気づかれやすいし。」
「で、どんなーふーに分けるの?」
「桃くんはそこの仮面の人と♪残り4色はいっしょに♪僕はナックルジョーとアドちゃん♪」
「ちょっと待った!意義あり!」
「どーぞ、青くん♪」
「絶対、趣味で選んでいると思う!」
「違うよ〜♪桃くんは基礎攻撃力が低いから、剣を使う人といっしょに行った方がいいし、君達4人は偏った特殊な攻撃を得意としてるから、バラバラに行動するより、みんなの技を組み合わせて使った方がいいし、アドちゃんは絵を描く時に完璧無防備になるから、強い人といた方がいいでしょ?」
「何か・・・言いくるめられたよーな・・・」
「でも、けっこー、筋が通ってるよね・・・」
「メタナイト様、そろそろです!」
トライデントナイトが甲板に出てきます。
「そうか。ハルバードを頼むぞ。」
「はい!メタナイト様の留守中は我々メタナイツがこの艦を死守します!」
「何かムズいコト言ってる。」
「きっと、カレーの具の確認なんだ!」
「・・・こんな時に?」
「ねぇねぇ、『シシュ』ってどんな具?ボク、聞いたコトないよ!教えて、教えて!」
「カービィ!この黄色い奴を押さえてろ!」
「キービィ、大人しくしてましょーねー。」
「あ〜、『シシュ』が〜・・・」
「トライデントナイト、万が一の場合はこの艦を捨て、脱出する事を他の奴にも伝えておけ。」
「・・・『マンガイチ』はスパイスだと思うな!」
「黙ってて。」
「ですが、メタナイト様・・・」
「これは、命令だ。」
「・・・わかりました。」
「きゃーっ、メタナイト、かっこいーっ♪」
「カビちゃん、うるさいよ!」
「人のコト言えるかぁーっ!」
「カーくん、キーくん、落ち着いて・・・」
「雲に近づいてきたみてーだな。」
「じゃ、カービィファイブ隊長のボクがセリフを言うね。・・・行くよ、ハイパーゾーン突入だぁ!」