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用語解説: アメリカの組合承認選挙

 
 自由に労働組合を結成し、企業に労使交渉を要求できる日本と異なり、アメリカとカナダでは、労働者の過半数の支持を受けた場合のみ、企業に労働組合と労使交渉する義務が発生する仕組みになっている。これは、多数決に基づく排他的な団体交渉制度と呼ばれる。
 過半数の支持を得ているかどうかを判定する選挙を組合承認選挙という。選挙は、アメリカなら全国労働関係局NLRB(National Labor Relation Board)、カナダなら各州の労働関係局LRB( Labor Relation Board)の監督のもと行なわれる。
 この選挙を実施するには、あらかじめ一定数の労働者から署名(授権カードへの署名)を集めなければならないと決められている。アメリカの場合、交渉単位となる労働者の30%以上の署名が、カナダのたとえばオンタリオ州では40%が必要とされている。なおカナダの場合、アメリカと異なり、労働者の過半数の署名を得た場合、選挙を行なうことことなく組合が自動承認される規定(automatic certification)が定められている(一部の州を除く)。