大野威研究室へようこそ  Welcome to the HP of Takeshi Ohno 本文へジャンプ

日米英ニュージーランドの雇用・賃金制度、雇用政策、労使関係、税制の歴史的変遷について国際比較研究をしています。
日米を中心とした自動車産業の労働・生産組織、各国の女性役員の登用制度についても研究をしています。








右上 世界ではじめて8時間労働が広がったニュージーランドのウエリントン(現首都)。

右下 19世紀のニュージーランドで製造業の中心地だったダニーデンの駅舎。




2024年12月22日 

 統計データの一部を更新しました。



2024年12月18日

 「1840-1857 ニュージーランドにおける世界最初の8時間労働の実現:イギリス、アメリカ、オーストラリアとの比較」という論文が出ました。興味のある方は読んでいただけると幸いです。


 上の写真は、ニュージーランドで8時間労働を最初に実践したサミュエル・ダンカン・パーネルのお墓。墓碑には「8時間労働の父。1840年に(8時間労働を)実践したことが、すべての労働者の8時間労働の礎となった」と記されている。


 国会と道を隔ててニュージーランド準備銀行がある。この裏手に植物園につながるひろい墓地があり、そこにパーネルのお墓もある。



2024年12月8日



 ニュージーランドのダニーデンで見つけたBYDのショールーム。
 左がドルフィンで価格は43,990NZドル(約400万円:1NZドル=90円で計算)から。
 

 右はフラグシップモデルのシール。価格は61,990NZドル(約550万円)から。
 ニュージーランドは日本(イギリス)と同じ右ハンドルということもあって、街中では日本車がひじょうに多い。ただ、よくみると日本の街中よりはるかに多くのテスラその他のEVが走っている(ニュージーランドでは、昨年末までにEVを購入すると、5-70万円の補助が受けられた)。中国メーカー車も多い。同じことがオーストラリア、東南アジアでおこっていると思われる。自動車市場の将来が大変気になる。



2024年11月24日

 あまり知られていないが世界ではじめて最低賃金法(1894年)を制定したのはニュージーランド。大きな海運ストをきっかけに、労使関係を安定させるために制定されたと説明されることが多いが、どうも納得がいかない。これを調べるため、ニュージーランドの首都ウエリントンにあるビクトリア大学に2か月ほど滞在させていただいた。これから、その成果をいくつかの論文にわけて公表していく予定なので、興味のある方は読んでいただけると幸いです。
 ちなみに、ニュージーランドは世界ではじめて8時間労働(1840-1857年)を普及させ、また世界ではじめて女性参政権を確立(1893年)した国でもある。これらはそれぞれ深い関連があるため、最初に公表する論文では、まずニュージーランドで8時間労働がはじまった様子を、同時代のイギリス、アメリカ、オーストラリアと比較して明らかにしている。


上はニュージーランドの国会。


国会の本会議場


国会の前庭には遊具があり、親子がよく遊んでいる。国会の前庭にはだれでも自由に入れ、多くの人が散策を楽しんでいる。


ビクトリア大学図書館からのながめ。大学の主キャンパスは国会から歩いて20分ほどの場所。



2024年6月4日

 昨日、オーストラリアの最低賃金が7月から24.1オーストラリア・ドル(約2500円:1AUドル=104円で計算)となることが決まった。オーストラリアの法定労働時間は週38時間。その場合の週の最低賃金は約9.5万円月(4週)だと38万円!が最低賃金ということになる。欧州各国の最低賃金も、のきなみ2000円を超えている
 ちなみに日本の最低賃金は893円〜1113円。法定労働時間40時間で計算すると、週の最低賃金は3万6千円〜4万5千円。月(4週)の最低賃金は14万3千円〜17万8千円
 円安の影響もあり、欧米との経済格差がどんどん拡大している。



2024年5月14日

 現在、アマゾンの子会社ZOOXはアメリカの複数個所で無人タクシーの運行をおこなっているが、NHTSA(米運輸省交通安全局)
2件の事故について調査をはじめた。
 報道によるとZOOXの無人タクシーは、急ブレーキをかけたことにより後続のオートバイに追突される事故が2件発生した。けがは軽微ということだが、これをうけNHTSAは同社の自動運転システムについて調査を開始した。
 アメリカの大都市は、車道と歩道の分離が徹底し、なおかつ自転車、オートバイは日本より少ない。このような条件でも、自転車やバイクをまきこんだ無人タクシーの事故は絶えない。一般道での無人タクシーの実現については今後も十分な検証が必要であろう。

追記(2024/5/15)
 NHTSAは、Waymoの無人タクシーについても、駐車中の車との接触を含む22件の事故・交通違反について調査を開始した。



2024年2月13日

 現在、サンフランシスコ市ではアルファベット(google)の子会社Waymoが無人タクシーの24時間運航をおこなっているが、2月6日、乗客を乗せたWaymoの無人タクシーが自転車と接触するという事故があった。
 報道によると、無人タクシーは交差点で曲がるとき、対向する大型トラックの後ろにいた自転車を認識するのが遅れ、自転車と接触した。被害者のけがは軽いものだったということだが、無人タクシーへの懸念が高まっている。昨日には、サンフランシスコ市で乗客を乗せていないWaymoの無人タクシーが、有人タクシーなら入らない祭りがおこなわれている区域に入り込み、その後、多数の人に囲まれ破壊、放火されるという事件もおこっている。
 現在、カリフォルニア州議会では自動運転タクシーの許可権を州から地元自治体に移すSB915という法律が審議されている。これが可決され、知事が拒否権を行使しなければ、サンフランシスコ市では無人タクシーの運行に大きな制約が課せられる可能性が高い。今後の推移が注目される。



2024年1月5日

 短時間の充電時間ですむ全固体電池の開発に世界中の自動車メーカーが取り組んでいるが、VWとクワンタム・スケープ(米)が難題となっていた耐久性のある全固体電池の開発に成功したようだ。
 VWの開発した全固体電池は、1000回以上の充放電を繰り返したあとでも5%の充電能力ロスしか発生しないという。現在の業界の開発目標は700回の充放電後、20%以下の充電能力ロスに抑えるというもの。VWの開発した全固体電池はこの基準を大きく上回っている。次の課題は大量生産化とコストの引き下げということになる。
 現在のEVブームは、リチウム電池が高価なことから高級車からはじまった。全固体電池はリチウム電池よりさらに高価なため当然、高級車から導入が進む。VWの場合、ポルシェとアウディから導入が進みそう。
 日系メーカーも全固体電池の開発を進めているが、レクサスを除けば高級車セグメントが弱い。全固体電池で優位に立つには高級車ブランドを確立していることが不可欠と思うが、メディアではそのような指摘をあまり見ない。気がかりである。

追記
 クワンタム・スケープの開発した電池は、電解質が完全な固体ではなかったようで、全固体電池の開発はまだその途上にある模様。



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